スマートグラスとは?人気モデルやARグラスとの違いなどスマートグラスについて詳しく紹介!
メガネのレンズをディスプレイにして様々な情報を表示できるスマートグラス。
XR技術が普及するのに合わせて、注目を集めているデバイスです。
スマートグラスとはいったいどのようなデバイスなのか?
AR/MRグラスなどとはどう違うのか?
どのようなモデルが登場しているのか?
スマートグラスについて詳しく紹介します!
スマートグラスとは?
スマートグラスとはディスプレイを搭載したメガネに、様々な機能が追加されているデバイスです。
時間を確認できるだけでなく心拍数の測定や電子マネー機能があるスマートウォッチと同じく、ウェアラブル端末として注目されています。
視線を移動させたり手を使うことなく情報にアクセスできるので、家事や作業中、または歩きながらでもスムーズに情報をチェックすることが可能です。
そのため、消費者向けだけでなく、業務効率化用のツールとして企業向けまで幅広い用途で利用されています。
スマートグラスとAR/MRグラスの違い
スマートグラスと似たデバイスとしてHoloLensなどのAR/MRグラスがあります。
どちらもメガネ型のデジタルデバイスなので混同されがちです。
しかし、スマートグラスとAR/MRグラスは空間を認識する能力があるか、ないかという点で大きく異なります。
AR/MRグラスはメガネを通して見える現実の場所やモノにデジタル情報を重ねて表示するものです。
・現実の環境に付与されたマーカーなどを読み取った情報
・現実には存在しないモノやキャラクター
などをAR表示します。
対して、スマートグラスは現実の空間を認識する能力はなく、現実に情報を重ねて表示することに特化したものです。
あくまでもメガネやサングラスとしての用途があり、そこに情報処理や写真撮影などの機能が追加されています。
ただし、最近ではスマートグラスの中にもAR機能が搭載されているものも登場し始めており、AR/MRグラスとの差が埋まりつつあります。
スマートグラスで出来ること
製品によって違いがありますが、スマートグラスにはインターネットへの接続のほかに、
- 写真・動画撮影
- 動画の視聴
- 運動データのモニタリング
- 通話
- ナビゲーション情報の確認
という機能があります。
1.写真・動画撮影
スマートグラスにカメラが搭載されていれば、自分が今見ている光景の写真や動画を撮影することができます。
見たままをそのまま残すことができるため、観光の際の思い出を残せるだけでなく作業の検証などの際に便利です。
また、画面共有機能がある場合には、作業状況を遠隔地の上司がリアルタイムで確認し指示をすることもできます。
2.動画の視聴
スマートグラスのレンズに動画コンテンツを投影して視聴することも可能です。
いつでもどこでもどんな姿勢でも大画面で動画を楽しむことができます。
モニター不要なので自分以外に画面が見えることがなく、周りの気にせずに動画を楽しめるのが特徴です。
3.運動データのモニタリング
ランニングなどの際に使うスポーツ向けのスマートグラスでは体に各種センサーを装着することにより、心拍数や走行距離などの運動データを確認できます。
スマホやスマートウォッチと違って視線を大きく移動する必要がなく、正面を向いたまま安全にデータを見ることが可能です。
また、通常のスマートグラスでも視線や頭の動きなどを元に、健康状態や集中度合いをモニタリングすることもできます。
4.通話
マイクとスピーカーが内蔵されているスマートグラスは、スマホと連携してハンズフリーで通話することが可能です。
SkypeやZoomなどに対応したスマートグラスであれば、そのままリモート会議を行うこともできるようになります。
5.ナビゲーション情報の確認
スマートグラスにAR機能がある場合、観光スポットにあるマーカーを読み込んで付与情報を見ることもできます。
海外旅行の際に混乱しがちな標識や看板などの翻訳データもスムーズに確認することができて便利です。
また、目的地を設定することで道順を示す矢印を道路上にAR表示する機能もあります。
人気のスマートグラス4つ
人気を集めている主要なスマートグラス4つ紹介します。
1.Google Glass
Googleはスマートグラス開発の先駆けとしてGoogle Glassを発表し「ウェアラブルデバイス」という言葉を一般に広めました。
一般向けに販売された初代モデルは販売終了していますが、2017年にエンタープライズ向けの製品として復活し、2019年には最新モデルが発売されています。
スタンドアロンVRゴーグルなどに使われる「Qualcommクアッドコア」を搭載し、機械学習や描画性能が大きく向上しました。
また、Androidベースの最新モデルは既存のサービスやAPIが使いやすく、また新しいアプリを構築するのにも便利です。
2.Focals
カナダのスタートアップ企業Northが開発したFocalsは、通常のメガネとほとんど変わらないデザインで人気のスマートグラスです。
スマホとBluetooth接続しAndroidとiOSの両方に対応した専用アプリを使って、天気予報やスケジュールやスマホに届いた通知などの情報を確認することができます。
