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【ホログラムの原理】何もないところに映像が出現するのか原理を知りたい!! - VR Inside

【ホログラムの原理】何もないところに映像が出現するのか原理を知りたい!!

      2017/03/19

体験した人ならおわかりだろうが、バーチャルな空間や物体が実際にそこにあるかのように感じられる体験は相当なインパクトがある。

ただその仕組み自体は非常にシンプルでわかりやすく、視界すべてを画面(ヘッドマウントディスプレイ)で覆ってしまい、映像と頭の動きを連動させる…というものだ。

もちろん、実現している技術自体はとても高度なものだが、原理そのものは極めてシンプルといえる。

一方、ARもVR同様にバーチャルな空間や物体を現実に出現させる技術だが、こちらの原理はシンプルとはいえない

「ポケモンGO」のように、スマートフォンのカメラを使って風景とCGを合成させているというARであればまだ理解できるが、「初音ミク」や「PerfumePafume」のコンサートのように、何もない空間に画像が出現しているものは一体どういう仕組みなのか!?
※3月19日twitterでのご指摘から修正致しました。

そこでこの記事では、何もない空間に画像を出現させる技術…ホログラムについて解説したい。

何もないところに立体映像が出現するホログラム


先に筆者自身が書いた通り「ホログラム」というと、「何もない空間に画像を出現させる技術」のように思う人は少なくないのではないだろうか。

映画「スターウォーズ」でR2-D2がレイア姫の映像メッセージを照射していたシーンを覚えている人なら、なおさら「何もない空間に画像を出現させる技術」とイメージしてしまうハズ

筆者などは完全にホログラム=R2-D2世代なのだが、実際には「ホログラム」=「3次元の立体的な像を記録した写真」のこと

つまり、必ずしも「何もない空間」に描かれる必要はない

その証拠に例えば、五千円札や一万円札といったお札にはホログラムがついている

どこについているかというと、光を受けるとキラキラと虹色に輝くシールの部分

これが、ホログラムなのだ。

五千円札や一万円札以外にも、子どものころ「ビックリマン」をはじめとするシールなどでこうしたホログラムを見たことがあるという人もいるのではないだろうか。

ホログラムとホログラフィの違い

ホログラムとは「3次元の立体的な像を記録した写真」で、ホログラフィとは「3次元の立体的な像を記録した技術」のこと。

つまりホログラフィを使ってホログラムを作ることになる。

なお、ホログラフィが3次元の立体的な像をどのように記録しているかという仕組みについては、「光」の持つ性質について段階的に説明しなければならないため、本稿では触れないでおく。

ホログラムの仕組みとその事例

VR AR ホログラム
「ホログラフィ」によって「ホログラム」(=立体的な映像を記録した写真)が実現できるわけだが、だとすると、どうやら「ホログラム」だけでは何もない空間に画像が出現させることはできないらしい。

では、「初音ミク」や「Pafume」のコンサートはどうやっているのか?

実は、何もない空間に映像を出現させるための方法は何種類が存在している。

ここでは、それらの仕組みと、採用している事例について紹介しよう。

ペッパーズゴースト型


何もない空間に映像を出現させる仕組みとして最もシンプルなものがコチラ

ガラス窓から外を眺めると、周囲の明るさによっては、ガラスを見ている自分の顔が外の風景に重なって映り込む

ガラス窓は透明だが光を反射する性質も持っているので極めて当たり前のことだが、この当たり前の性質を応用したのがペッパーズゴーストだ。

ガラス窓が外を見ている自分の顔を反射するのは、自分がガラスの正面に立っているから。

では、このガラス窓の角度を、前方ナナメ45°に傾けてみるとどうなるか?

答えは、外の風景に重なって、部屋の床の風景が映り込むことになる。

では、床の代わりにモニターを置いて、そのモニターに幽霊を映しこんだらどうだろう? もちろん、外の風景に重なって幽霊が見えるという結果になる

つまり、一言で言えば、背景が透けて見える透明なスクリーンに映像を投影しているということ

この仕組みを導入しているひとつは、「東京ディズニーランド」の「ホーンテッドマンション」

「ホーンテッドマンション」の最後に、鏡を見ると鏡の中では自分の乗っているライドに幽霊が乗り込んでいるように見える…というシーンがあるが、あのシーンを作り出しているのがペッパーズゴーストだ。

また、透明スクリーンに映像を透過しているという点では、「初音ミク」のコンサートや「Pafume」のコンサートで一部用いられる演出などもこのペッパーズゴーストの一種といえる。

ちなみにこの技術を発明したのはヘンリー・ダークスという人物で、当初は「ダークスのファンタスマゴリア」と呼ばれていた

しかしこの仕掛けを見たジョン・ペッパーという人物が、自分の興行に用いて好評を博したことから「ペッパーズゴースト」の名前の方が有名になったという。

なお、一応特許はヘンリー・ダークスとジョン・ペッパーの連名で取得されているらしい。

霧のスクリーン型


透明なスクリーンに映像を投影しているペッパーズゴーストは、厳密には何もない空間に映像を出現させているわけではない。

何もない空間に映像を出現させる…という観点から言えば、「Displair」が採用した方法の方がより近いといえる。

「Displair」は水蒸気を霧のように吹き出し、噴き出した霧をスクリーンの代わりとして映像を投影する

ただペッパーズゴーストにせよ「Displair」にせよ、空間に光を投影可能な何かが存在しないと映像を出現させることはできないという点は共通しており、「光を投影するための何か」をどんな物質や現象で実現するかが、技術によって違っているわけだ。

網膜照射型

Microsoft Hololens
ペッパーズゴーストとも「Displair」とも全く異なる仕組みによって、何もない空間に映像を出現させるのが「HoloLens」だ。

「HoloLens」は、人間の網膜に直接映像を照射する。

考えてみれば、人間が映像を見る場合、光がどこでどう反射しようと、必ずその人間の目に収束する必要があるので、これはなかなか賢い仕組みといえる。

ただ、網膜に映像を照射するという仕組み上、複数の人間に同じ映像を見せるためには、全員にデバイスを装着してもらう必要がある。このため状況によってはペッパーズゴーストや「Displair」の方が適しているというケースもありそうだ。たとえばコンサートなどは圧倒的にペッパーズゴーストの方がコストパフォーマンスが高いだろう。

まだ仕組みの詳細は公開されていないものの、「MagicLeap」も網膜照射型を採用しているようだ。

現実にポケモンをゲットできる日が来るのはいつだ!?

AR技術の研究においては、バーチャルな空間や物質を現実世界と組み合わせるため、様々な手段が検討されている。

VR技術よりは後のことになりそうだが、こうした技術が普及してくれば、エンターテインメント分野のみならず、様々なビジネスに変化がもたらされるだろう

いつの日かスマートフォンを見ないでリアルにポケモンが捕まえられる、AR「ポケモンGO」が登場するかもしれない…!?

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kazuhiro_tanaka

Writer: ゲーム作りからゲームレビューまで、ゲーム何でも大好きなゲーム作家。子どものころから夢見ていたVR技術の実現に歓喜!ホラーとオカルトが大好きなので、バーチャル世界でたくさんのゾンビや亡霊に何度も殺されたい!!

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