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ファーウェイとTPCastが5Gネットワークを使ったクラウドVRレンダリングを計画中

クラウドレンダリングでモバイルVRの品質が変わる
クラウドレンダリングでモバイルVRの品質が変わる

クラウドレンダリングでモバイルVRの品質が変わる

スマートフォンを使うモバイルVRヘッドセットや他のデバイスを使うことなく単体動作するスタンドアロンタイプのVRヘッドセットは、手軽に使えることが特徴だ。PCや家庭用ゲーム機をベースとする有線デバイスと違って、VR体験の最中にケーブルを煩わしく感じることはない。

一方で、モバイルデバイスである以上VR映像の品質は限られたものになってしまう。プロセッサを小型・低消費電力のものにせざるを得ないため、PCベースのVRヘッドセットと同等の画質を実現するのは難しい。

モバイルVRヘッドセットでハイクオリティなVR体験を可能にしてくれるかもしれないのが、クラウドレンダリングの技術だ。ファーウェイとTPCastは、超高速の5Gネットワークを介してレンダリング済みのVR映像をヘッドセットに届けることでハイクオリティ・モバイルVRを実現しようとしている。

クラウドとVR

ViveのVRゲームをクラウドで処理する

クラウドでVRゲームを処理するので、高性能PCは不要になる

高性能PCという障害

PCベースのVRゲームを高品質なグラフィック設定でプレイするには、NVIDIA GeForce GTX 1080や1070 Tiといった高性能なGPUを搭載したハイスペックマシンが必要になる。こうしたGPUを使ったグラフィックボードはパーツ単体で見ても6万円~10万円程度と高価だ。

VR Ready PCの基準を満たすだけならば10万円以下のモデルも存在するが、他のパーツや筐体にもこだわるとすぐに数十万円になってしまう。特に高価なゲーミングPCでは、約50万円というものも存在する。

VRヘッドセット本体は高価なもの(HTC Vive)でも8万円台で購入できるが、高性能PCを含めたシステムを0から揃えるのであれば20万円程度の予算を確保したい。この導入コストがVRの普及を阻む要因となっていることは間違いない。テレビゲームを遊ぶために20万円をポンと出せる消費者はそう多くないはずだ。

クラウドによる処理

VRヘッドセットのメーカー各社も現状の問題点は認識しており、発売から時間が経つにつれてVRヘッドセット本体の価格は下がってきた。

HTCはさらに一歩進んだクラウドVRにも挑戦している。HTCが中国の大連で試験を実施することを発表したのは、高性能PCを使う代わりにViveをセットトップボックスに接続してVRゲームをプレイするシステムだ。クラウド上で処理されたVR映像を高速回線を通してユーザの元へ届けることで、各ユーザが高性能PCを購入する必要はなくなる。

デバイスの返却時に返金される約5万円のデポジットは用意する必要があるが、それ以降は月額8,500円程度でHTC Viveとセットトップボックス、そして通信回線を利用できるという。ViveとVR対応マシンを購入する場合に比べれば、かなり安価に自宅で本格的なVRゲームを楽しめるサービスだ。

モバイルにハイクオリティなVR映像を

Oculus Go

来年発売予定の独立型VRヘッドセットOculus Go

HTC ViveはハイクオリティなVR体験をウリとするPCベースのVRヘッドセットだが、導入コストの大きさが弱点となっている。HTCがクラウドでVRを処理するシステムの試験を行っているのは、質の高いVR映像を低価格で体験してもらうためだ。

手軽なモバイルVR

クラウド化以外にVRシステムの導入コストを下げる方法として、体験の質を犠牲に本体の価格を下げるという方法がある。この方向で進んでいるのが、スマートフォンを使うモバイルVRヘッドセットや一部の低価格な独立型VRヘッドセットだ。

Gear VRやDaydream Viewを使うにはそれぞれに対応するハイエンドスマートフォンが必要だが、ヘッドセット本体の価格は1万円台まで下がった。対応端末から買い揃えるには高いが、元々Galaxy S8やGoogle Pixel 2を持っているならば安価にVRシステムを完成させられる。

来年発売が予定されているOculus Goのような独立型VRヘッドセットは、さらに低価格だ。本体の価格は2万円程度とGear VRよりも高いが、スマートフォンすら使わないので総額2万円である。

ただし、これらのデバイスはルームスケールのVRに対応していない、解像度が低いといった欠点もある。こうした欠点を許容することで低価格化や小型化が実現しているのだ。

利便性と高品質の両立

モバイルVRの扱いやすさや価格の安さを維持したままVR映像の質を高める方法としても、クラウドを使うことが考えられている。ファーウェイのWireless X LabsとTPCastは先週、5Gネットワークを使ったクラウドVRレンダリングソリューションのために協力していくことを発表した。

現在スマートフォンでの通信網として主流となっている4Gネットワークよりもさらに高速な5Gネットワークを使うことで、モバイルVRデバイスに低遅延でハイクオリティな映像を届けることが可能だとされている。

4Gの応答速度は約50ミリ秒であり、最高速度も約300メガビット/秒なのでクラウドVRレンダリングには不十分だ。5Gならば応答は1ミリ秒、最高速は低く見積もっても1ギガビット/秒である。10ギガビット/秒に近いとも言われている。

5Gはまだ試験中の技術であり、世界的に利用されるのは数年先になるだろう。しかし、5Gの利用が広まればクラウドを活用するモバイルVRデバイスで手軽に高品質なVR体験を楽しめるようになるかもしれない。

 

参照元サイト:VR Focus

ファーウェイ、VRオープンラボを軸とした産業間協業の計画を発表 | VR Inside


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