世界初のAR骨切り術システムが実現!Forgers社が大阪大学とNTTコノキューの開発に協力

2025年6月3日、VR/AR開発を手がけるForgersが、大阪大学とNTTコノキューと連携し、ARグラスを活用した「骨切り術ナビゲーションシステム」の開発に協力していることを明らかにしました。
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変形矯正骨切り術の課題とは?
変形矯正骨切り術は、関節の骨の一部を切除し、関節の向きや荷重バランスを矯正する整形外科手術の一つです。
従来のこの手術では、医師がレントゲン画像と実際の手術部位を目視で確認しながら進める必要があり、医師の技術力と経験に大きく依存していました。
大阪大学では、CTスキャンをもとに術前に最適な切断角度を設計し、専用の手術ガイド(物理器具)で高精度に切断を行う手法を確立していました。
しかし、
・手術ガイドの設計と製造に最大2ヶ月の時間がかかる
・一人の医師が担当できる手術件数に限りがある
といった課題があり、より柔軟な手術支援システムの構築が求められていました。
ARで骨切り断面をリアルタイム表示
そこで登場したのが、大阪大学とNTTコノキューによる「ARグラスによる仮想ガイド表示」システムです。
事前に設計されたデータをXRグラス「MiRZA」に表示することで、物理的な手術ガイドなしでも高精度な骨切りを可能にします。
具体的には、XRグラスとマーカーを組み合わせることで、手術部位の位置を正確に把握し、リアルタイムで切断面ガイドがAR表示されます。
これにより、医師は実際の手術部位を見ながら、同時にARで表示される理想的な切断ラインを確認できるため、高精度を保ちつつ、手術ガイドの製造期間を大幅に短縮できます。
システムの核となるのは、術野の高精度なトラッキング技術です。
Forgersはこのシステムの開発パートナーとして、AR上に手術ガイドの骨切りラインを高精度に表示するインターフェース構築に協力しました。
株式会社Forgersについて
今回開発協力を行っている株式会社Forgersは、家具・小売業界や製造業界、通信業界など幅広い会社を対象にVR/ARアプリケーション・システムの受託開発の支援や、自社開発のXR SaaSの提供を行っています。
NTTコノキューからの受託開発として、医療業界向け技術伝承XRアプリの開発も行うなど、医療業界向けのソリューション開発の実績もあります。
大阪・関西万博で「メタバース外科手術」展示
2025年4月13日から10月13日まで開催される大阪・関西万博では、このAR手術システムが「メタバース外科手術」として初公開されます。
NTTパビリオンの関係者向け展示エリアにて、実際にMiRZAを用いたコンセプト体験ができます。
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今後の展望
現在は上肢骨折の矯正手術に焦点を当てていますが、将来的には
・膝
・股関節
・人工関節手術
など他の整形外科領域、さらには全身の外科手術への応用も視野に入れています。
Forgersとコノキュー、大阪大学は、医療現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を牽引すべく、臨床試験を通じてさらなる実用化を目指すとのことです。
まとめ
AR技術を活用した変形矯正骨切り術システムが大阪大学、NTTコノキュー、Forgers社との協力で開発されました。
現在は臨床試験に向けた準備段階にあるとのことですが、実用化が実現すれば、整形外科手術の必須の技術となりそうです。
医療におけるXR活用の取り組みが、これからどのような進化を遂げるのか、今後の動向に注目ですね。
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筋トレとVRを愛するライター。VRでマッスルを実現できないか現在思案中。