VIVE XR Eliteとは?HTCの最新XRデバイス情報まとめ!
2023/01/26 17:20
HTC社が2023年に入ってすぐに発表した「VIVE XR Elite」。
コンパクトなボディに、VRとAR/MRの両方の機能が備わったXRデバイスです。
正式なリリースはされていないものの、VRゴーグルをリードしてきたHTC社の最新デバイスとして注目を集めています。
今回はそんなVIVE XR Eliteについてまとめました。
【目 次】
VIVE XR Eliteとは?
「VIVE XR Elite」とは、HTC社の最新XRデバイスです。
2022年末から同社の公式SNSTwitterでティザー画像が公開され注目を集めていた中、2023年1月の「CES 2023」にて正式に発表されました。
VIVE Focus3のように、PCなど外部機器不要のスタンドアロンVRゴーグルとして利用するのが基本です。
さらに、PCに接続してPCVRゴーグルとして利用することもでき、
・USB Type-Cでの有線接続
・Wi-Fi 6Eでの無線接続
でのPC接続にも対応しています。
また、スマートフォンとペアリングしてモバイルアプリのコンテンツを表示させることも可能です。
光学系には、「VIVE Flow」でも使われたパンケーキレンズが使われていて、小型化されたデザインながら
・両眼3,840×1,920ピクセルの解像度
・最大視野角110度
・90Hzのリフレッシュレート
という優れたグラフィック性能を持ち、滑らかで鮮明な3DCGコンテンツが楽しめます。
レンズ部分には視度調整機能も搭載されているので、眼鏡をかけなくてもピントを合わせることができるようになっています。
ハンドトラッキングにも対応しており、
・ナビゲーション
・クリック
・ドラッグ
・スクロール
・タイピング
を、通常の手と指の動きで操作可能です。
VIVE XR Eliteは他のVIVEシリーズとどう違う?
VIVE XR EliteはこれまでのVIVEシリーズの流れを汲みつつ、様々な点で異質なデバイスとなっています。
VRだけでなくAR/MRにも対応!
VIVE XR Eliteは製品名に「XR」とあるように、VRだけでなくARやMRにも対応しているのが最大の特徴です。
この点で従来のVIVEシリーズと大きく異なります。
本体前面にはトラッキング用の4個のカメラだけではなく、パススルー用のRGBカメラと深度センサーが搭載されています。
これらを使うことで現実の環境に3DCGオブジェクトを違和感なく配置することができます。
着脱可能なバッテリーで多様な使用形態を実現!
VIVE XR Eliteのバッテリーは重量バランスに配慮してヘッドバンド後部に配置されています。
重心が偏らずバランスがとれるので疲労を感じずに使えます。
しかも、バッテリーは取り外すこともでき、取り外した後は「VIVE Flow」のようなメガネ型の、軽量なVRグラスとしても利用できます。
画像:VIVE Flow
もちろんVIVE XR Eliteの軽量バージョンでもPCにも接続することが可能です。
そのため、仕事やゲームなど長時間装着する場合に大きなメリットとなります。
これまで以上にコンパクトなデザインを実現!
VIVE XR Eliteの光学系に採用されたのがパンケーキレンズです。
光を折りたたむことで、焦点距離を大きく削減することができるパンケーキレンズを使うことで、本体のサイズを小さくすることに成功しました。
重量はバッテリー部分も含めた全体で625gですが、バッテリーを取り外せばその半分以下になるとされています。
本体部分の厚みは薄型デザインで話題となったVIVE Flowとほぼ同等、HTC VIVEやVIVE Proなど初期のVIVEデバイスと比べると半分程度です。
VIVE XR Eliteは何ができる?
では実際にVIVE XR Eliteではどんなことが体験できるのか。
代表的なものをまとめました。
VRゲームを楽しめる!
VIVE XR EliteはVIVE Focus3をはじめとするVIVEシリーズのアプリのほとんどに対応しています。
そのため、これまでVIVEシリーズでプレイしていたVRゲームもプレイ可能です。
事前予約の特典としてプレゼントされる
- ・Green Hell VR
- ・Les Mills’ Bodycombat
- ・Figmin XR
のように、アドベンチャーからフィットネス、クリエイティブまで様々なジャンルのVRゲーム・アプリを楽しめます。
また、XR対応のゲームであれば、仮想空間ではなく自宅の部屋が冒険や創造性発揮の舞台となる体験もできるようになります。
大迫力の動画視聴体験!
