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F1レーサーのための本格シミュレータ「HelmetVR」 - VR Inside

F1レーサーのための本格シミュレータ「HelmetVR」

     

HelmetVR

シミュレータの本体とヘルメット

Oculus Riftは一般家庭をターゲットとしたVRヘッドセットだ。だが、その優れた性能と価格によって一般企業や軍隊でもシミュレータを使ったトレーニングの機材としてOculus Riftを採用していることがある。

FormulaVRが開発したF1レーサーのためのシミュレータである「HelmetVR」にもOculusの技術が利用されている。FormulaVRは、HelmetVRの開発に当たってOculusとアライヘルメットに協力を求めた。

プロのレーサーも納得のシミュレータ

HelmetVRを使っている様子

これまでのシミュレータの欠点

レースのシミュレータは進化を続けており、単なるゲームではなく実際の車を運転する感覚でVR空間でのレースができるようなマシンも登場している。本物の座席やハンドルを模して作られた筐体を使ったシミュレーションは、ゲーム機のコントローラーで操作するのとは全く違ったリアルな没入感をもたらす。

特にVRヘッドセットのようなデバイスを使うと、マシンの運転席から周囲を見回すことも可能になる。同じ運転席からの視点であっても、平面のディスプレイではVRヘッドセットを使ったときほどマシンに乗っている感覚を生み出せない。

VRヘッドセットがもたらす体験の臨場感は素晴らしいが、難点は頭にモニターを付けている状態が快適とは言い難いことだ。ヘッドセットは重量があり、しかも重さが額から顔に偏っている。

実際にマシンを運転しているときのように顔を動かすと、この重さによって没入感が損なわれてしまうと感じるユーザもいる。

2Dディスプレイを使ったシミュレータならばユーザは楽だが、リアルさで劣る。VRヘッドセットを使えばより本物に近い感覚を作り出せる一方で、装着感が問題となる。映像がリアルなだけに、ヘッドセットの重さに対する違和感もまた大きいだろう。

従来のシミュレータでは伝統ある2Dディスプレイを使う方法にも、最新のVR技術を使う方法にも欠点があった。

ヘルメットメーカーとVRヘッドセットメーカーの協力

この問題を解決するために、FormulaVRはOculusとアライヘルメットの二社に協力を依頼した。Oculusは言わずと知れたOculus Riftのメーカーであり、アライヘルメットは世界で信頼されている国際的なヘルメットメーカーだ。

この両者の異色のコラボレーションにより、HelmetVRが作られた。Oculusとアライヘルメットはいずれも、一般に販売される製品だけでなく特別な顧客に向けたカスタムオーダーの製品も受注しているメーカーではある。とはいえ、HelmetVRはおそらく世界で初めての存在だ。

HelmetVRでは、Arai GPシリーズヘルメットのカスタムモデルが使われる。ヘルメットには、Oculus Riftの使用に最適な改造が施されている。ヘルメットとVRヘッドセットが融合することで、レース時にヘルメットを被るのと同様の感覚でヘッドセットを身につけられるようになっている。

ヘルメットの重量はオリジナルのモデルに比べてヘッドセットの分だけ増加するはずだが、詳細なスペックについては記載されていない。公式サイトによれば、ヘルメット部分はハンドメイドで作成されるようだ。

豊富な対応タイトル

HelmetVRシステムは、多くのレーシングシミュレータに対応している。現時点でもiRacing、Asseto corsa、RaceRoom、Project Cars、Kart Racing Proに対応しており、Rfactor 2とKartKraftのサポートも追加される予定だ。

あらゆる種類のモータースポーツのトレーニングやシミュレーションにHelmetVRを利用できる。プロのドライバーのためのトレーニングやシミュレータを使った運転技術の講習、スリルを求める熱狂的なモータースポーツファンの楽しみといった用途が考えられている。

HelmetVRの弱点

ヘルメットのサイド

従来のシミュレータの良いところを組み合わせて作られたHelmetVRだが、良いことばかりでもない。高性能で大きなマシンだけに、本体価格はかなり高くなってしまった。

ワンクリックで購入できるような製品ではないため実際の価格を知るためには見積もりが必要になるが、基準として2,459ユーロ(30万円)以上になるようだ。この価格には送料や税金は含まれていない。

FormulaVRは個人での購入を制限していないが、一般の消費者への販売よりは商業施設での採用を狙った製品だろう。プロドライバーであれば、自宅でのトレーニング用に購入することもあり得るかもしれない。

HelmetVRは手が出しにくい価格だが、将来的にはより低価格の製品が登場することも考えられる。FormulaVRがモータースポーツファン向けの廉価版を発売する可能性もあるし、他の企業がこのアイデアを採用してもおかしくない。

 

参照元サイト名:HelmetVR
URL:http://www.helmetvr.com/

参照元サイト名:Inside Sim Racing
URL:http://www.isrtv.com/virtual-reality/helmetvr-announced-formulavr-colloaboration-oculus-arai/

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。