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バーチャルリアリティに「踏み入る」ためのスリッパ - VR Inside

バーチャルリアリティに「踏み入る」ためのスリッパ

     

基盤を取り付けられたスリッパ

既製品の組み合わせで、VRの抱える問題を解消する

VRデバイスがトラッキングするのは、主に上半身(特に頭と手)だ。

頭の動きだけならば、スマートフォンの加速度センサーを使ったシンプルなモバイルVRヘッドセットでもトラッキングできる。Daydreamや新型のGear VRに付属するトラッキング可能なリモコンや、Oculus Touchのようなハンドトラッキングコントローラーを使えば手の動きも追跡できる。

だが、下半身はこれまでトラッキングの対象から漏れがちだった。足がトラッキングされていないので、VR空間を自由に歩くことはできない。

この状況を変えるかもしれないのがBrilliant SoleのVRスリッパだ。

足の動きをトラッキングする

Vive Trackerを身体に付ける

Vive Trackerを使えば、全身のトラッキングも可能になる

VRにおけるトラッキングの動き

最近では、これまでの頭と手以外の部分もトラッキングしようというプロジェクトが増えてきている。

Qualcommは、Leap Motionの技術を使って指の動きをトラッキングできるモバイルVRヘッドセットのプロトタイプを展示した。手袋のような装置を使う必要もなく、素手の動きをVRに反映させられる。

VRgluvMaestro gloveは手に装置をはめる必要があるが、指のトラッキングだけでなく圧力の再現まで可能になるのがウリだ。

下半身の動きをVRの操作として入力するには、Vive Trackerを使う方法があるようだ。

腰と両足に合計三つのVive Trackerを付ければ、Vive本体とワンドを合わせて全身のトラッキングが可能になるという。

Brilliant Sole開発のきっかけ

Brilliant Soleが開発しているVRスリッパも、ちょうど両足にVive Trackerを付けるのと同じようなものだ。このスリッパの開発を始めたきっかけについて、創業者のJeff Guardは次のように語っている。

初めてヘッドセットを使ったときのVR体験は素晴らしいものだったが、歩くことができない点が気になったという。

「完全にその世界に入り込む、素晴らしい経験です。

Oculus RiftとHTC Viveは驚くべき製品です。私が『VRはこのようなものであるべき』と考える、そのままのVR体験を提供してくれたと思いました。

そして一歩を踏み出すと……何も起こりませんでした」

Guardは、Brilliant Soleでこの状況を変えようとしている。

「現在、ほとんどのVRコンテンツではジョイスティックや手での操作を採用しています。これは従来のテレビゲームで使われていた技術と変わりませんし、ときにはテレポートで移動しているような感覚を与えます。

それはVR体験を途切れ途切れのものにし、ユーザを船酔いのような状態にし、没入感を低下させてVR体験をダメにしてしまいます」

彼は、VR空間での移動をより自然なものにすることがVRによる酔いの改善にも繋がると考えているようだ。コンテンツの内容との兼ね合いはあるが、目まぐるしく場面が変わるよりも自分の足で移動する作品の方が酔いにくいことは十分に考えられる。

Brilliant Sole

Brilliant SoleのJeff Guardと製品のプロトタイプ

製品のプロトタイプを示すBrilliant SoleのJeff Guard

Brilliant Soleのプロトタイプは、非常にシンプルなものに見える。市販のスリッパに、回路基板を取り付けただけのようだ。だが、これは単にVive Trackerを足に取り付けるのとは違うという。

このスリッパはVRシステムに足の動きを伝えるだけの、一方通行のデバイスではない。双方向のインターフェイスなのだ。VRを歩き回り、その地形を感じることもできるものになっている。

Guardは、『ジュラシック・パーク』で地響きを伴う足音がもたらす効果に注目している。バイブレータによって地面を通して伝わる振動を感じられれば、VRの没入感はより深いものになるだろう。

来月ノースカロライナ州のダーラムで開催されるState of Technologyカンファレンスで、GuardはBrilliant Soleをプレゼンテーションする。彼はこの6分間のプレゼンを通して、製品化をサポートしてくれる投資家にアピールする。

実際の製品デザインについては公開されていないが、技術はオープンなものになるという。Bluetoothでスマートフォンに接続し、VRヘッドセットと連携するようだ。

対応するプラットフォームについては「あらゆるVRギア」としかないため、複数のプラットフォームに対応すると思われる。Vive Trackerを使う場合と異なり、プラットフォームに縛られないのが強みとなりそうだ。

Guardは、足の動きによって操作できるVRコンテンツが多数登場することを期待している。

足での「蹴り」を取り入れたゲームや、自分自身が歩くことで移動できるコミュニケーションアプリなどが作られるだろう。歩く力が弱った高齢者のリハビリやトレーニングに使えるかもしれない、という声も出ている。

この製品の利用法はデベロッパーのアイデア次第でまだまだ広がっていくはずだ。

 

参照元サイト名:Port City Daily
URL:http://portcitydaily.com/2017/04/17/technology-wilmington-tech-start-up-is-fixing-whats-missing-from-vr/

参照元サイト名:Brilliant Sole
URL:http://www.brilliantsole.com/

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。