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恋に落ちるバーチャル体験ができるOculus対応アプリ「Fall in Love」リリースされる

2017/09/20 19:02

    海外メディアFast Companyは、Oculus対応アプリ「Fall in Love」を紹介した。

    言葉を交わすことでバーチャルな恋に落ちるアプリ

    同メディアによると、このほどバーチャルな恋に落ちることができるOculus対応アプリ「Fall in Love」がリリースされた。

    アプリ概要

    同アプリの基本的な仕組みは「VRヘッドセットを装着して見えたヒトと会話を楽しむ」、ただそれだけである。しかし、この「会話する」というプレイのうちに恋に落ちる仕掛けが隠されている。

    ユーザーは、Oculus Riftを装着後、自分が会話したいヒトを三名の男性あるいは二名の女性のなかから選ぶ。これらのヒトはCGで合成されたものではなく、リアルに実在する俳優あるいは女優を撮影したものをVR空間内に取り込んだものだ。

    ついでユーザーは、話したい相手に対して投げかける質問を選んで、実際に質問をする。この時、重要なのがバーチャルな会話相手に質問する時、実際に声に出して言うことである。このバーチャルな会話をVRヘッドセットを装着していない第三者が見たら、あるいは不可解に思うかもしれないが、「声を出す」ということは同アプリで推奨されているプレイスタイルなのだ。

    バーチャルな会話相手はフォトリアルな存在ではあるが、質問には事前に用意された答えしか返さない。こうしたバーチャルな双方向的な会話を続けることで、同アプリのプレイは進行する。

    同アプリの巧妙ななのは、会話相手の答え方が計算されているところだ。はじめの質問に対しては、ややそっけなく答える。しかし、バーチャルな会話を続けていくと、アイコンタクトが増え、次第に親密な雰囲気になるように演出されている。

    そして、こうした親密な空気にほだされて、ユーザーはバーチャルな会話相手に対して恋に落ちる、という仕掛けになっているのだ。

    重要なのは話している「内容」ではなく「事実」

    同アプリの仕掛けには、実は元ネタがある。その元ネタとは、海外メディアNew York Timesに掲載された「恋に導く36の質問」という記事だ。

    この記事を執筆したのは心理学者のArthur Aron氏なのだが、この記事の核心部分は質問する内容にはない。同氏が主張しているのは、結局のところ、会話相手と親密になり恋に落ちるかも知れない状況は、会話している内容ではなく会話しているという事実が重要だということである。前述の36の質問は、会話自体を良好な状態で続けることに主眼を置かれて考えられたものなのである。

    以上のようなアイデアをもとにして、同アプリを開発したKevin Cornish氏は、同アプリで目指してことを以下のように述べている。

    このアプリで実現したかったのは、まさに映画「Her」のような瞬間なのです。

    この映画では、主人公はAIと多くのヒトとするような会話をして恋に落ちるわけですが、こうした瞬間をアプリ開発に応用したかったのです。

    もっとも映画「Her」で主人公が恋に落ちるAIは声だけの存在である。対して、同アプリではリアルに存在する役者が登場する。この差異に関して、テイラー・スウィフトのVRフィルムを制作した経験のある同氏は以下のように言う。

    たまたまテイラー・スウィフトを撮影していた時、彼女がカメラを見たのです。その時、まるでこちらを見つめ、話しかけているように感じたのです。

    VRで体験できるこうした瞬間、つながりはほかのメディアではできないものです。

    同アプリは、バーチャルな会話が進行するなかでアイコンタクトのようなVRにおける刺激的なイベントを仕込むことで、ユーザーに親密な感情を抱かせるようにしむめている、と言える。

    ちなみに、同アプリを開発する過程でリアルな役者ではなくCGのヒトを使ってみたのだが、CGが相手では親密な感情が起こりづらいということがわかった。

    共感をよぶVR空間における「ヒトの声」

    以上に紹介したVRアプリ「Fall in Love」が試みている会話によって親密さを演出する手法は、別の角度からでもその有効性を説明できる。

    本メディアでは、南カリフォルニア大学が発表したVRを活用したドキュメンタリー映像「イマーシブ・ジャーナリズム」における共感を呼ぶ条件に関する研究結果を紹介した。

    その研究結果によると、視聴者が動画によって再生されている「ヒトの声」に聞き入っている時、脳波や脈拍を調べると強い共感を示していることがわかった。

    VR空間における「ヒトの声」が共感を呼ぶという観点からVRアプリ「Fall in Love」を考察すると、同アプリのフォトリアルなヒトと声に出して会話するという行為そのものが、ある種の「共感」や「感情移入」を引き起こすと考えることもできる。

    なお、同アプリはエンターテインメント・アプリとして楽しんでもらうことのほかに、接客業における応対を改善するツールとして活用することも考えている、とのこと。

    Oculus Storeの「Fall in Love」ページ
    https://www.oculus.com/experiences/rift/1829204770438255/

    Oculus対応アプリ「Fall in Love」を紹介したFast Companyの記事
    https://www.fastcompany.com/40469540/how-virtual-reality-could-help-you-fall-in-love

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