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バルセロナのスタートアップBroomxは、部屋いっぱいに360°動画を映すプロジェクターでアメリカ進出を目指す - VR Inside

バルセロナのスタートアップBroomxは、部屋いっぱいに360°動画を映すプロジェクターでアメリカ進出を目指す

     

海外メディアBGRは、バルセロナのスタートアップBroomxを紹介する記事を掲載した。

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「プロジェクター x VR」という新発想

スペイン・バルセロナのスタートアップBroomxは、今年はじめに開催された世界最大の家電見本市CES 2017に同社が開発したプロジェクター「MK Player360」を出品した。

円筒状の同プロジェクターは、通常のそれのように長方形の画像を任意の平面に映写するようなものではない。そうではなくて、360°動画を任意の部屋の四方の壁と天井に映写するのだ。つまり、同プロジェクターを使えば、部屋全体が360°動画で満たされることになる。そのため、映写する360°動画が深海をテーマにしていれば、部屋にいながら深海に潜っているな体験ができる。こうした通常のVRとARの中間のような仕組みを採用することで、以下の動画を見ればわかるように、独特の没入感を味わうことが可能となる。

同社は、この「MK Player360」のほかにも、同プロジェクターで映写する360°動画を制作するプラットフォーム「BROOMXVR」も開発した。同プラットフォームを使って360°動画を制作すると、同プロジェクターに対応した専用アプリからダウンロードして映写が可能となる。また、この専用アプリを使えば、同プロジェクターをリモートでコントロールできる。

同社の幹部 Ignasi Capellaは、同プロジェクターについて以下のようにコメントしている。

MK Player360を使うことで、ちょうど光が部屋を照らし出すように、あらゆる光景で部屋を満たすことができます。

...海辺の光景を寝室に投影すれば、部屋は青に満たされ、さざ波がたつでしょう。そして、ベッドにに波が寄せては返すでしょう。さらに深海の光景を投影すれば、もはや波は止まり、寝室に暗い深海が広がるでしょう。

同プロジェクターの活用方法としてすぐに思いつくのは、リアル店舗の内装として活用することだろう。飲食店であれば、提供するメニューとシンクロする360°動画を投影すれば雰囲気が良くなるだろう。モデルルームの一室にバーチャルな家具を投影する、という活用法も考えられる。

以上のようなBroomx社は現在バルセロナを拠点にしているが、来年はアメリカに進出してビジネスを展開することを予定している、とのこと。

「プロジェクター x AR」の可能性

実のところ、MK Player360のようなプロジェクターとVRを融合させる事例は非常に珍しい。反対に「プロジェクター x AR」の融合事例は本メディアでも多数紹介している。

Microsoft ResearchのFoveVR

Microsoft Researchが2016年12月6日に公開した「FoveVR」と名付けれたデバイスに関する動画は、ARメガネとプロジェクターの融合を探求している。HoloLensのようなARメガネは、一般に視野角が狭い傾向がある(HoloLensの視野角が50°前後と言われている)。このARメガネの視野角の外側をプロジェクターによる投影画像で補完するというのが、以下に引用する動画のアイデアの核となっている。

HoloLamp

HoloLamp

HoloLamp」はスタンドランプのような形状をしたARプロジェクターで、同デバイスを卓上に置くとARオブジェクトを表示する仕組みとなっている。本メディアで同デバイスをはじめて紹介した時は、上の画像のようにスタンドランプの支柱部分の先にプロジェクターを付けたようなデザインであったが、最新のデザインでは未来感を感じさせるデザインに発展している。また、最新デザインではプロジェクターを天井方向に向けると、ARオブジェクトを空中に浮かんでいるように表示する(下の動作参照)。

LightForm

LightForm」は、特定のオブジェクトあるいは平面にプロジェクターで画像を表示することによって、AR体験を可能とするデバイスである。同デバイスの優れたところは、投影されるオブジェクトに合わせて投影画像が変えられることだ(以下のデモ動画参照)。

以上のようなプロジェクターとVR・ARの融合事例に共通する最大の特徴は、ユーザーがデバイスを一切着用することなくVR・AR体験ができることである。既存のVRヘッドセットやARメガネにはない魅力をもつ「プロジェクター x VR・AR」ライクなデバイスは、VR・AR市場においては少数派であるが、今後さらに発表されるかも知れない。

Broomx公式サイト
http://www.broomx.com/index.php

バルセロナのスタートアップBroomxを紹介する記事を掲載したBGRの記事
http://bgr.com/2017/07/02/virtual-reality-goggles-not-needed-broomx/

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吉本幸記

Writer: 千葉県在住のフリーライター。ITエンジニアとしてスマホアプリの開発等に携わった後、 フリーライターとして独立。VRをはじめとした最新テクノロジーがもつ社会変革の可能 性に注目している。 http://resume21century.blog.fc2.com