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壁をすり抜けて通信できるVRヘッドセット用ワイヤレスアダプタの存在が明らかに

amimonワイヤレスアダプタのイメージ画像

VIVEとOculus Rift、そしてPSVRが分類されるハイエンドVRヘッドセットには、乗り越えなければならない技術上の課題がいくつかある。そんな課題でもっとも重要なのは、PC接続からの解放を実現するVRヘッドセットの無線化である。2018年には、PC接続なしに高品質なVR体験を可能とするスタンドアロン型VRヘッドセットが台頭するので、ハイエンドVRヘッドセットの無線化はますます急務の課題となる。こうした無線化を実現するデバイスとしては、TPCASTが有名である。こうしたなか、新たなワイヤレスアダプタが登場した。そのアダプタは、TPCASTにはない特徴を持っているという。

Amimonのワイヤレスアダプタのイメージ画像

壁をすり抜ける通信を実現するアダプタ

日本語サイトから引用したAmimonのワイヤレスアダプタのイメージ画像

ワイヤレスビデオ機器を開発・販売するAmimonは、アメリカ・サンフランシスコで2017年12月7日と8日に開催されているVRテクノロジーに関するカンファレンスVRX conference 2017において、VRヘッドセットとARグラスに実装可能なワイヤレスアダプタを開発していることを明らかにした。

同アダプタはまだ開発段階なのでリリース時期および価格に関しては不明だが、最大10台のハイエンドVRヘッドセットとの通信を可能にするワイヤレスアダプタになる、とのこと。

さらに同アダプタが通信する電波は、壁をすり抜け、障害物があっても通信の劣化あるいは遮断は起こらない。こうした特徴を備えながら、VIVEとOculus Riftに実装した場合は2K画質で90FPS、PSVRに実装する場合は120FPSの通信を実現するというのだ。

以上のような通信能力を実現する秘密は、同アダプタがTPCASTと比べて周波数の低い電波を利用しているからなのだ。

周波数の違いによる通信の変化とは

周波数による通信性質の違いを解説した模式図

周波数による通信性質の違いを解説した模式図(総務省 電波利用ホームページより引用)

周波数が異なると、通信性能にどのような違いが生じるのか。

一般に周波数が高いと電波は真っすぐ飛ぶ直進性が増すので遠くまで到達する反面、障害物があると反射してしまうので通信不能となる。また、高い周波数だとデータ通信容量が大きくなる。

対して週は数が低いと電波の直進性が薄れ到達距離が短かくなるのだが、障害物があってもその後ろに回り込んで通信することが可能となる。また、高い周波数に比べてデータ通信容量が小さくなる(上の画像参照)。

TPCASTは60GHzを採用することによって、ハイエンドVRヘッドセットに対応したワイヤレスアダプタに求められる大容量の無線通信を遅延が発生することなく実現している。

Amimonが開発しているワイヤレスアダプタは5GHzを採用している。通常だとTPCASTよりデータ通信容量が小さくなるはずなのだが、同社が言うのには独自の特許技術によって低周波であっても大容量の通信を実現するのに成功したのだ。また、低周波を採用したため障害物に強い通信も実現したので、電波が壁をすり抜けるようになった。

ワイヤレスアダプタ市場のライバルたち

ハイエンドVRヘッドセットに対応したワイヤレスアダプタは、Amimonが開発中のもののほかに本メディアではふたつ紹介した。

TPCAST

TPCASTの画像

ひとつめは、ワイヤレスアダプタというデバイス・カテゴリ自体を創始したTPCASTである。同アダプタは2016年末にその存在が明らかになると大きな関心を集め、本メディアでもその開発進捗を報じてきた。

現在、同アダプタのVIVE対応版は公式サイトから$299(約¥34,000)で購入でき、Oculus対応版も2017年12月中にアメリカで販売を開始するようだ。

DisplayLink

もうひとつは「DispalyLink」だ。同アダプタはTPCASTよりもコンパクトなデザインで、かつ同レベルのクオリティのビジュアルとオーディオによるワイヤレスVR環境を構築することが可能で、また、本デバイスはHMDのやや後ろ、後頭部に装着するためヘッドフォンを着けて使用する。

価格、および詳細なリリース時期はまだ発表されていないが、公式サイトによると2017年内にはリリースされる予定のようだ。

無線化はVRアーケードから?

以上のように2018年には、VRユーザは複数のワイヤレスアダプタのなかから自分にあったものを選んで使用することが可能になるだろう。

もっとも、ワイヤレスアダプタが普及するのはVRアーケードからではなかろうか。というのも、ワイヤレスアダプタの最大の恩恵にあずかるのは、マルチプレイのVRゲームであり、そうしたゲームをプレイできるのは家庭ではなくVRアーケードだからだ。2018年には、VRアーケードはさらに進化するかも知れない。

ソース:Engadget

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