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Facebook、またしても権利侵害の訴えを受ける

2017/04/10 11:17

    演説するZuckerberg

    ZeniMaxから、VRヘッドセットOculus Riftが同社の持つ権利を侵害しているとして訴えられているFacebook。この裁判では、Facebook側が5億ドルの損害賠償を支払うように命じる判決が出ている。

    しかし、FacebookはZeniMaxの権利を侵害していると認めたこの判決を不服としているため、まだ最終的な結論は出ていない。OculusのCTOがZeniMaxに権利のあるソースコードを盗用してOculus Riftの開発に使ったとされているが、彼はそれを否定している。

    彼によれば、ソースコードにコピーがあるかどうかを調べた「専門家」の手法は信頼できるものではない。陪審員はコンピュータに関する専門家ではないため、調査を行った人々の報告をそのまま信じてしまったのかもしれない。

    この権利問題がまだ解決していないFacebookが、またしてもVRに関連して権利の侵害を行っているとして訴えられた。

    訴訟内容

    左右の目に見える映像

    今回Facebookが権利を侵害していると訴えているのは、カリフォルニア州ニューポートビーチにあるTechno View IPだ。Techno Viewは権利を扱う企業であり、3Dイメージング技術を持つImmersiON-VReliaに代わってFacebookを訴えた。

    ImmersiON-VReliaはスペインとカリフォルニアに拠点を置く企業であり、同じ地域を基盤とするTechno Viewを代理として選んだようだ。ImmersiON-VReliaそのものは、Oculus RiftのようなVRヘッドセットやスマートフォンで使用するVRデバイスを製造するメーカーである。

    Techno Viewの主張では、OculusとFacebookが3Dゲームで使われる映像を生成する方法においてImmersiON-VReliaの持つ特許を侵害しているという。3Dゲームでは左右の目に少しずつ異なる映像を見せることで立体感を与えるが、その「視点によるズレ」を作り出す技術が彼らの特許のようだ。

    現時点で訴えに含まれているのはこの技術だけだが、他の特許に関しても付け加える可能性があるという。Techno Viewが提出した訴状によれば、ImmersiON-VReliaの最高経営責任者Manuel Gutierrez Noveloは2003年から2006年にかけてVRに関わる特許を何件か取得している。

    ImmersiON-VReliaがどのような権利を保有しているかは不明だが、さらに大きな訴訟に発展する可能性もありそうだ。権利を扱うことが専門の企業が絡んでいるため、Facebookにとっては手強い問題となるのではないかと思われる。

    FacebookとOculusはこの件に関してまだコメントを出していない。

    VR技術における権利を巡って

    Oculusの創設者、Palmer Luckey

    VRのような最新技術を扱う場合、権利の問題は頻繁に起きる。こうしたトラブルを完全に防ぐことは難しい。実際に盗用や模倣が行われなかったとしても、各企業が研究開発を行っていくなかで発見する技法が似てしまうことはあり得るからだ。

    他社に真似られるのを防ぐために重要なのがきちんと自社の権利を認めてもらうことだ。自分がその技術に対する権利を持っていると示すために、いち早く特許を取得しなければならない。そうしなければ、逆に相手側の技術を使ったとみなされる可能性さえある。

    今回の訴訟では、ImmersiON-VReliaのNoveloが特許を取得したのが2003年から2006年とされている。Oculus Riftの登場から考えるとかなり早い時期であり、本当にこの通りであれば裁判を進める上での武器となる材料だ。

    ただ、ImmersiON-VReliaが権利を持つという「3Dゲームで左右の視点から見た映像を生成する方法」がどのくらいの幅を持って認められているのかが問題になりそうだ。

    3Dゲームの奥行きを出す方法としてズレのある映像を見せるのはごく普通の手法であり、Oculus以外にも多くの企業が同様のことを行っている。その映像を生成する方法も多数あるはずだ。本当にOculusがImmersiON-VReliaの権利を侵害するような方法を使っているのだろうか?

    この訴えに対してFacebookがどのような反応を示すのか、そしてTechno Viewはさらに他の権利についても訴えの内容に加えるのだろうか。これからどのように動いていくのか、不透明な状況だ。

    今後の流れによっては、ZeniMax訴訟と並んでFacebookのVR事業に悪影響を与えるかもしれない。

     

    参照元サイト名:Fortune
    URL:http://fortune.com/2017/04/07/facebook-oculus-patent-lawsuit/

    参照元サイト名:ImmersiON-VRelia
    URL:http://immersionvrelia.com/

    参照元サイト名:Techno View
    URL:http://technoview.com/

    ohiwa


    ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。

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