通常は指輪型のデバイスを使って指で操作することになっているほか、Amazonのアレクサと連携させることで音声による操作も可能です。
NorthはFocalsをバージョンアップしたFocals2.0をあ019年に発表し、2020年には日本国内でも発売が予定されていましたが、Googleに買収されたことで現在では販売中止されています。
関連記事:Googleがスマートグラス開発のNorthを買収。Focalsの新バージョン発売は中止へ。
3.MOVERIOシリーズ
MOVERIOはエプソンから発売されているスマートグラスです。
一般消費者向けのものからエンタープライズ向けに特化したものまで幅広いラインナップが揃っています。
Moverio BT-30E
Type-CやHDMIなど汎用インターフェースを使い、AndroidスマホやPCに接続して利用するスマートグラスです。
そのためバッテリーを搭載したりやWi-Fiに対応する必要がなく、その分軽量に仕上がっており長時間使用しても疲れにくくなっています。
左右両方に有機ELディスプレイを搭載していて動画視聴やゲームプレイに便利なほか、検査・測定機器やドローンのコントローラーに接続すればモニターとして利用可能です。
>>EPSON Moverio BT-30E[Amazon]
Moverio BT-300
「BT-300」はBT-30Eのように有機ELディスプレイを搭載しており、20m先に320型相当の大画面があるような感覚で映像を楽しめます。
独自のMoverio OSを搭載しているため外部機器に接続しなくてもスマホのように利用可能です。
Wi-Fiに対応していてインターネットを単独で利用できるのでニュースサイトやYouTubeを視聴できるほか、アプリ連携機能を利用すればドローンのモニターとしても使えます。
>>EPSON Moverio BT-300[Amazon]
4.Vuzix Smart Glasses シリーズ
スマートグラス開発では老舗のVuzixは、一般向けモデルとエンタープライズ向けモデルの両方のスマートグラスをリリースしています。
Vuzix Smart Glasses M400
Vuzixの主力モデルである「M400」はエンタープライズ向けに作られたAndroid端末です。
物流現場や遠隔医療、製造現場での利用が想定されていて、防水・防塵、2mから落としても使える耐衝撃性能があるなど頑丈なつくりとなっています。
また、デバイスを利用しながらでも作業を進められるように、ハンズフリーの音声操作で情報へのアクセスやデータの収集が可能です。
搭載されているカメラも4K画質の動画を撮影できるなど性能が高く、現場作業の様子などを正確に残すことができるようになっています。
>>Vuzix Smart Glasses M400[Amazon]
Vuzix Blade Smart Glasses
一般向けとエンタープライズ向けの両方で展開している「Blade」は、サングラスのような形状が特徴的な右目単眼タイプのスマートグラスです。
操作は右側のツルにあるボタンを利用するほか、Amazonのアレクサを使った音声操作もできます。
AndroidとiOSの両方に対応したアプリを利用してWi-Fi設定やアプリの管理が可能です。
スマホ画面のミラーリングのほか、搭載したカメラで撮影した動画や画像をSNSなどにアップすることもできます。
>>Vuzix Blade Smart Glasses [Amazon]
Vuzix Smart Glasses M300
「Vuzix M300」はエンタープライズ向けに製造されたモデルですが、使い勝手の良さから消費者向けとしても根強い人気を誇っています。
人間工学に基づいたデザインによって長時間利用していても疲れにくく、ヘルメットなどを被っていても利用できるのが特徴です。
HD画質の動画を撮影できるカメラが搭載されていて、「M400」ほどではないものの高画質撮影をすることができます。
タッチパッドやボタンによる操作のほか、音声によるハンズフリー操作にも対応しています。
>>Vuzix Smart Glasses M300[Amazon]
まとめ
スマートグラスはメーカーによってできることや用途が大きく異なる多様性のあるアイテムです。
スマートグラス選びの際には
- インターネット接続
- 動画・画像の撮影や視聴
- トレーニングのサポート
など、まずはスマートグラスを使ってどんなことをしたいのかという点をはっきりさせるのが重要になります。
特に新型コロナ禍の影響が大きい最近では、Zoomなどと連携させることでオンライン会議用のツールとして活用する企業も増えているようです。
このように存在意義を増しているスマートグラスですが、まだまだ開発途上でありバージョンアップの余地が大きいデバイスといえます。
今後ウェアラブルデバイスの代表となることはまちがいないので、まずはスマートグラスの魅力や便利さを一足先に体験してみてもいいと思います。
ガッツリ使いたいという方も、とりあえずスマートグラスの近未来感を体験してみたいという方もまずは機能面に注目すると選びやすいでしょう。
筋トレとVRを愛するライター。VRでマッスルを実現できないか現在思案中。