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日本が世界第二位のVR市場に - VR Inside

日本が世界第二位のVR市場に

     

Viveportアーケードのイメージ

中国ではHTC自らがViveportアーケードを展開している

VRヘッドセットを製造するメーカや、関連技術を開発する企業はVRを世界中の消費者にとって魅力的なものにしようと努力を続けている。その成果もあり、VRの認知度はゆっくりと、しかし着実に上がってきている。

だが、VRの広まり方は国によってもかなり差がある。Canalysが今週発表した調査結果によれば、2017年の第1四半期に最もVRの市場規模が大きかった国は以前に引き続きアメリカだという。日本はアメリカに次ぐ二位つけており、後にはHTCが力を入れる中国が続いている。

2017年第1四半期のVR市場

Canalysのレポート

VRヘッドセットが販売された国別の台数

技術市場の調査を行うCanalysが5月22日に発表したのは、2017年の第1四半期におけるVRヘッドセットの販売台数を国別に推測したデータだ。このデータで問題とされているのはVRヘッドセット本体のみであり、周辺機器やVRコンテンツを含めたVR市場の調査ではない。

堅調なアメリカ、追うアジア勢

世界で最も多くのVRヘッドセットが販売されている国はアメリカで、全体の40%を占める。第二位と第三位は日本と中国だ。日中を合わせても25%にしかならず、アメリカの強さが伺える。

また、アメリカ市場で最も売れているVRヘッドセットはソニーのPSVRだ。販売台数の6割以上がPSVRとされており、大きな勢力となっている。

PSVR人気の理由の一つは、導入コストの低さだ。PSVRは本体価格だけを比べてもPCベースのハイエンドヘッドセットより安く、システムを動作させるための高価なPCを用意する必要もない。

動作にはPCの代わりにPS4が必要になるが、そのPS4がアメリカで一般的な家庭用ゲーム機であることも関係しているだろう。PS4を所有している過程はゲーミングPCを所有している過程よりもはるかに多く、彼らがPSVRを購入するハードルはさらに低くなる。

二位に入った日本では、81,000台のVRヘッドセットが販売されたという。日本市場でもソニーの支配力は強く、アメリカを超えて販売台数の90%がPSVRだという。

アメリカと同様の理由に加えて、日本がソニーの地元であることの影響が大きいだろう。PCベースのヘッドセット用には英語のコンテンツが多く、日本向けのコンテンツや情報が少ないというのも販売台数が伸び悩む理由になっていそうだ。

好調のPSVRが日本での販売台数を伸ばしたこともあり、中国は三位に後退している。中国ではHTCが全体の4分の1に当たる15,000台のHTC Viveを販売し、引き続きこの国の市場をリードしている。

各国の事情

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CanalysのリサーチアナリストであるMo Jiaによれば、この調査で見えた傾向には各国のゲーム文化の違いが関わっているという。

ゲーマーの多い日本

日本でPSVRが発売された直後、あらゆる店舗から在庫が消えてしまった。PSVRを購入したいユーザの数に供給された数が追いついておらず、数量限定で再販されてはまた売り切れるという状態になってしまっていた。ソニーはこの品切れを解消しようと動き続けている。

「ゲームとエンターテインメントは、VRをリードする存在であり続けています。そして、日本のゲーマーはVRゲームと非常に相性が良いようです」

VRはゲームのためだけのものではなく、他の用途への応用範囲も広い技術だ。しかし現時点では、家庭用VRデバイスに向けたコンテンツのほとんどがゲームとなっていることも事実である。家庭用ゲーム機のテレビゲームを趣味とするゲーマーが多い日本は、VRデバイスの普及に適した土壌があると言えるだろう。

Moはさらに、『Farpoint』と同時に発売されるPSVR用シューティングコントローラーがPSVRの販売を後押しする可能性を指摘している。

「新たに市場に投入されるシューティングコントローラーは、ユーザエクスペリエンスを高めてくれると期待されています。ソニーはPSVRで長時間に渡って大型タイトルを遊ぶのが快適であることを示さなくてはなりません」

これまでのVRゲームは小粒な作品が多かったため、プレイ時間も短めだった。長編作品が増えてくれば、それを快適に楽しめるかどうかは重要となる。ヘッドセットそのものの使い心地はもちろん、アクセサリーの役割も大きくなりそうだ。

コンテンツを買わない中国

一方の中国では、ゲーム文化の違いが消費者市場の拡大を妨げる要因になっているという。

VRに限ったことではないが、中国の消費者はコンテンツに対してお金を支払いたがらない。ここにはモノとデータに対する価値観の違い、海賊版の出回るネットワークの存在など、多くの事情が絡み合っている。

そこで、HTCは中国の教育にVRを導入させようと考えている。教育機関向けに複数のViveをセットにしたバンドルを提供したり、授業に使えるVRコンテンツのPRを行ったりといった活動を行っている。

彼らは地方や政府の機関との関係を強化しており、中国は学校教育に広くVRを取り入れる世界初の国となっている。

中国では、アメリカや日本のような国とは違った流れでVRが一般へと広まっていくのかもしれない。

 

参照元サイト名:Canalys
URL:https://www.canalys.com/newsroom/media-alert-us-stays-top-vr-while-japan-unseats-china-take-second-place-q1-2017

参照元サイト名:Venture Beat
URL:https://venturebeat.com/2017/05/22/u-s-dominates-worlds-vr-market-as-chinese-consumers-yawn/

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。