VR会議とは?VRを活用したリモートワークのメリットや活用事例を紹介
働き方改革で注目を集めたリモートワークですが、新型コロナウィルスの感染拡大という状況下でますます重要性を増しています。
リモートワークの中でも特に多くの企業が関心を持っているのが、バーチャル空間で会議を行うVR会議です。
VR会議は遠くにいるメンバー同士でバーチャル空間を共有して会議を行うので、ZoomやSkypeにはない現実の会議と同じような効果があります。
ここではそんなVR会議を行うのに必要なツールやメリット・デメリット、そして導入事例について紹介します。
VR会議に必要なもの
VR会議はインターネット上の仮想空間上で行われるので、参加者各自がネット接続できる環境にあることがまず必要です。
その上で、以下の4つのツールが必要となります。
1.VRゴーグル
2.VR対応PC
3.VR会議アプリ
4.マイク
1.VRゴーグル
代表的なVRゴーグル「Oculus Rift S」
VR空間で会議を行うには、VRゴーグルが必要です。
VRゴーグルには
・スマホ用
・ゲーム機用(PSVR)
・PC用
などの種類があります。
このうちVR会議で活用されるのは主に、PC用VRゴーグルです。
利用するVR会議アプリによって異なりますが、
・Oculus Rift S
・HTC VIVE
などのPC用VRゴーグルがVR会議で使われることが多いようです。
2.VR対応PC
VR会議を行うにはVR対応のPCも必要になります。
VRでは3DCGなど大きな容量のデータを扱うので、通常のオフィス用PCでは利用できません。
大きめのメモリや高性能なCPU、グラフィックボードが搭載された高スペックのPCが必要です。
どのPCがVRに対応しているかは「VR Ready」という認証をチェックすればすぐにわかります。
関連記事:VRが快適に楽しめるVR Readyとは?VRにおすすめなゲーミングPCを紹介!
3.VR会議サービス
VRゴーグルやPCの他に、VR会議用のスペースを仮想空間上に作り上げるサービスも必要です。
こうしたVR会議サービスは、
クラウドサービスとして提供されているもの
アプリの形で提供されているもの
の2種類があります。
いずれの形式のサービスでも、アバターを通して複数人が同時接続して会議を行うことが可能です。
言語を通したコミュニケーションのほか身振り手振りを使ったり、3Dデータを使ったプレゼンテーションも行えます。
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4.マイク
忘れられがちなアイテムとしてはマイクも挙げられます。
いくらVR会議とはいっても声を使ったコミュニケーションが中心なので、発言を出席者にしっかり届けるためにはマイクが必要です。
VRゴーグルの中にはマイクが内蔵されているものもありますが、テレワーク専用のマイクと比べるとどうしても音質に差があります。
雑音やブツブツと声が途切れては会議に集中できないので、できる限り専用のマイクを利用しましょう。
VR会議のメリット
VR会議はインターネットに接続できれば自宅や出張先からでも会社の会議に参加することができます。
そのため、移動にかかる時間や費用を節約することがで可能です。
VR会議はVRゴーグルを装着し没入感のあるリモート会議ができるので、リモートワーク下でも普段と変わらない会議ができるのも特徴です。
このことから、副次的なメリットとして様々な意見が出やすいということも挙げられます。
アバターを通したコミュニケーションとなるので、普段は控えめな若手社員も発言しやすい雰囲気が出来上がるためです。
このように、VR会議では現実の会議にかかるコストを削減し、生産性を向上させることが期待できます。
VR会議のデメリット
大きなメリットがあるVR会議ですが、初期費用が高いというデメリットもあります。
VR会議に必要なツールを揃えるのに
・VRゴーグル:4万円〜6万円
・PC:15万円〜30万円
が必要です。
大まかに言って、一人当たり20万円程度が初期費用として必要となります。
そこで注目されているのが、Oculus社から発売されているOculusQuestです。
OculusQuestはディスプレイとCPUが一体となっておりPCが不要なため、導入にかかる費用は本体価格の4万円〜5万円だけとなります。
関連記事:OculusQuestまとめ!Goとどう違う?性能から対応ゲームまでオキュラスクエスト徹底紹介!
VR会議導入事例
VR会議はすでに様々な企業に導入されています。
実際にVR会議を導入した企業の事例を3社ご紹介します。
NEC
2018年10月~2019年3月の期間、NECおよびNECマネジメントパートナーは、働き方改革の一環としてVR・AIを活用した会議を行う実証実験を実施しました。
NECマネジメントパートナー全社の、
各拠点とのリモート会議
プロモーション企画会議
現場革新ワークショップ
サービス審議会
といった様々な業務においてVR会議のシステムが活用されています。
展示会のレイアウト設計や現場説明などを、3Dモデルや実際の空間で撮影した360度画像を使い、VRで仮想的に体験することによって、臨場感を持ったプレゼンテーションや議論ができるようになりました。
さらに、VRを使うことで会議中に話した内容をテキストに変換し、キャプションとして表示できるため、聴覚障害を持つスタッフも同じ情報量で公平なコミュニケーションが可能になったとのことです。
KDDI
KDDIが導入した「NEUTRANS BIZ」
KDDIは2018年ごろからSynamon社のVR会議サービス「NEUTRANS BIZ」を利用して、自社の会議の一部にVR会議を導入しています。
都内に拠点の多いKDDIは拠点間での会議で移動や会議スペースの確保にかかる時間的コストがかかるという問題がありましたが、VR会議によって場所的制約がなくなったことで拠点同士での円滑な会議が行えるようになったとのことです。
また、SkypeやZoomを使ったリモート会議と異なり、自然なコミュニケーションができるというメリットが会議の司会役、参加者の両方から上がっています。
参考:KDDI導入事例[Synamon社「NEUTRANS BIZ」公式サイト]
HappyLifeCreators
令和創業のITベンチャーHappyLifeCreators社はテレワークの一環としてVR会議を試験的に導入しました。
従業員が少数であることが多いベンチャー企業では、感染症の拡大や災害などの非常事態で通勤ができないとなると事業そのものの継続が困難になります。
そうした状況下で新型コロナウイルス流行の兆しを受け、緊急時の対策としてVR会議をはじめとしたテレワークの試験導入が行われました。
具体的にどのVRアプリを使ったかは明らかにされていませんが、VR会議に関しては
・(VR会議では)全員がアバターの格好をしているのでむしろ普段より距離感が近く感じた。
・顔が見えないので化粧や身だしなみなどの準備が楽になった。
・会議の時間がいつもより早く終わった。
というメリットを感じるというスタッフの声が紹介されています。
関連記事:VRで円滑なコミュニケーション!VR会議とテレワークで危機的状況下でも業務を継続可能に
まとめ
VR会議の導入事例やメリット・デメリット等をご紹介してきました。
VR会議にはビデオ会議などにはない
・現実の会議と同じ臨場感
・3Dモデルなどを活用した情報共有の円滑化
・生産性向上につながる効率的な会議進行
といったメリットもあるほか、没入感の高いVR会議では集中して会議に出席できるという効果もあります。
そのため、かねてより注目を集めていましたが、新型コロナウィルスの感染拡大を受けてVR会議を導入する企業が増えているようです。
これまでは導入コストの高さがネックとなっていましたが、最近ではだんだんと安価なVR機器が増えてきていることから導入ハードルも下がっています。
今後も多くの企業のVR会議導入のニュースが続いてくると思われますので、是非とも導入を検討してみてください。
筋トレとVRを愛するライター。VRでマッスルを実現できないか現在思案中。