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VRが瞑想を補助するツールになる

     

座禅を組む女性

VRが瞑想で悟りに達する助けになる?

VR技術はエンターテイメントから教育や医療に至るまで、幅広い分野で採用が進んでいる。

中には悟りを得るための瞑想にVRを使おうというアイデアまであり、実際に気持ちを落ち着かせ、雑念の無い瞑想状態を経験させる効果があると言われているのだ。

いつも忙しくしていると、無心になろうとしてもつい何かを考えてしまう。そんなときにはVRを使って瞑想を補助するのが当たり前になるのだろうか。

先月上海で開催された仏教とテクノロジーに関するカンファレンスでは、VRで瞑想を補助するアプリケーションが複数紹介されたようだ。

瞑想ツールとしてのVR

五重塔

最近では瞑想をすることで頭が冴えたり、ストレスが軽減されたりといったポジティブな効果が期待できると言われている。科学的に見ても、瞑想にそうした効果があることは事実のようだ。

東洋思想への興味や毎日を健康的に生きるためのテクニックとして短時間の瞑想を用いるのも良いが、仏教では悟りを得るための修行として瞑想を行う。一日5分でちょっと幸せになれるといったものではなく、全てを変えてしまうような経験を目指すものだ。

変性意識の体験

カンファレンスで紹介されたVRゲームを作ったデザイナーたちが目指しているのは、そうした本格的・宗教的な瞑想ではない。ユーザを悟りに導こうとしているわけではなく、一時的な変性意識状態を経験させるのがその狙いだ。

デザイナーたちが考えているのは、VRによって慣れさせることでツール無しで瞑想を行う助けになるアプリや、誘導によってユーザを変性意識状態に導くアプリだ。

「私が意図しているのは、ユーザの精神活動を一休みさせ、同時にその『精神が休止している状態』をユーザ自身が容易に認識できるようにすることです」

SoundSelfのデザイナー、Robin Arnottはアプリの目的をそう語った。

SoundSelf

SoundSelfの公式サイトで公開されている映像は、ミュージックプレイヤーに表示されるビジュアライザのように見える。

このアプリでは、没入環境の中で自分の声に反応する幾何学模様と向き合うことになるのだ。

深い瞑想のような体験

ユーザが何かを言ったり、唱えたり、歌ったりすればその声に反応して図形が生まれたり、変形したり、移動したりする。

それ自体がサイケデリックな経験だが、没入感のあるVR技術を使うことでそれ以上の体験が可能になっているという。

中には、瞑想状態になることでアプリの映像ではない何かが見えたり、幸せな気分になったりした体験者もいるようだ。誰もがそうした状態になれるとは限らないが、何の道具も無しに素人が瞑想するよりは効果的かもしれない。

LSDでのワンネス体験

Arnottがこのインスピレーションを得たのは(想像が付くが)LSDを使ったときの体験からだという。

彼はバーニングマン(1995年以来毎年アメリカで開催されている大規模イベント)でLSDを使ってワンネス体験(あらゆるものとの一体感があり、多幸感に包まれるという)を得た。

ゲームデザイナー、サウンドデザイナーとしての経験がある彼は、LSD無しに同様の体験をさせる方法としてVRアプリケーションを使うことにした。

VRゲーム?

Tricycleの記事ではゲームと表現されている部分もあるが、SoundSelfはいわゆるVRゲームではない。達成すべき目標が与えられ、他のプレイヤーとの競争やスコアが存在するわけではないからだ。

このVRアプリケーションは、通常の意識を眠らせて「フロー」を経験できる特別な意識状態を呼び覚ますためのものである。

瞑想ツールの一つとしてのVR

道具を使った瞑想

SoundSelfではVR映像と自分の声を瞑想の道具として用いている。だが、そうした道具を使う方法が間違っているということはないだろう。

瞑想と言ってもただ無言で座っていなければならない方法ばかりではなく、古くから行われている瞑想でも様々な道具やテクニックが使われている。真言を唱えるもの、香りや楽器の音を使うもの、踊り続けることで変性意識状態に入るものもある。

他のVRアプリケーションでは、ヨガの呼吸を訓練できるというDeep VRや身体を動かすことにフォーカスしたWarm.lyがある。

没入感と瞑想

VRの最大の特徴である没入感は、瞑想の道具として適した性質だ。周囲の環境からユーザを切り離せるVRがあれば、特別な道場や寺に篭もらなくても現実を忘れることができるかもしれない。

リラックスできる映像で痛みやストレスに対処できるとも言われているが、その先にあるのがVR技術を使った瞑想なのだろうか。

SoundSelfはまだベータバージョンだが30ドル(以上)支払えば利用できる。特殊な映像なので合わなければ気分が悪くなる可能性もあるが、合う人には有効な瞑想ツールとして使えるだろう。

 

参照元サイト名:Tricycle
URL:https://tricycle.org/trikedaily/can-virtual-reality-help-reach-enlightenment/

参照元サイト名:SoundSelf
URL:http://soundselfgame.com/

参照元サイト名:Deep VR
URL:http://www.exploredeep.com/

参照元サイト名:Warm.ly
URL:http://www.warm.ly/

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。