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Qualcommのリファレンスデザインから考えるDaydreamヘッドセット - VR Inside

Qualcommのリファレンスデザインから考えるDaydreamヘッドセット

     

QualcommのVRDK

QualcommのVRDK

GoogleのVRプラットフォーム、Daydream。現在このプラットフォームに対応したヘッドセットは、Daydream Readyの認定を受けたスマートフォンを使うモバイルVRヘッドセットDaydream Viewのみだ。

Daydreamに対応する独立型のヘッドセットがHTCとLenovoによってそれぞれ開発されていることは伝えられているが、これらについて分かっているのは確かに開発中であるという事実のみである。

そのハードウェアの性能や特徴を想像する手がかりとなるのは、Qualcommの「VRDK」だ。

QualcommのVRDK

QualcommのVRDK

QualcommのVRDK(Snapdragon 820チップ搭載)

開発中であるというHTCとLenovoのDaydream VRヘッドセットについては、ほとんど情報が提供されていない。

PCやスマートフォンを使用しない独立型のデバイスだとされているが、性能は謎のままだ。

未知のデバイスの概観を掴むヒントになるかもしれないのが、QualcommのVRDKである。

VRDKとは

VRDKのVRはそのままバーチャルリアリティの頭文字だ。DKも同様にデベロップメントキットの頭文字である。

Qualcommがこのヘッドセットを販売するわけではない。同社のVR関連ハードウェアを使って自社製品を開発するメーカーにとっての見本となるデバイスだ。

Googleが最初に独立型のDaydream VRヘッドセットを開発するときにも、このVRDKを参考にしていた。その後にDaydreamヘッドセットの開発を進めているHTCとLenovoも同じくVRDKを元に開発を進めている。

VRDKのバージョン

VRデバイスは頻繁に買い換えるようなものではないが、Qualcommは短いサイクルで新しいチップセットを発売している。

それに合わせてVRDKにも新しいバージョンが登場する。

過去には独立型のDaydreamヘッドセットが古いバージョンのVRDK(Qualcomm Snapdragon 820チップ搭載)を元にしているのではないかと言われていたが、Qualcommはそれを否定した。

HTCとLenovoが開発を進めるヘッドセットは、より新しいSnapdragon 835を使う最新のVRDKが下敷きになっているという。

最新VRDKの特徴

Daydreamの独立型ヘッドセット

今週、Qualcommが最新のVRDKに使われているパーツについての情報を明らかにした。

使用されるパーツ

頭の動きをトラッキングするためのセンサーとして使われているのは、BoschのBMX055である。このセンサーには加速度、傾き、磁力を検知する古典的なセンサーが含まれている。

ポジショナルトラッキングを実現するのは、オンボードカメラとイメージセンサーのOmniVision OV9282だ。このパーツは、1,280×800ピクセルの画像を秒間120フレーム、640×480ピクセルならば180フレームも処理することができる。

この処理速度のために、OV9282はVRヘッドセットに適したパーツとなっている。

Googleのトラッキングシステム

Daydream VRの独立型ヘッドセットを特徴づけるのが、そのインサイドアウトのトラッキング能力だ。Daydreamヘッドセットは外部にセンサーを必要とせず、ポジショナルトラッキングを実現する。

BoschとOmniVisionのハードウェアはいずれも、インサイドアウトのトラッキングに欠くことのできない存在だ。しかし、WorldSenseと呼ばれるトラッキングのアルゴリズムそのものはGoogleが開発したものである。

ディスプレイとレンズ

ここまでに提供された文書やQualcomm側の発言からすると、HTCとLenovoのヘッドセットはいずれも90Hzで2,560×1,440ピクセルの映像をAMOLEDディスプレイに表示できるのではないかと思われる。

しかし、この点はメーカーによってスペックが異なるかもしれない。

差別化のポイント

HTCとLenovoのヘッドセットは、どちらもQualcommのVRDKを元に開発されており、同じDaydreamプラットフォームに対応する。

デバイスの核となる部分をVRDKから変更するのは容易ではない。ユーザにとって違いの分かりやすいところであることを考えると、両者の間で差別化要因となりそうなのは外観とディスプレイ・レンズだ。

本体形状は、既に公開されたイラストからも全く違うものになることが分かっている。

HTCのものはヘッドバンドの前面に本体が来る形(ゴーグルのように付ける)だが、Lenovoはヘッドバンドの下側に本体が来る形(ヘッドランプのように付ける)になっている。

形状の違いによって締め付けられる場所が異なるため、好みが別れそうだ。

ディスプレイ性能については不明でメーカーも明らかになっていないので、ここが選択のポイントになるかもしれない。

また、先のデザインではヘッドホンが付属していない。一般のヘッドホン・イヤホンを使うこともできるだろうが、HTCはVive用のデラックスオーディオストラップを発売している。

このヘッドセットでも追加のアクセサリを取り付ければオーディオを強化できる可能性が高い。

 

VRヘッドセットを製造するメーカーは多数ある。世界的にメジャーなHTCやOculus、サムスンにGoogleといった企業の他にも家電・PCメーカーやスタートアップ企業がこの業界に参画している。

新技術が次々に登場していることもあり、真偽不明な新型デバイスの噂が乱れ飛ぶのも仕方のないことだ。

徐々に形が見えてきた独立型のヘッドセットは、Daydreamプラットフォームの人気に火をつけることができるだろうか。

 

参照元サイト名:Road To VR
URL:http://www.roadtovr.com/htc-vive-lenovo-standalone-headsets-based-qualcomm-reference-design-components-detailed/

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。