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5K画質で有機EL採用のVRヘッドセット「VRHero Plus」リリース

最近のディスプレイの仕様上のトレンドとして、4K画質の画像に対応した「4K対応」が挙げられる。既存のハイエンドVRヘッドセットであるVIVEとOculus Rfitは、残念ながら4K対応ではない。しかし、VRヘッドセットでも4K画質を超えるものが開発され始めている。そんな4K画質VRヘッドセットがまた増えた。それが「VRHero」「VRHero Plus」である。

VRHeroのイメージ画像

有機ELを実装した5K画質VRヘッドセット「VRHero Plus」

3年前に創業したスタートアップVRGineersは、今年10月にドイツ・ミュンヘンで開催されたGTC 2017 Europeにおいて、VRヘッドセット「VRHero」を発表した(上の動画参照)。

同ヘッドセットの最大の特徴は、5K画質に対応していることだ。さらに視野角はVIVEとOculus(ふたつとも110°)を上回る170°となっている。既存の代表的ハイエンドVRヘッドセットを凌駕する性能のためか、同ヘッドセットの外見はさらに「ガジェット感」が増している。

同社はこのほど「VRHero」をさらに上回るVRヘッドセットを発表した。それが「VRHero Plus」だ。同ヘッドセットは画質・視野角ともにVRHeroと変わらないものの、有機ELを採用しているところが異なっている。

以上のふたつのVRヘッドセットは、現時点では企業に対してのみ販売しており、同社公式サイトから注文が可能である。

ちなみに、同社はBMW、フォルクスワーゲン、AUDIといった大手自動車メーカーに同VRヘッドセットを試用してもらっている。

有機ELと液晶ディスプレイの違いとは?

VRHero Plusの最大の「売り」と言える有機ELとは何か。簡単に言えば、現在のディスプレイで主に採用されている液晶ディスプレイの欠点を克服した最新ディスプレイ技術のことである。

液晶ディスプレイが画像を表示する仕組みを簡単に説明すると、画像の色を表現する画素をバックライトで照らして画像を見せている。本来の色を表現している画素に光をあてるという構造上、「真っ黒」を表現することが難しく、また色の「にじみ」も生じてしまう。

対して有機ELは、画素自体が発光する構造となっている。そのため、真っ黒もきれいに表現でき、色のにじみも少ない

有機ELを採用したデバイスで有名なのは、iPhone Xである。VRヘッドセットでも、SamsungがリリースしたWindows MRヘッドセット「Odyssey」に採用されている。

Samsung製Windows MRヘッドセット「Odyssey」のイメージ画像

Samsung製Windows MRヘッドセット「Odyssey」

4K画質対応が進むVRデバイス/VRサービス

4K画質以上に対応したVRヘッドセットは、VRHeroのほかにも存在する。最も有名なのは、Pimax 8Kだ。同ヘッドセットは、名称が示している通り、8K画質に対応している。

4K画質に対応したVRサービスは、動画ストリーミングサービスを中心にすでに多数存在する。そうしたサービス事例は以下。

・「Facebook、VRライブストリーミングサービス「Live 360」の推奨360°カメラを発表。4K画質にも対応
・「PALTEK、4K対応360°VR動画配信ソリューションを提供開始
・「ピクセラ×パ・リーグのVRコラボ!西武VSロッテ公式戦の6.4K相当の高画質VRライブ配信を実施

4K画質に対応した360°カメラも多数リリースされている。

・「YI Technology、4Kライブストリーミングが可能な新ライブ360°VRカメラ「YI 360 VR」をリリース!
・「リコーが360°カメラ「RICOH THETA」シリーズから4K撮影対応製品を発表!事前予約受付中

VRヘッドセットの画質はまだ肉眼には及ばない

ところで、VRヘッドセットの画質を測る尺度には、画素数のほかに視野角をも考慮した「視野角あたりの画素密度」が知られている。この値は、横方向の画素数を視野角で割ることで算出できる。

VIVEとOculus Riftの視野角あたりの画素密度を計算すると約9.8なのだが、ヒトの肉眼が認識できる限界値とされている60に遠く及ばない。仮にVIVEとOculus Riftの視野角110°でヒトの肉眼の限界値60を実現しようとすると、横方向の画素数はVIVEとOculus Riftの約6倍の6,600画素必要となる。

現在のVRヘッドセットは、画質だけから見てもヒトの肉眼に遠く及ばないのだ。より自然な視覚的リアリティの実現を目指して、VRヘッドセットはまだまだ進化できるのだ。

ソース:UploadVR

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2016年の10月、中国のメーカーPimaxが開発した世界初となる4K解像度のVRヘッドセット Pimax 4K VR が発売された。 HTC ViveやOculus RiftのようなPCベースのVRヘッドセットであり、3860×2160という高解像度が最大の特徴だ。

吉本幸記


千葉県在住のフリーライター。ITエンジニアとしてスマホアプリの開発等に携わった後、 フリーライターとして独立。VRをはじめとした最新テクノロジーがもつ社会変革の可能性に注目している。 http://resume21century.blog.fc2.com

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