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Oculus DashでRiftは次世代のコンピューティングデバイスを目指す?

2017/10/20 11:11

Oculus Dash
Oculus Dash

SF映画に出てきそうなOculus Dashインターフェイス

Oculusは毎年1回Oculus Connectを開催しており、今年は4度目となるOculus Connect 4(OC4)が開催された。

今月開催されたこのOC4ではいくつかの新ハードウェアや開発中の技術、発売を予定している多くのVRゲームが紹介された。その中でも、特に反響が大きいのがOculus初の製品化される独立型VRヘッドセットとなるOculus Goだ。

デベロッパーには来月にも開発キットが届くとされており、その価格の安さやスタンドアロンタイプであるという特徴からVRヘッドセットを持っていないユーザが初めて購入するVRデバイスとしての適正が指摘されている。

だが、OC4でOculusが発表したのはこの新デバイスだけではない。The Motley Foolには、Oculus Riftのソフトウェアアップデート「Rift Core 2.0」に含まれるDashインターフェイスに注目した記事が掲載された。

Oculus Dash

Oculusは今年の12月より、Oculus Rift用のソフトウェアアップデートとなるRift Core 2.0のベータ版を配信する予定だ。このアップデートは、Riftユーザに無料で提供される。

クールな新インターフェイス

このRift Core 2.0に含まれる新しいインターフェイスが「Oculus Dash」だ。上の動画で分かるように、これまでのOculus Riftのインターフェイスからは一新されている。

Oculus Dashでは複数のアプリケーションをウィンドウとして並べ、前面に巨大なディスプレイがあるかのようなイメージで作業をすることが可能だ。これはSF映画のワンシーンのようでもあるし、HoloLens用のアプリケーションのようでもある。

VR空間でのマルチタスク

インターフェイスの外観が変わっただけではなく、VRヘッドセットを使ってのマルチタスクが行いやすくなることもメリットだ。

VRヘッドセットはシングルタスク向きのデバイスであり、アプリAを使っているときに別のアプリBを使いたくなったらAを一度終了させるのが一般的な操作となる。しかし、Oculus Dashではオーバーレイ表示されるメニューを使って複数のアプリを同時に扱うことも可能だ。

パソコンのデスクトップがそのまま立体化したような感覚で、バーチャルな作業空間に複数のアプリのウィンドウを並べて使うことも可能になっているらしい。

VRデバイスとMRデバイス

ただ、HoloLensとは違いもある。

マイクロソフトのHoloLensは、現実の中にバーチャルオブジェクトを表示する「MR」デバイスだ。対してOculus Riftは「VR」デバイスであり、ヘッドセットを装着してしまうと外を見ることはできない。

公開された動画では広い部屋を背景に複数の作業ウィンドウを開いているところが見られるが、この部屋そのものがバーチャル空間である。

Oculusへの逆風

Oculus Dash

Oculus Dashによって、Oculus RiftはVRゲームやVR動画を利用するエンターテイメントデバイスとしてだけでなく次世代のコンピューティングデバイスとして使われることを目指しているように見える。だが、その道程は簡単ではなさそうだ。

普及していないOculus Rift

最大の問題として指摘されているのは、Oculus Riftを所有するユーザが多くないことだ。Oculus Riftがなければ、せっかくの新インターフェイスも利用することができない。

少々古いデータにはなるが、調査会社SuperDataが発表したデータによれば昨年世界で販売されたVRヘッドセットの総数は630万台だという。そのうち、Oculus Riftはわずか24万台を占めるのみだ。販売台数の大半はGear VR(451万台)となっており、次いで多いのはPSVR(75万台)である。

最近ではセールによる大幅な売上げアップや新価格の発表などOculus Riftの販売台数を伸ばすための努力が続けられているので、多少状況が変化しているかもしれない。だが、全体の傾向としてGear VRやDaydreamといったモバイルVRが優位であることは変わっていないだろう。

タイピングの難しさ

コンピュータを使った作業では、文字入力にキーボードを用いるのが一般的だ。スマートフォンやタブレット端末では画面上に表示されるバーチャルキーボードで代替されるが、タッチタイピングが可能な物理キーボードに比べると誤入力も多く、効率は良くない。

VRヘッドセットとハンドトラッキングコントローラーを使っていると物理キーボードが扱いにくいことは、VRデバイスを次世代のコンピューティングデバイスにする上での障害になるかもしれない。

Oculusが開発を進める手袋型のコントローラーを使うことで手ではなく指の動きがトラッキングされ、タイピングすら可能になるとされている。これが事実ならば、VRデバイスを使った作業が効率化されるはずだ。

だが、このコントローラーがGear VRやOculus Goといった安価なデバイスに対応するかは不明である。Oculus Riftやその後継となるハイエンドデバイス専用のコントローラーになるのかもしれない。

デバイスが気軽に使えない

Oculus Riftはパソコンと有線接続をする必要があり、トラッキングのためのセンサーを設置しなければならない。そして長時間頭に付けたままで作業するには重いデバイスでもある。独立型のOculus Goはケーブルの問題を解決してくれるが、おそらくVRヘッドセットを付けて作業するよりもマルチディスプレイ環境を構築してしまった方が快適だろう。

コンピューティングデバイスとしてのVRを考えるなら、スマートフォンをポケットから取り出すか、少なくともパソコンの電源を入れるのと同じくらいの気軽さでVRデバイスが使えるようにならなければならない。

 

Oculus Dashの詳細はまだ分かっていないが、上記のような理由ですぐにVRデバイスを使って作業するスタイルが広がるとは考えにくい。現時点では、実際の様子を見ながら使うことのできるHoloLensの方がまだ有望だと言えるだろう。

しかし、OculusはRiftやGear VRで利用できる豊富なコンテンツを含むVRのエコシステムを作り上げている。主にハードウェア面が進化すれば、一気に採用が進むことも考えられる。

 

参照元サイト:The Motley Fool
参照元サイト:VR Room


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