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iPhoneで住宅の3DデータをAR表示できるSolidhausのアプリ

2017/08/31 12:13

SolidhausのARアプリ

iPhoneで利用できるSolidhausのARアプリ

住宅・不動産業界は早期にVRやARといった技術の採用を始めた業界の一つだ。

VR技術を使えばその場に行くことなく物件の内覧を行ったり、未完成・建築中の建物が完成した後のイメージを掴んだりといったことができる。AR(MR)技術はリフォーム後に部屋がどのように見えるかを確認する場面などで使われている。

VRならばスマートフォンを使うモバイルVR、特にCardboardで簡単に利用できるが、AR・MRを使おうと思うとHoloLensやGoogle Tangoに対応する特定の端末が必要になるのが難点だ。

SolidhausのARアプリが持つ、建物をAR表示する機能自体は特に目新しいものではない。新しいのはARKitを導入したiPhoneで利用できる点だ。この特徴のために、利用できる端末を所有するユーザが多い。

ARで建物を表示

ARKitの活用

ツイートされた動画で、ARを使って建物がどのように表示されるのかを見ることができる。単に建物の3Dモデルをカメラの映像に重ねて表示しているだけではなく、このアプリはARKitによって3Dモデルを現実世界に固定できるのがポイントだ。

クライアントがとデザイナーが設計案を調整するときに使うのはもちろん、工事を始める前や建設の途中で作業員が状況を確認するために使うこともできるだろう。

3Dモデルの変換

ARアプリは便利だが、AR表示するために専用の3Dモデルを作成するとなれば新しい技術や知識が必要になってしまう。

Solidhausの公式サイトによれば、データはワンクリックで変換が可能だ。3Dファイルをウェブサイトにアップロードするだけでアプリ上に表示されるという。

建築の前に3Dデータを作成することは一般的になっているので、このアプリのためだけに新しく3Dモデルを作成する手間が増えることは避けられそうだ。

3Dモデルのスケーリング

このARアプリでは建設予定地に原寸大の3Dモデルを表示することもできるが、モデルの拡大や縮小も可能だ。

会議室で高層ビルの全体像を示したいときには、モデルを縮小してテーブルの上に乗るサイズにして見せることができる。

逆に玄関やリビングをよく見せたいならば、拡大してこだわりのポイントをPRするために使うのが良いだろう。

パーツ単位の切り替え

壁や床、天井といったパーツごとに表示・非表示を切り替えることができるので、外観だけでなく内部のイメージをチェックできる。

上の動画では方位ごとの外壁と天井、床、内壁しか建物のレイヤーとして洗濯できる項目が表示されていないが、実際に現場で利用するときにはさらに項目の数を増やすこともできそうだ。

設計にオプションとして追加できる要素(ウッドデッキやベランダ、部屋数を増やす内壁)などがあるモデルと無いモデルを作っておき、現場でクライアントに提示してフィードバックを受けるといった使い方も考えられる。

有る状態と無い状態を図面ではなくCGで見比べられるので、設計の知識を持っていない顧客にも優しい方法だ。

照明効果

動画でも、壁の表示・非表示を切り替えると一緒に影の有無が変わっているのが分かるはずだ。明るさや影を作り出す照明効果は固定されたものではなく動的にレンダリングされており、太陽の位置に基いて変化するという。

どういった方式で太陽の位置を判断しているのかは明かされていないが、端末の現在地・方角と時刻の情報を元に太陽の位置を推測しているのだろうか。

公開予定

このアプリはまだ公開されていないが、今秋AppleがARKitをリリースすれば登録者限定のプライベートベータテストを開始する予定だ。

サイト上には、メールアドレスを入力してベータテストの参加者として登録できるフォームも用意されている。参加に特別な条件は設けられていないので、ARKitが利用できるiPhoneやiPadの所有者ならばテストに参加できるはずだ。

 

建物の3DモデルをAR表示するというアイデア自体はこれまでにもあったものだが、所有者の多いiPhoneで利用できる点がこのアプリ最大の強みだ。VRと違って視界を奪わないので現場でも利用しやすく、専用の高価なARデバイスも不要となっている。

対応する3Dファイルの形式や正式リリース後の利用料金次第では、住宅業界のARを変える存在になるかもしれない。

 

参照元サイト名:Solidhaus
URL:http://solidhaus.com/augmented-reality/

参照元サイト名:Upload VR
URL:https://uploadvr.com/solidhaus-uses-arkit-preview-virtual-houses-real-world/

ohiwa


ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。

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