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レストランチェーンのHoneygrowが従業員教育にVRを活用 - VR Inside

レストランチェーンのHoneygrowが従業員教育にVRを活用

     

食材いろいろ

VR技術の企業内での利用法として期待されているものの一つが、社員教育・トレーニングへの利用だ。

小売チェーン店は店員のトレーニングにVRを取り入れており、医師・病院スタッフ向けには患者とのコミュニケーションを改善するためのトレーニングアプリが作られている。

VRを使ったトレーニングで得られる最大のメリットは、教育コストを下げられることだろう。設備とコンテンツさえ作ってしまえば、講師が付く講習や現場での実習よりもはるかに低コストで教育を行える。

また、複雑な作業が必要な職種ではVRを使ったトレーニングによって訓練に必要な時間を削減することができるもあるようだ。

新入社員が現場に行く前にVRでシミュレーションを行っておくことで、トレーニングを終えて現場に出てすぐに退職する職員を減らすことができるという意見もある。

業務トレーニングとVR

小売店のスタッフ教育に活用

VRを職員教育に取り入れている例として特に規模の大きなものでは、アメリカに店舗を展開する世界最大規模の小売チェーン店ウォルマート(Walmart)がある。

同社は既に試験的にVRを使った従業員教育を開始しているが、最終的には同社が運営する全てのウォルマートアカデミー(アメリカ全土に200箇所が存在する社員教育施設)にVRを使ったトレーニング設備を導入するという。

設備導入は2017年中を目標にしており、これが実現すれば年間15万人がVRトレーニングを受ける壮大な計画だ。

追体験が困難な状況を体験させる

ウォルマートのVRトレーニングに使われるコンテンツを開発するのは、StriVRだ。

StriVRはウォルマートの他にもスポーツチームのトレーニングや一般企業の研修に使われるVRコンテンツの開発を行っている。

同社のCEOが掲げるのは、「リアルで体験するのが難しい実例を、VRで体験する」ことだ。

スポーツの試合は決断の連続である。小売店の場合ならば、ブラック・フライデーやクリスマス・イブのような大イベントの日がそれに当たるだろう。

本番以外で当日の人出を体験するのは難しいが、VRならばいつでもバーチャルな大売り出しを行うことができる。

Honeygrow

Honeygrow店舗

飲食業界でVRによる従業員の教育を取り入れているのが、フィラデルフィアを拠点とするHoneygrowだ。

「ファストカジュアル」

Honeygrowは、2000年代以降のアメリカで成長著しい「ファストカジュアル」に分類される。

聞きなれないジャンルだが、ファストフードとファミリーレストランの中間に位置する業態だ。

ファストフードに比べれば価格帯は上で、待ち時間も長い。しかし、ファミリーレストランに比べればメニューは安く、待ち時間も短いという新ジャンルの店舗である。

日本にも進出している店舗としては、サブウェイやフレッシュネスバーガーがファストカジュアルと言える。

品質へのこだわり

待ち時間の短さやテイクアウトが可能なメニューが多い点ではファストフードに近いが、高品質な食材にこだわった店舗が多い。

ファストフードに比べるとヘルシーなメニューが中心で、健康意識の高まりによって人気となっている面もありそうだ。

実際にメニューが体に良いかどうかはさておくとしても、オシャレでヘルシーというイメージ戦略の勝利である。

チップ不要

日本にはチップ文化がないので関係のない点だが、アメリカではチップが不要というレストランとの違いも大きい。

料理の値段が同じでも、チップの有無で数ドル~10ドル程度は支払う金額が変わってくる。毎日の食事で利用すれば、かなりの差になるはずだ

勢いのあるチェーン店の教育

食事が提供されるまでの時間が短く、チップも不要な代わりに店員の応対が良くない…という事態を避けるため、Honeygrowでは店員の教育にVRを取り入れている。

Honeygrowは現在17の店舗をニューヨーク、ペンシルバニア、ニュージャージーなどに構え、ボストンやシカゴといった他の大都市へも進出を計画している。今年の末までには25店舗まで店舗数を増やす予定だ。

急速に出展を拡大しているので教える側を担当できる経験の豊富な店員が足りない、というのもVRを使ったトレーニングを導入する理由だろう。

この先数ヶ月で多くの新人を育てなければならない同社は、VRによる教育に期待している。VRでのトレーニングは楽しいもので、新入社員も集中して受けられるという。

サービスの質を保つ

VRコンテンツを使ったトレーニングの利点として、常に同じレッスンを提供できることも挙げられる。この特徴のおかげで、伝言ゲームのような形で調理法や接客のマニュアルが変質していってしまうことを避けられる。

個人経営のレストランならば店員の違いも一つの味だが、チェーン店ではいつどこの店舗に行っても同様のサービスを得られる安心感がある。

VRトレーニングで麺の茹で方、具材をかき混ぜる方法、サラダの作り方などを学んだ店員が調理を担当するので、どのHoneygrow店舗でも安心・安全な料理を食べられる。

他店との差別化

創業者のJustin Rosenbergは、WTOPに対してライバル店との差別化について語っている。特にワシントンDCでは同様のファストカジュアルな店舗も多いという。

彼がそれらの店舗とHoneygrowを違うものにする要因として考えているのが、食材へのこだわりとテクノロジーの利用だ。

Honeygrowは安心できる食材にこだわり、できるだけ地元のものを使うようにしている。カスタムされたタッチパネル端末を使って注文するスタイルも、他のチェーンには見られないものだ。

こうした工夫によって、Honeygrowは店舗数を増やしつつある。

 

参照元サイト名:The Washington Times
URL:http://www.washingtontimes.com/news/2017/jun/25/fast-casual-honeygrow-expands-uses-vr-to-train-emp/

参照元サイト名:Honeygrow
URL:http://www.honeygrow.com/

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。