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日本におけるVR普及のカギ!プレイステーションVRの今後を占う

        2017/07/16

7月に入って、2017年も後半戦に入った。

VR元年と言われた2016年が明け、2017年はバイオハザード7の発売とヒットというVR業界にとってのニュースから幕を開けたが、後半戦はどうなっていくのだろうか?

この記事では、日本におけるVRの普及についてGoogleトレンドの情報から推測してみたい。

 

日本においても、VR普及のカギはプレイステーションVR(PSVR)


昨年、2016年がVR元年と呼ばれたのは、Oculus Rift、HTC VIVE、プレイステーションVR(PSVR)という主要なハイエンド型VRヘッドセットが発売されたためだ。

ただ2017年に入って、この主要VRヘッドセットの中で、PSVRと他2つの間には大きな差が生まれており、PSVR一強と言っていい。

このことは、本メディアの次の記事で紹介した通りだ。

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E3 2017以降、PSVRが最も検索されたVRヘッドセットであることが明らかに

PSVRの勝因は初期投資の安さとプレイステーションの遺産とクオリティの担保か

Oculus RiftやHTC VIVEといったVRヘッドセットは、10万円以上するハイエンドなPCが必要となるため初期投資が高い。

また、PSVRは「プレイステーション(PlayStation)」というゲームコンソールの持つ様々な遺産を活用できるという側面がある。

たとえばそれは知名度や、あるいは「バイオハザード」のような注目度の高いコンテンツを独占的にリリースできるという点だ。

それに加えて、PSVRはコンテンツのクオリティを担保できたという点も大きく影響したのではないかと筆者は考えている。

Oculus RiftやHTC VIVE向けのVRコンテンツにも、当然のようにハイ・クオリティなものは存在している。

しかし、個人デベロッパーによるコンテンツも多く配信されるSteamには、調整不足やボリューム不足が否めないコンテンツも少なくない

VRは新たに出現したコンテンツ形式なので、「VR酔い」という課題も含めて、まだまだコンテンツ制作作法が整っていない。

このため、一般のゲームよりもさらに作り込みの甘いVRコンテンツが配信されている状況だ。

これに対して、PSVR向けのコンテンツは、一般ゲームと比べるとボリュームの少ない傾向があるものの、家庭用ゲームとしての対価に見合ったクオリティが担保されている

このことは、VRという未知のデバイスを購入する人にとって、安心感につながったのではないだろうか。

PSVR Googleトレンド
VRヘッドセットの中でPSVRがとびぬけているという世界的な傾向は、日本においても同様だ。

上のグラフは、Googleトレンドを日本国内に限定した上で、「PlayStation VR」「VR」「PSVR」「VIVE」「OCULUS」という検索キーワードの推移を調べたもの。

PlayStation VR」と「PSVR」の両方を調べているのは検索キーワードに揺らぎを考慮したためだ。

このグラフを見ると、「VIVE」(緑)や「OCULUS」(紫)という検索キーワードに比べ、「PlayStation VR」(水色)と「PSVR」(黄色)のいずれもが大きく上回っていることがわかる。

注目したいのは、単に上回っているというだけでなく、「VR」(赤)という検索キーワードの推移と、「PlayStation VR」(水色)と「PSVR」(黄色)の推移が連動しているように見える点だ。

日本においてはPSVRこそがVRとして認知されていると推測していいだろう。

 

やはりゲーム機普及のカギはキラータイトルにありか!?

PSVR Googleトレンド
VRとPSVRの検索数が連動しているように見えることが分かったうえで、グラフの高下が起きている原因を考えてみたい。

検索数がアップしているところに着目して、それぞれ何が起きたのかを推測してみよう。

まず、最初の山は2016年10月9日~同年10月15日の間に発生しているが、これはPSVRの発売日に当たっているためだろう。

PSVRの発売日は2016年10月13日だ。

PSVR Googleトレンド
続いての山は2017年1月22日から1月28日にかけて発生している。

この期間は、先に名前を挙げた「バイオハザード7」の発売日にあたっている。

このため、補助線としてグラフに検索キーワード「バイオハザード7」の推移を入れてみた(黄色)。

検索数がアップして始める期間が同期しているように見えるため、PSVRに対応した話題作「バイオハザード7」の発売によって、PSVRやVRというキーワードの検索も盛り上がった…とみて間違いなさそうだ。

