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もう病院は怖くない!?子供達のメンタルをケアするVR体験「Infusionarium」をアメリカが導入

2017/04/24 16:14

Reimagine Well Infusionarium

病院の待ち時間、施術後の不安などを解消するためにアメリカの病院で導入された、子供達のためのVR体験「Infusionarium」とは?

VR医療について

最近では、心臓病専門医などが患者に病について説明する際に、3DVRモデルを使って説明をしたり、歯医者が施術の手順をVRを使って学んだりなど、
ヘルスケア(医療)業界にVRが活用されることも珍しくなくなってきた。

そして今回公開されたVRの活用法は、病院の待ち時間に感じる緊張や恐怖を、VRを使って紛らわせるという方法である。

 

「Infusionarium」について

フロリダ州の都市、タンパにあるセント・ジョゼフズ・チルドレンズ病院で、「Infusionarium」と呼ばれるシステムが導入された。

このシステムは、VR体験を通して、特に若い患者さんの不安や恐怖を失くし、リラックスさせるためのシステムである。

患者さんが不安を感じるのは待ち時間、そして抗がん剤治療を受けた後の数時間だという。

その不安定に囚われたメンタルをケアするためのシステムが「Infusionarium」なのだ。

考案について

「Infusionarium」を考案したのはなんと、元ウォルト・ディズニーで働いていたRoger Holzburg氏である。

Roger Holzburg氏は現在、Reimagine Wellという会社の共同創設者として働いており、そこで癒しの効果のある没入型コンテンツの考案を試みているという。

セント・ジョゼフズ・チルドレンズ病院の小児の血液内科、腫瘍学のスペシャリストであるDr. Mark Mogul氏はこのシステムに賛同する1人で、以下のように語っている。

「毎日毎日、バイタルサイン(患者の兆候の検査)を受け、血を採取され、抗がん剤治療を受けるといった日々から抜け出したいと考えている病院の子供達にとって、このシステムは素晴らしいものです。

Infusionariumは子供達に良いものなのです。」

具体的なコンテンツ内容は公開されていないが、コンテンツは一つではなく、たくさん用意されているようである。

<VR医療の広がり>
VRx医療は非常に相性が良く、既に様々なVR事例がある。例えば、本記事で紹介したメンタルをケアする「Infusionarium」と同様のアプローチであるVR医療アプリ「My MRI at King's」。これはMRIを受信する子供の不安を事前に解消するため、VRを使って事前体験をさせることで、MRIが怖くないということを理解させるというもの。

他にもよりTouch Surgeryが安全な外科手術を実現する医療用ARトレーニングアプリの開発を発表。VRアプリケーションを使えば、一連の手術体験が事前練習でき、参考書などでは理解しにくかったプロセスを簡単に理解することができるようになるので、育成面で多いに役立つことが想像できる。

医療教育でもう一つあげられるのが、手術のライブストリーミングだ。

イギリスのMedical Realitiesは、昨年4月に手術室に設置された360°カメラを通じて、世界初の手術ライブストリーミングを実施。生の手術を様々な角度から見られる機会は少なく、リアルタイムの視聴数も多かったようで、ニーズの高さが伺えます。

VR医療の事例はまだまだあり、手術イメージをHololensで共有するものや、オランダの総合電機メーカー「Philips」が開発する脊柱手術を補助するAR機器。3D-CTによる手術の事前シミュレーションやVRによる恐怖症やPTSDや麻薬中毒の治療など、多方面にVRが活用されています。

人の命を預かる職業だからこそ、手術の精度UPが生命線。そのためのツールとしてVRは最適であることは明白。今後、日本でも実用化が進められる分野だと思うので、今後も注目していきたい。

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手術のイメージ共有にHololensを活用するデモ動画が公開
より安全な外科手術へ。Touch Surgeryが医療用ARトレーニングアプリを開発
MRIを受診する子供の不安を取り除くためのVR医療アプリ「My MRI at King's」が開発される
中国の医療施設で麻薬中毒の治療にVRコンテンツを活用

参照:VRfocus
URL:https://www.vrfocus.com/2017/04/immersive-infusionarium-helps-cancer-patients-escape-clinical-environment/

Kawasaki


1996年生まれ。ドイツ在留。肉体と物理の限界を超えた「新しい世界」を創り出し、それを体験できるVRに興味を持ち、その最新動向を追っています。

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