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「スマートフォンを駆逐」するFacebookのAR戦略 - VR Inside

「スマートフォンを駆逐」するFacebookのAR戦略

     

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Facebookの開発者会議「F8」においてFacebookが発表した10年計画において、今後同社はVR/ARを事業の中心として推し進める姿勢を示した。

そして、現在同社が特に力を入れているのがARで、AR技術を取り入れたアプリ、ハードウェアの開発に注力を注ぐという。

MicrosoftやGoogle、最近ではAppleなど数多くの企業がARの開発に力を注いでいる現在、FacebookはARを通して何を実現しようとしているのか、F8においてその片鱗が示された。

FacebookはAR市場においてエコシステムを築けるか

現在、Facebookが優先的に開発しているのはARソフトウェアであり、スマートフォンのカメラを通して得た映像に3Dデータを重ね合せるスマホARであるが、この次にFacebookはメガネ状のARスマートグラスを投入することによって、ユーザーがデバイスを手に持って操作する必要性をなくすことによって、スマートフォンを過去の存在にするという。

スマホカメラを切り口に、ARアプリ市場を切り拓く

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現状、Facebookは約4,500億ドルのビジネス市場を築いているが、プラットフォームにアクセスするユーザーの約半分はモバイル端末からの閲覧であり、それはGoogleとAppleの製品によるもので、Facebookはこれら2社のデバイスに依存した環境から脱出するためにも、VRとARの開発に多額の資金と人材を投入している。

4月のカンファレンスにおいて、Facebookは同社初となるARアプリ"Camera Effects Platform"を発表、外部デベロッパーがアプリを制作できるツールを提供するとしたが、これらのアプリによってスマホカメラがARのプラットフォームへと進化し、例えばシリアルの入ったボウルの中でサメが泳いでいる写真などを撮ったりすることができる。

これによってFacebookは、一昨年にポケモンGOが記録的ヒットを打ち立てた時のように、ARアプリのブームを引き起こす牽引役になる可能性を手に入れたのだが、ザッカーバーグが描くビジョンはこれよりも遥かに巨大なものだ。

ARハードウェアの投入を目指して

しかし、スマホARはFacebookが描くAR戦略の入り口に過ぎず、同社はやがてスマートフォンよりも機能性の高いARデバイスを自社開発して市場投入することによって、スマートフォンを過去の存在にする、というものだ。

同カンファレンスにおいて、Facebookはさらに、同社が現在開発しているARスマートグラスの存在についても明らかにし、それを装着することによって、例えばワインのボトルを見るだけで、それの傍に値段が自動的に表示される、といった技術が可能になり、まさにARのポテンシャルを存分に発揮するものだ。

ザッカーバーグ氏は最近のインタビューにおいて、ARの可能性について次のように語っている。

我々が日常生活で使っているものの中で、物理的なモノでなくてもいいものがどれぐらいあるのか。
500ドルもするテレビを目の前に固定して鎮座させる必要はなく、1ドルのテレビアプリをAR表示すればいいだけのことです。

Facebookが独自のARハードウェアを開発しようとする理由はここにあり、もし自社製ARハードウェアが普及すれば、FacebookはARアプリ市場において独自のエコシステムを構築することになるが、それはちょうどAppleがApp Storeによって同社の製品のユーザーを囲い込み、Appleのスマートフォンやタブレットを継続的に購入する環境を構築したのと似ているが、Facebookの戦略は一人勝ちではなく、数多くの競合他社との開発競争が予想されるが、それによって開発スピードが加速することによってより多くのハードウェアやソフトウェアの登場が期待できる。

加熱するライバル競争

現在、既にMicrosoftはHoloLensを市場投入しており、AcerやAsusなどの企業との提携によって低価格なMRヘッドセットを市場へ投入する準備を推し進めている。

しかしながら、ARが一般消費者の大多数に普及するまで少なくとも数年はかかると予想されるが、HoloLens開発担当のAlex Kipman氏は、AR技術の普及によってスマートフォンが消え去ることは「自然の流れ」だと言及している。

また、Facebook最大のライバルと言われるSnapchatも既に"World Lenses"というスマホARアプリをリリースしており、これはSnapchatのアプリに追加インストールすることによって、カメラを通して風景や人物に様々なAR装飾を施せる、というものだ。

また、Appleは先日のWWDCにおいてARアプリ開発プラットフォーム「ARKit」を発表したことで大きな話題になったが、これによってiPhoneやiPadでARアプリを走らせることが出来、既に全世界に普及しているiPad、iPhoneにARが実装されることによって、ARの普及速度は今後加速していくだろう。

参照元:VRScout

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daisuke

Writer: ライター兼翻訳家。2016年12月にプレイステーションVRを体験したことをきっかけにVRに関心を持つ。ARやドローン、AIなどの先端テクノロジー全般に興味があり、SF化する世の中にワクワクしています。