ディスプレイ性能が優れているVIVE XR Eliteでは動画視聴も期待される用途の一つです。
実質300インチの巨大スクリーンで動画コンテンツを再生することができます。
また、大口径ドライバーユニットの高性能スピーカーが搭載されていて、オーディオ性能も高いのもポイントです。
映画館を貸し切ったような気分になれる、映像と音の迫力を楽しめます。
メタバースで他のユーザーと交流!
HTC社は現在独自のメタバース「VIVERSE」に注力しており、VIVERSEを利用するための中心的なデバイスとされているのがVIVE XR Eliteです。
VIVERSEではアバターを通じて家にいながら他のユーザーと交流することができます。
VIVE XR Eliteにフェイストラッカーとアイトラッカーをつければ、テキストや音声でのチャットに加え、目線や表情など言語外のコミュニケーションもできるようになります。
また、VIVERSEではデジタルアートが盛んなことも特徴です。
デジタルアートの展示会にとどまらず、NFT(非代替性トークン)を活用したアートの購入もできます。
ビジネスシーンでも大活躍!
長年法人向けのVRゴーグルを開発・リリースしてきたHTC社だけに、VIVE XR Eliteもビジネス利用が用途の中心です。
VIVE XR EliteのMRゴーグルとしての性能が、製造業やデザイン、オフィスワークといったビジネス用途で威力を発揮します。
スタンドアロンバージョンで利用すれば、工場や建築現場でのリモートサポートを受けながらの作業や3DCGでデザインを確認しながらの作業が可能です。
また、オフィスでは軽量ゴーグルとしてPCに接続して巨大モニターを複数表示させることで、効率的なマルチタスクが期待できます。
VIVE XR Eliteの購入はどこでできる?価格は?
VIVE XR Eliteの価格は17万9,000円(税込)と発表されています。
現在は事前予約を受け付けている段階で、正式な発売日は未定です。
事前予約は公式サイトのみで受け付けており、2月15日までに予約すれば
- ・Green Hell VR
- ・Les Mills Bodycombat
- ・Unplugged Air Guitar
など、5つのゲーム・アプリがプレゼントされます。
VIVE XR Elite 概要
VIVE XR Eliteの公開されている基本情報は以下のとおりです。
本体
- 解像度:片目1920 x 1920ピクセル(両目3840 x 1920ピクセル)
- リフレッシュレート:90 Hz
- 視野角(FOV):最大110°
- IPD:約 54 ~ 73 mm
- トラッキング方式:6DoFインサイドアウトトラッキング
- ストレージ:125GB
- メモリ:12GB
- プロセッサ:Qualcomm Snapdragon XR2
- 入力:デュアル一体型マイク、音量ボタン、ヘッドセットボタン
- インターフェース:1x USB 3.2 Gen-1 Type-C 側面ポート、1x USB 3.2 Gen-1、Type-C パワーポート、Bluetooth 5.2 + BLE、Wi-Fi 6 + 6E
- センサー:4xトラッキングカメラ、16 MP RGB カメラ、深度センサー、加速度センサー、ジャイロスコープ、近接センサー
- オーディオ:デュアルマイク(エコーキャンセレーション)、内蔵スピーカー
- マイク:デュアル一体型マイク
- 推奨エリア:最大 10 x 10m のプレイエリア
- 重量:625g(バッテリーを含む)
コントローラー
- ・センサー:トリガーおよびグリップボタンのホールセンサー、トリガー・アナログスティック・サムレスト領域の容量センサー、加速度センサー、ジャイロスコープ
- ・入力:エルゴノミックグリップボタン、アナログトリガーボタン、AB / XYボタン、システム / メニューボタン、アナログスティック
- ・バッテリー:最大15時間のバッテリー駆動時間、一体型充電式バッテリー(USB-C経由で充電)
トラックエリア条件
- ・立位 / 座位:両方可能
- ・ルームスケール:最大 10 x 10m のプレイエリア推奨、立位時の最小プレイエリアは 1.5m x 1.5m
まとめ
HTCの最新デバイスVIVE XR Eliteは、HTC社が追求する軽量で高性能なXRデバイスの形を示したものです。
VRとMRの両方を体験できるうえに、長時間利用しやすい重量となっています。
バッテリーを取り外せば、メガネのようにケースに入れて携帯するのも簡単。
様々なシチュエーションで活躍できるポテンシャルを感じます。
価格は約18万円と高額ですが、直接のライバルとなるMeta Quest Proの22万円と比べるとやや安価に感じられるかもしれません。
現在は事前予約受付の状態で発売日は未定となっており、HTC社は詳細を2023年の後半に発表するとのことです。
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