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VIVEとOculus RiftをARバイザーに変えるカメラ「ZED Mini」、12月18日から出荷を開始

ZED Miniの外観

Google VR&AR部門を率いるClay Bavor氏やFacebookのCEOマーク・ザッカーバーグ氏は、VRとARを対立したものとは考えず、連続的な体験あるいは将来的にひとつに統一されるべき体験と考えている。だが、現時点ではVRとARがひとつの体験になるような兆しはない。こうしたなか、VIVEあるいはOculus Riftに装着すると、まるでHoloLensのように使えるようになるカメラ「ZED Mini」が出荷されることになった。

ZED Miniの外観画像

SDKも提供開始

ZED Miniの販売ページの画像

ZED Miniの販売ページ

ZED Miniに関しては本メディアで2017年9月に報じていたのだが、その時点では予約を受け付けており、出荷は2017年11月を予定していた。

海外メディアRoad to VRによると、同カメラの出荷は最終的に2017年12月18日になった。同カメラを開発するStereolabsの公式サイトのなかになる販売ページには、現在「3~4週間以内に出荷」と記載されているので、同メディアの情報は信憑性があると言える。価格は$449(約¥50,000)

同カメラはVIVEあるいはOculusに装着することで、60FPSのAR動画をVRヘッドセットに映すことができる。フレームレートを下げることで、AR動画の画質を2Kまで向上させることが可能だ。

現在、同カメラに対応したARコンテンツの開発環境「ZED SDK」も無料でダウンロードできる。同SDKはUnityあるいはUnreal Engineのプラグインとして機能するので、このふたつのゲームエンジンを使ったことのある開発者であれば、すぐに使い方を理解できるだろう。

ZED Miniとは

「ZED Mini」はHTC Vive、Oculus Riftに装着して使用するデバイスで、両眼のカメラから映像をヘッドセットに送信、また深度センサーによってリアルタイムで環境をマッピングすることが可能なので、市販のVRヘッドセットでハイエンドのAR体験ができる。

Stereolabs社によると、「ZED Mini」では約15メートル先までの空間を認識することが可能で、リアルタイムで環境マッピングを行うことができる(下の動画参照)。これをVRヘッドセットの位置トラッキング機能と組み合わせることによって、VRヘッドセットをARデバイスとして機能させるのだ。

Road to VRの記者であるBen Lang氏が同デバイスを体験したときに、以下のようなコメントを残している。

(「ZED Mini」は)とても印象的だった。

デバイスのカメラ映像はOculus Riftの視野角を完全にカバーするものではないが、それでも広視野角で、没入感の高いAR体験をもたらすデバイスで、現行のARバイザーを凌ぐものだった。

HoloLensが$3,000(約¥340,000)であることを考えると、その約1/6でAR体験が可能となるZED Miniは、使用可能なアプリの品質が高ければユーザに支持されるポテンシャルを秘めていると言えよう。

先が読めないハイエンドAR市場

ZED Miniが競合デバイスと想定するHoloLensをはじめとしたARバイザーは、XR市場においては「ハイエンドAR市場」に属している。この市場の名称は、ARKitアプリ・ARCoreアプリが属するモバイルAR市場との対比で命名されている。

ハイエンドAR市場は、正確に言えば、まだ勃興しているとは言い難い。というのも、プラットフォームを正式に運営している企業がまだ存在しないからだ。同市場のプラットフォーマーに最も近いMicrosoftのHoloLensでさえ、開発版なのだ。

しかしながら、調査会社Digi-Capitalが発表した長期予想によると、2021年には同市場の規模はVIVEとOculus RiftのようなハイエンドVR市場を上回るとされている。同市場の成長は、これからなのだ(上の画像参照。なおハイエンドAR市場は「Smartglass」と表現されている)。

もっとも、同市場は先が読みにくい。なぜならば、同市場のプラットフォーマー候補であるAppleとMagic Leapが、ARデバイス開発に関して秘密主義を貫いているからである。

まとめると、まだ勃興前夜であるハイエンドAR市場では、先行きが不透明なゆえに、ZED Miniのような独創的なデバイスが有利なポジションを占める余地が十分にあるように思われるのだ。

VRとARは対立するものではない

2017年の早い時期においては、時としてVR市場とAR市場が対立・競合するものと捉え、どちらがより成長するかという議論がされることがあった。しかし、ARKitがリリースされ、Windows MRヘッドセットも登場した現時点においては、VR市場とAR市場はユーザを奪い合う関係にはないことが見えてきた。

VR市場とAR市場が成熟していく過程で、ZED Miniのような両方の市場のユーザを意識したプロダクトがまた現れるかも知れない。

ソース:Road to VR


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