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未来のVR体験を拡張するかも知れない3つのVRコントローラー - VR Inside

未来のVR体験を拡張するかも知れない3つのVRコントローラー

     

海外メディアTechradarは、注目すべき開発中の3つのVRコントローラーを紹介する記事を掲載した。

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VR Touch

ひとつめに紹介するのは、「VR Touch」だ。同コントローラーの構造はシンプルで、指先にモーターが内蔵されたデバイスをはめて使う。同コントローラーは、指先にはめたデバイスが指にバーチャルな圧力を加えるようになっている。

同コントローラーを説明するうえで、もうひとつ重要なことは指の動きをトラッキングするために、Magic Leapを採用していることだ。VRヘッドセットにはMagic Leapを使うためにトラッキングカメラが付けられている(トップ画像参照)。

同コントローラーを使うと次のようなVR体験が可能となる。VR空間内にボタンがあるとしよう。そのボタンにユーザーが指を延ばし、指先がボタンに触れるとモーターが駆動して圧力が加わることで「ボタンに触れている」感覚を体験できる。バーチャルなボタンをさらに押し込むと、モーターがさらに圧力を加えて「押し込んだ」感覚を再現する。

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同コントローラーの欠点は明らかである。指先の触覚しかバーチャルに再現できないことだ。また、構造上モーターを大きくするのが困難なので、モーターが生み出す圧力も弱くせいぜいボタンを押す程度しか再現できないのだ。

逆に同コントローラーの長所は、構造がシンプルなので安価に製造できることであろうか。そうは言っても、応用範囲は極めて限定的と言わざるをえない。

Toia

次に紹介する「Toia」は、VR Touchに比べるとより大きい圧力を制御することができる。しかし、デバイスが大きくなり、かつ複雑にもなる。

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同コントローラーは、卓上に設置するカメラの三脚なようなデバイスと、指先にはめる装具から構成されている(上の画像参照)。同コントローラーでは、バーチャルな圧力を卓上のデバイスで発生されるので、VR Touchとは比較にならないほど大きな圧力を制御でき、実際に使ってみるとなかなかリアルな触覚体験が可能になると言う。

同コントローラーには、別バージョンも存在する。それは、歯科医が患者の歯茎に麻酔注射を打つシチュエーションをバーチャルに再現したものだ。このバージョンは、もちろん歯科医の教育のために試作されたものだ。

別バージョンは、注射器を再現するデバイスと、注射器を打つときに指が感じる圧力を再現するデバイスの2ヶ所から構成されている(下の画像を参照)。VRヘッドセットから見えるバーチャルな患者に対して麻酔注射を打つと、かなりリアルな圧力を感じるそうだ。

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以上のように、Toiaはかなりリアルな圧力を再現できるのだが、デバイスが大きすぎることと、固定したデバイスと指がつながっているという構造上、指の動きが著しく制限されるという欠点がある。

指の動きが制限されるのは致命的な欠点ではなるが、麻酔注射のシミュレーションのように動きが決まっていることに関するVR体験には有効かも知れない。

Shogun

最後に紹介するのは、フルボディ・コントローラー「Shogun」である。

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同コントローラーは一見すると、よくあるフルボディ・モーションキャプチャーのように思われる。そして実際、モーションかプチャーのようにユーザーの全身動作をトラッキングし、そのトラッキングデータをVR空間のキャラクターに反映する。

それでは、同コントローラーのどこが既存のモーションキャプチャーあるいはVIVE Trackerと異なるのか。その相違点は、マルチユーザーに対応していることだ。

同コントローラーは、センサーの範囲内のリアルな空間内であれば、最大3人まで同時にトラッキングが可能なのだ。このマルチユーザー対応は、近い将来登場するであろうマルチユーザー対応VRアクションゲームの実現には不可欠な機能である。

同コントローラーの欠点は、上の画像を見ればわかるように、現時点では使用時に専用のトラッキング・スーツを着用する必要があることだ。もっとも、同コントローラーの開発者によると、将来的にはユーザーの衣服にトラッキング・パッド(ワッペンのようなモノか?)を付ける仕様にする予定、とのこと。

触覚コントローラーやVRスーツはすでに様々なモノが開発・リリースされてきたが、メインストリームの地位を占めるほど完成度の高いデバイスはまだ誕生していないのが現状である。バーチャルな触覚の再現が難しいのは、結局のところ、デバイスが直接的に駆動しなければならない点にあるのではなかろうか。触覚に比べて、視覚や聴覚は感覚器官にデバイスが直接作用する必要がない(ディスプレイは目に触れている必要はない)。

触覚コントローラーおよびVRスーツは、今後も数多くのプロトタイプが公開されるだろう。そのなかには「失敗作」もあるだろうが、VRユーザーであるならば、そうした「失敗」も含めて応援するべきではなかろうか。

注目すべき開発中の3つのVRコントローラーを紹介したTechradarの記事
http://www.techradar.com/news/meet-three-inventions-ushering-in-the-next-generation-of-vr

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吉本幸記

Writer: 千葉県在住のフリーライター。ITエンジニアとしてスマホアプリの開発等に携わった後、 フリーライターとして独立。VRをはじめとした最新テクノロジーがもつ社会変革の可能 性に注目している。 http://resume21century.blog.fc2.com