Googleがスマートグラス開発のNorthを買収。Focalsの新バージョン発売は中止へ。

6月30日、Googleは公式ブログにおいてスマートグラス開発のスタートアップNorthの買収を発表しました。
この買収を受けてNorthは現行製品の廃止と発売予定であった新商品の提供をキャンセルすることを発表しています。
スマートグラスの開発を手掛けてきたNorth
今回Googleが買収を行ったNorthはカナダを拠点とするスタートアップ企業であり、スマートグラスFocalsの開発で知られています。
Thalmic Labsとして2012年に設立されたNorthは当初ジェスチャーベースのアームバンドであるMyoの開発・販売を手掛けていました。
2018年にはNorthとブランド名を変更し、Focalsの開発・販売へと転換しています。
Focalsはメッセージやナビゲーションを表示するプロジェクターはレンズ部分に、つるの部分にコンピューティングコンポーネントが内蔵されているのが特徴です。
普通のメガネとほとんど変わらない外見のARデバイスとして最もユーザーに優しいと評価する声もあります。
2019年末にはFocalsの最新バージョンが2020年に発売予定であることが発表されており、日本国内での販売が期待されていました。
GoogleがNorthの買収を発表
Googleは6月30日にNorthの買収を正式に発表しました。
買収価格は当初約1億8000万ドルといわれていましたが、はっきりと明らかにされてはいません。
今回の買収によりGoogleのデバイス・サービス担当上級副社長のリック・オスターロー氏は
としています。
アンビエントコンピューティングはオスターロー氏が提唱した概念で、ユーザーの日常の環境(アンビエント)全体をコンピュータのように操作できるというものです。
この言葉により今回の買収劇にはGoogleのARグラスの開発戦略が背景にあることが示唆されます。
また、この買収によって、
現行のFocalsの販売終了
発売予定だったFocals2.0のキャンセル
がNorthより発表されました。
2020年7月31日以降、ユーザーはFocalsに接続・使用したり、Northアカウントにアクセスしたりできなくなります。
また、Focalsアプリ自体も、Google PlayとAppleのApp Storeの両方から削除される予定です。
まとめ
Googleがスマートグラスの開発元であるNorthを買収しました。
NorthのFocalsは日本国内での販売はないものの、使いやすいインターフェースは注目されており最新バージョンのFocals2.0の国内販売を期待する声もありました。
NorthはFocals2.0の発売予定日を今年の3月には発表していたことから、今回の買収が急激なスピード感で決定したことがうかがえます。
それだけに、今後Googleがリリースするであろうスマートグラスがどのような形で登場するのか注目です。
参照:Our focus on helpful devices: Google acquires North[Googleブログ]
参照:North公式サイト
参考:Google Acquires North, the Startup Behind ‘Focals’ Smartglasses[Road to VR]

筋トレとVRを愛するライター。VRでマッスルを実現できないか現在思案中。