遂に登場?SAOをVRゲームで楽しめる?
2022/06/21 15:33
VRゲームの世界での冒険を描いた「ソード・アート・オンライン(SAO)」。
後続の創作物に大きな影響を与えたばかりか、VR業界にもインスピレーションを与えたことでも知られています。
そのため、今回はSAOのVRゲームや、SAO的なVR体験の実現に必要なものなどについてまとめました。
SAOとは?
「ソード・アート・オンライン(SAO)」は、謎のオンラインゲーム『ソード・アート・オンライン』を舞台にした川原礫氏によるライトノベルです。
次世代VRMMORPGとしてサービスを開始した『ソード・アート・オンライン』に参加した主人公キリトは、仮想現実で展開される陰謀や戦いに身を投じることになります。
2009年4月の原作小説第1巻発売以来、高い人気を誇り、漫画、アニメ、ゲームなど様々なメディア展開がされています。
VR元年と言われた2016年以前からVRゲームを題材にし、当時まだ馴染みのなかった
「VR」
「ヘッドマウントディスプレイ」
「オンラインゲーム」
の知名度・イメージの向上に貢献した作品でもあります。
そのため、国内外のVRやメタバース業界にもファンが多いことでも有名です。
例えば、Oculus創業者のパルマー・ラッキー氏もSAOからインスピレーションを得たと語っており、2022年3月に行われた同作のオンラインイベントにも登壇しています。
SAOのようなVRゲームを望む人も多い
動画:SAOの影響が大きいVRゲームとして注目を集めた「剣の夢語(Sword Reverie)」
VRゲームを題材にしているだけに、SAOについてはVRゲーム化を期待する声が多いようです。
SNSを見てもSAOのようなVRゲームの実現を待ち望む投稿が多く、VRゲームがリリースされると
「SAOみたいな体験ができるのか」
ということが話題になります。
また、プレイヤー側だけではなく製作者側もSAOのようなVRゲーム実現への期待と熱意を傾けているようです。
VR剣戟ゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」で知られるよむネコ社(現Thirdverse社)は、ゲームスタジオとしての目標を「SAOのようなVRゲームの開発」としています。
2022年1月、米国を拠点とするIsekai Entertainment社が発表したPCVR用アクションRPG「剣の夢語(Sword Reverie)」が話題となりました。
世界観、キャラクターデザインなどSAOに大きく影響を受けているのが明らかであり、「とうとうSAOがVRゲーム化か!?」と注目を集めていたためです。
ついに登場!?SAOのVRゲーム?
期待されているのはSAO風のVRゲームだけではありません。
やはり期待が大きいのはSAOそのものを体験できるVRゲームです。
そのため、これまでに何度もSAO公式のVRコンテンツが制作されています。
主なものを3つ見ていきましょう。
ソードアートオンライン レプリケーション
2017年に登場した「ソードアート・オンライン レプリケーション」は、バンダイナムコエンターテインメントとNTTドコモの共同による、5G回線を使ったVRゲーム制作プロジェクトです。
トーキョーゲームショー2017で発表され、同年東京スカイツリーの「東京ソラマチ」で期間限定で体験型イベントとして開催されました。
プレイヤー自身がVR世界の主人公となり、オリジナルキャラクターのヒロイン「ミスト」とともに、原作にも登場する異世界『アインクラッド』の再現を目指していきます。
仮想空間上に再現されたSAOの世界観の中で、主人公キリトとヒロインのアスナがサポートキャラクターとして登場するなど、作品ファンにはたまらない体験が可能です。
ソードアート・オンラインVR Lovely♡Honey♡Days
画像:Twitter
2018年にリリースされたスマホVRアプリ「ソードアート・オンラインVR Lovely♡Honey♡Days(ラブリーハニーデイズ)」では、ヒロインのアスナとの甘い新婚生活を味わうことができます。
主人公のキリトになりきって、海や温泉、ピクニックなど様々なシチュエーションでアスナとコミュニケーションをとっていきます。
さらに、アスナがキリトにしか見せない表情や姿を激写することもできる写真撮影モードが目玉機能です。