その後、検索キーワード「PSVR」(水色)において、小さな山が2月下旬、3月下旬、4月下旬と定期的に発生しているが、これらはいずれもPSVRの再出荷が行われた期間に該当する。

また、6月中旬にもなだらかな山が発生しているが、これはE3でソニーがPSVRの新作について発表したためだろう。

ただ、この付近にPSVR向け新作として人気格闘ゲーム「鉄拳」シリーズ最新作「鉄拳7」と、ガンコントローラーに対応することが話題を呼んだ「Farpoint」が発売されている

そこで、検索キーワードとして「鉄拳7」と「Farpoint」の推移も入れてみた。

PSVR Googleトレンド
すると、検索キーワード「鉄拳7」は盛り上がった期間が存在しているものの、「PSVR」の山とは期間がズレており、6月上旬に山が発生している。

これは、「鉄拳7」の発売日が6月1日であることから考えると、「鉄拳7」が盛り上がったものの、PSVRの話題にまでは派生しなかった…ということだろう。

また、「Farpoint」は残念ながら検索キーワードで見る限り、盛り上がりはごく小さい

よって、6月中旬に起きた検索キーワード「PSVR」の山は、E3での発表効果…と考えていいだろう。

昔から、ゲームハードが軌道に乗るためにはキラータイトルが大切と言われてきたが、PSVRでも当然のように、キラータイトルが未来を握っていると考えてよさそうだ。

 

「コンテンツそのものがスゴイ」タイトルが出るかどうかがVRの未来を握っている


日本においては「VR」と「PSVR」の検索数が連動しているようにみえるということに加え、PSVRの検索数にキラータイトルの検索数が影響を与えていることを考えると、PSVR向けのキラータイトルの出現が、PSVRのみならずVR全体の今後の普及にとって重要といえる。

今後PSVRで出現する話題作といえば、「グランツーリスモSPORT」「The Elder Scrolls V: Skyrim VR」、「Fallout 4 VR」などが存在している。

いずれも人気シリーズであり、「グランツーリスモSPORT」にいたってはプレイステーションの代名詞と言ってもいいほどの看板タイトルだ。

それぞれの作品がVRになったら是非体験してみたい…と思うファンは多いことだろう。

ただその一方で、筆者としては「VRだからスゴイ」ではこの先大きな普及には繋がらないのではないか…という思いもある。

「バイオハザード7」のヒットは、単に「VRだからスゴイ」という前に、「バイオハザード7」という作品が、これまでの「バイオハザード」シリーズから大きく路線を変え、「物凄く怖い」と話題になったことが大きいように思う。

つまり、「VR」というデバイスのもたらす魅力の前に、コンテンツそのものの魅力が大きいのだ。

ゲーム機の歴史を振り返れば、プレイステーション1がリリースして3Dゲームが流行り始めた当初は、「とりあえず麻雀牌を3Dで表現した」というレベルの麻雀ゲームなど、3Dであること以外にウリのないコンテンツも多く出現した。

しかしやがて3Dの活用方法が模索され、「コンテンツそもそもの強烈な魅力がある上、3Dという技術も使いこなしている」というコンテンツが誕生、そうしたコンテンツによって3Dゲームが普及していったように記憶している。

いちプレイヤーとしても、VRのさらなる普及のためにも、2017年後半は、「VR技術を使っているからスゴイ」のではなく、「コンテンツそのものがスゴイ」タイトルの登場に期待したい

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kazuhiro_tanaka

Writer: ゲーム作りからゲームレビューまで、ゲーム何でも大好きなゲーム作家。子どものころから夢見ていたVR技術の実現に歓喜!ホラーとオカルトが大好きなので、バーチャル世界でたくさんのゾンビや亡霊に何度も殺されたい!!