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HTCがViveの値下げを行っていない理由 - VR Inside

HTCがViveの値下げを行っていない理由

     

CES 2017でプレゼンするDaniel O'Brien

CES 2017でプレゼンするDaniel O'Brien

今年の初め、Oculusは自社のVRヘッドセットOculus Riftと、そのコントローラーであるOculus Touchの大幅な値下げを行った。これにより、RiftとTouchのセットは600ドルとなった。

しかし、OculusのライバルであるHTCはViveの値下げを行わないことを発表し、現在までその価格は800ドルで据え置かれたままだ。

HTCのVR部門ゼネラルマネージャーであるDaniel O'Brienは、E3 2017でRoad To VRに対して「Viveの値下げを行っていない理由」を説明している。

値段だけの問題ではない

ViveとOculusのプレイエリア比較

対応できるプレイエリアの広さにも差がある

E3 2017で、O'BrienはRoad To VRに対してVRデバイスの売れ行きについて語った。

2016年にViveとRiftが発売されて以来、VRデバイスを利用するユーザの割合は増え続けている。しかし、アナリストたちの予測はVRの利用率を高く見積もりすぎているという。

また、VRデバイスは相変わらず高価だ。一部のアーリーアダプターだけが大きなコストを投じてデバイスを購入しているのが実情である。

彼はVRを誰もが利用するものにするためにデバイスの価格を引き下げていく必要があることを認めたが、HTCはOculusと違って自社のVRヘッドセットの価格を発売から変えていない。この理由についても説明があった。

ルームスケール機能

その理由の一つが、優れたルームスケールVRを提供する機能の存在だ。Oculus RiftでもルームスケールVRは可能だが、ViveはRiftよりも簡単に広いスペースでVRを遊ぶことができる。

「私たちは、Viveの値下げを行っていません。それは、Viveが最も優れたルームスケール体験をもたらすものだと考えているからです」

O'Brienの言う通り、SteamVRのトラッキング技術を使用したViveのルームスケールはより広い範囲をカバーできる。2つのセンサーをコンセントに接続するだけで、3.5メートル四方のトラッキングが可能だ。

Riftの場合は2つのセンサーで1.5メートル四方しかトラッキングできない(360度トラッキングの場合)。しかも、センサーをPCと接続しなければならないので配線が複雑になってしまう。

Riftのシステムには60ドルで別売されているセンサーを追加することも可能だ。3つのセンサーがあればトラッキング可能な範囲は2.5メートル四方まで拡大するが、ケーブルの問題は残る。

4つ目のセンサーはさらに大きなプレイエリアを可能とするかもしれないが、USB帯域幅の問題が起きるかもしれない。Oculus公式は4つ以上のセンサーを使うことで得られるメリットよりも、それによって発生する問題が大きいかもしれないとしている。

広いプレイエリアでのルームスケールVRを簡単に実現できるという点では、Viveが有利と言えそうだ。

価格と価値

製品を購入するときに、価格が重要な要素となることは疑いない。とにかく値段が安いことを重視して選ぶ消費者もいるのは事実だ。

だが、多くの消費者は価格と性能や品質のバランスを考えて購入する製品を選ぶ。O'Brienは、VRヘッドセットを購入するユーザの大部分が単なる値段の安さよりも「価値があると思えるもの」を選ぶ層だと考えている。

HTCはViveの値段を変えていないが、システムの改善は続けている。Viveヘッドセットの本体は軽量化され、トラッキングの精度は改善し、パッケージの改良も行われている。

追加のコストは必要だが、先日発売されたViveデラックスオーディオストラップもVR体験の質を高めてくれるオプションだ。

プライスリーダーとして

性能やブランド力で勝負することができないとき、ライバル企業と競争する方法の一つが値段を下げることだ。PCベースのVRヘッドセットでHTC ViveのライバルとなるOculus Riftは今年の初めに値下げを行ったが、HTCはOculusとの価格競争を行おうとは考えていない。

同社は、Riftの値下げや他の低価格VRデバイスの影響を受けずにViveの価格を維持できると考えている。

安くない、でもお得

改良されたHTC Viveの箱

HTCは発売からHTC Viveの販売価格を据え置いているが、代わりにお得感のあるバンドルを提供しようとしているとO'Brienは説明した。

VRゲームとのバンドル

HTCは、Viveの購入者に対して何らかのVRゲームを無料で提供するバンドルキャンペーンをいつも行っている。購入時期やユーザの住む国によって対象となるタイトルは異なるが、比較的値段の高い大型作品が対象となっていることも多い。

さらに、今年の春にサービスを開始したViveportのサブスクリプションプランもある。Viveを購入したユーザは、初月無料でサブスクリプションプランを利用できる。

VRデバイスの購入者が必ず購入するVRゲームを提供すれば、ユーザの初期投資を抑えることができる。欲しいタイトルがバンドル対象になっているタイミングで購入に踏み切る消費者も多いだろう。

PC・PCパーツとのバンドル

Viveとバンドル販売されるのは、デジタルコンテンツばかりではない。国によってはVRに対応したゲーミングPCや、VR映像のレンダリングに適したグラフィックカードがセットで販売されていることもある。

こうしたプランは期間限定での提供だが、その分お得だ。個別に購入する場合に比べると数百ドル単位で安くなることもあると、O'Brienは話す。

もちろん、通常のバンドルゲーム以上に多くのVRコンテンツが期間限定でバンドルされることもある。

 

価格よりも価値を重視するHTCは、今後もしばらくViveの価格を維持していきそうだ。だが、2017年の夏、あるいは年末のホリデーシーズンにHTCがどのようなプロモーションを用意しているのかはまだ発表されていない。

昨年のホリデーシーズンには、100ドル割引に加えて100ドル分のコンテンツが購入できるギフトカードまでもらえるキャンペーンが行われていた。今年はさらにお得なキャンペーンが行われるかもしれない。

 

参照元サイト名:Road To VR
URL:http://www.roadtovr.com/htc-explains-vive-price-cost-lowered-cut-discount/

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。