残念ながら2021年にサービス終了が発表されてしまいましたが、多くのSAOファンを魅了しました。
ソードアート・オンライン Synthesis -The Period of Alicization Project-
「ソードアート・オンライン Synthesis -The Period of Alicization Project-」は、TVアニメ「ソードアート・オンライン」《アリシゼーション》編完結を記念して開催されたVRイベントです。
原作に登場する《はじまりの街》のワールドがVR SNSのVRChat上に構築され、SAOの世界観を仮想空間で体感できる展示を楽しむことができます。
また、メインキャストと原作・アニメ・ゲームのメインスタッフがアニメを振り返る特別番組が広場の中央に登場する巨大なスクリーンで放送されました。
番組のファン同士がアバターを通して特番を見ながら、アニメ放送の思い出を語り合う光景も見られたようです。
>>ソードアート・オンライン Synthesis -The Period of Alicization Project-[公式サイト]
ソードアート・オンライン –エクスクロニクル– Online Edition
「ソードアート・オンライン –エクスクロニクル–」は、2019年から2020年にかけて東京と京都にて開催されたSAO刊行10周年を記念する展示イベントです。
2021年には同イベントがオンラインイベントとして生まれ変わり、「ソードアート・オンライン -エクスクロニクル- Online Edition」が開催されました。
オンラインイベント化にあたっては単純な総集編に終わらず、VRの世界をテーマにしたSAOにふさわしいVRコンテンツとして再構築されているのが特徴です。
・《はじまりの街》
・展示エリア《鋼鉄城》
・展示エリア《地下迷宮》
・展示エリア《研究施設》
など原作に登場した重要なスポットが登場し、それぞれに冒険気分を味わえるギミックや仮想空間ならではの映像演出が組み込まれています。
《ボス攻略戦》エリアではザ・スカルリーパーと対戦する体験ができ、討伐に成功すると英雄として名前が刻まれるという趣向も凝らされました。
>>–エクスクロニクル– Online Edition[公式サイト]
体感フィードバックがないとSAOと同じVRゲームは厳しい?
動画:「SAOすぎる」と話題の最新VRMMORPG「Zenith: The Last City」
様々なジャンルのVRゲームが増えていく中で、
・ポピュレーション・ワン
・剣の夢語(Sword Reverie)
・Zenith: The Last City
などバトロワ、オープンワールドMMOというSAOに通じるVRゲームも登場するようになりました。
このようにコンテンツ面ではSAOを思わせる世界観を体験できるような時代が到来していると言えます。
しかし、VR体験ではコンテンツだけではなくデバイスも重要です。
特にSAO的なVR体験では、触覚や痛覚などをより現実世界に近い感覚を再現することが重要になります。
手で物を掴んだり体に何かが当たる感覚を再現するグローブ型やスーツ型の体感デバイスの開発が世界中で進められているものの、現状まだまだ発展途上と言わざるを得ません。
この点を考えると、視覚・聴覚だけでなく肌感覚をも再現するSAOの世界を体験するのは技術的にはまだまだ先となりそうです。
とはいえ、昨今ではメタバースが新しい社会生活の場として注目を集めていることから、より現実に近い体験ができるデバイスの開発が活発化していくことが期待されます。
まとめ
VRゲームをテーマにしているSAOは、国内外のVR開発者に大きな影響を与えた作品です、
それだけにVRゲーム化を希望する声が多く見られます。
ただ、SAOはスケールが大きい作品なので、その全てをVRゲームとして再現するのは現状困難です。
今後、VRデバイスに
・グラフィックの表現力
・触覚などの体感の再現
といった点で進化が必要だと思われます。
その意味では、メタバースをきっかけにVR開発がさらに盛り上がっていることから、SAOの世界を実現できるような大きなイノベーションが起こることに期待したいですね。
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