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Nvidiaの研究する新技術がバーチャルリアリティをよりリアルにする - VR Inside

Nvidiaの研究する新技術がバーチャルリアリティをよりリアルにする

     

Nvidiaの技術がAR体験を変える

Nvidiaの技術がAR体験を変える

来週、ロサンゼルスでコンピュータ・グラフィックに関するカンファレンスSIGGRAPH 2017が開催される。

Nvidiaはこのイベントで、Nvidia Researchが研究を続ける技術のいくつかを展示する予定だ。その技術は、VRやARといった技術をさらに未来的な、魔法のようなものにするために役立つという。

Nvidiaのブログでは、二つの主要な技術が紹介された。目のピントを合わせる機能を再現することでバーチャルオブジェクトをリアルにする"varifocal displays"と、オブジェクトの感触を伝えるハプティクスだ。

ピント合わせの強化

空を飛ぶカモメ

カモメにピントを合わせると、背景はぼやける

人間の目は、三次元空間にあるものにピントを合わせることに慣れている。

通常は左右の目から微妙に異なる視覚情報が入るため、そのズレを手がかりにして人間は物体までの距離や奥行きを判断することができる。

しかし、VR空間では違う。はるか遠くに存在するVRの背景も、すぐ目の前のVRオブジェクトも、実際には同じ距離の場所にある平面のスクリーン上に表示されているからだ。

そのため、焦点合わせの問題が発生してしまう。

Varifocal Virtuality

この問題に対処する技術の一つは、Varifocal Virtuality(バリフォーカルバーチュアリティ)と呼ばれるものだ。

Varifocal Virtuality技術は、目の近くに置かれるディスプレイのための新しい光学的構造である。

この技術では、新しく透明なホログラフィック・バックプロジェクションスクリーンを使う。これはオブジェクトと現実世界をよりシームレスに融合させるためだ。

このホログラムの使用により、将来のVR/ARディスプレイは今日のヘッドセットに使われているものよりも大幅に薄く、軽くなる可能性がある。

色収差の利用

Varifocal Virtuality技術は、カメラを扱う人々から色収差と呼ばれる収差を利用している。

この色収差は写真に映ったオブジェクトの端に色の付いた縞が現れる原因となっており、画像編集ソフトによってはあえてエフェクトで色収差を再現することも可能だ。

UC Berkeley’s Banks labのMartin Banksが行った研究では、人間の脳は物体が三次元空間でどこにあるかを判断する根拠としてこの色収差を利用しているという仮説を裏付ける結果が出ている。

近くのオブジェクトを見ているとき、ピントが合っていない遠くのバーチャルオブジェクトはぼやけて表示される。目の構造を考えて再現された「洗練されたぼやけ方」でレンダリングされるのだ。

遠くのオブジェクトを見るとそちらにピントが合い、現実と同様に近くのオブジェクトはぼやける。近くを見れば逆になる。

Membrane VR

展示されるもう一つの技術は、Membrane VRだ。

Nvidiaの他にノースカロライナ大学とザールラント大学、そしてマックス・プランク研究所のコラボレーションによって開発された商用技術である。

Membrane(膜)の名前の由来となった、変形可能な膜状の鏡を使用する。この鏡は、左右の目がどこを見ているかをトラッキングして変形する仕組みだ。

この技術を使えば、ユーザが近くの物体を見ているときでも遠くの物体を見ているときでもクリアにバーチャルオブジェクトを見せることが可能になる。

人の頭の上に名前を表示するAR技術で、違和感なく現実とARを組み合わせるといった使い方ができるかもしれない。

ハプティクスのアイデア

Omnipulse

コーネル大学のOmnipulse

VRやARの体験を強化する技術として考えられているのがハプティックフィードバックだ。

バーチャルオブジェクトに触れる感覚を再現することで、目や耳だけでなく手や身体の感覚でもVRを感じられる。

Nvidiaが展示する二つの技術は、いずれもコーネル大学との共同開発が進められているものだ。

その技術では、"fluid elastomer actuators"が使われているという。小さな空間に空気を送り込むことで、感触を変化させることが可能だ。

感じるコントローラー

一つ目は、VRコントローラーのプロトタイプだ。

名前は挙げられていないが、仕組みからすると過去にコーネル大学で研究されていることを紹介したOmnipulseの進化系ではないかと思われる。

チェンバーの圧力を変えることで、VRゲームに合わせて形や感触が変わるのを感じられる素材が使われている。

柔らかな材質によって安全にフィードバックが提供でき、異なる質感や素材の感触を再現することも可能だ。

変形するコントローラー

前出のコントローラーでもオブジェクトの凹凸くらいは表現できそうだが、もう一つのコントローラーはさらに大胆に変形するデバイスだ。

コントローラー自体が形を変え、ユーザはバーチャルな道具を実際に手に持っているかのように感じられるという。

最初はスポーツイベントで振り回すようなフワフワの剣だったのに、ゲームで武器を変えると日本刀のように長くてしっかりしたものに変わる、ということが可能だ。

 

Nvidiaは、これらのコントローラーを『VR Funhouse』で利用できるようにしたという。

木槌で叩いたときやリボルバーを撃ったときには、コントローラーを通して反動が伝わってくるはずだ。

 

Nvidiaが紹介している技術はいずれも、製品化に時間がかかりそうだ。

比較的実用化が近そうなVarifocal Virtualityにはアイトラッキングが必須で、他の技術でもハードウェアの追加や変更が必要になる。

実現すればVR/AR体験を進化させてくれる技術ばかりなので、今後の発展に期待したい。

 

参照元サイト名:Nvidia
URL:https://blogs.nvidia.com/blog/2017/07/27/nvidia-research-augmented-reality-vr/

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。