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趣味から事業へ!?面白いを仕事に変えていくVR事業の若きクリエイター集団「カヤックVR部」に迫る

2016/03/18 10:45

「面白法人カヤック」。鎌倉に本社を構え、その社名の通り、新しい技術と面白いサービスを提供し続けるクリエイター集団だ。

やはり最新技術へのアプローチは早く、昨今名前を聞くようになったVR(バーチャル・リアリティー)事業への参入も2年前であり、既に何本もVRコンテンツをリリースしている。

なぜ、そこまでスピーディーに事業参入を決められたのか?

VR事業に参入した経緯と、具体的な事業内容。今後の展開などについて今回、カヤックVR部の原 真人氏、泉 聡一氏、畑佐 雄大氏にお話を伺ってきた。

左から畑佐氏、原氏、泉氏

 

趣味が事業へ!クリエイター集団の強み

----カヤックVR部を発足したキッカケを教えてください。

原氏:実は2013年頃、個人的にOculus Rift DK1向けに箒(ほうき)にデバイスを付けて実際に跨り、キャラクターを操作するシューティングゲーム「Little Witch Pie Delivery」を制作し、Ocufesなどのイベントに出展したところ、評判が良く、徐々にコネクションが広がっていきました。

その後、Oculus社からGear VR向けコンテンツの提供をご相談いただいたので、Oculus Rift向けに開発していたこのゲームをGearVR向けに移植しました。その間にも世間のVRへの注目度・関心度は徐々に広がっていたため、今後のVR需要を鑑み、カヤックVR部を発足するに至りました。

 

----発足したのはいつ頃でしょうか?

泉氏:2015年の6月頃ですね。それ以前もVR案件の開発は行っていたのですが、あくまでも受託事業の一環でVRという選択肢があった程度で、最初は専門の部署があった訳ではありませんでした。

VRの受託案件は去年の年始ころまでは規模的にも小規模でしたが、徐々に規模感も大きくなり、VRコンテンツのクオリティも高まるなかでカヤックとしても今後、増えるであろうVRコンテンツとして”埋もれないような作品を作りたい”と言う想いがあり、専属チームを立ち上げました。

 

----現在の開発体制を教えてください。

原氏:コアメンバーが2名いて、VR専属のエンジニアが4~5名ほど稼動しています。

3DCGなどについて、今までは内製する体制がなく、パートナー企業に3Dモデリングやアニメーションを一括でお願いしていたのですが、最近ベトナムに開発拠点ができたこともあり、内製での作成が可能になり、大規模なコンテンツ制作体制が整いました。

 

畑佐氏:私は前職が某ゲーム会社で、アーケードゲームのプランナーを務めていました。カヤックは従来ウェブやデジタルサイネージなどを得意としていますが、前職の経験を活かし、ゲーム開発も可能になったことで、受託領域を広げることができました。

 

3~4年後を見据え、実質的なスキル習得を目指す

----今まで何本ぐらいVRタイトルを制作してきましたか?

原氏:去年の発足からだと8本制作しています。ただ、その中には公開していないコンテンツや、現在開発中のコンテンツも含みます。

現状、投資としてではなく事業として進めているため、自社コンテンツの制作もしたいのですが、クライアントワークをメインに行っております。

また、特に今年はイベント出展を考える企業にとってVRコンテンツは強い販促ツールとして注目されているので一層、依頼が増える可能性が高いため、直近では受託をメインで進めていく予定です。

 

泉氏:今、多くの企業がVR事業を投資フェーズだと考え、推進されていると思いますが、弊社としては受託案件の制作を通じて、開発ノウハウやチーム作りを進めることで実質的なスキルを身に着けていこうと考えています。

とは言え、将来的には受託案件として開発するVRコンテンツは、スマホのアプリ開発が一時に比べて落ち着いてきたのと同様に徐々に沈静化していくと推測されるので、3~4年後には自社コンテンツのみで事業が成り立つような形にしていきたいと考えております。

 

”おもちゃ”に見えるか、が普及のキーワード

----日本で普及しそうなVRヘッドマウントディスプレイはどれだと思いますか?

原氏:Oculus Rift、HTC Vive、PlayStation®VRの中であれば、日本において早く広まりそうなのはPlayStation®VRになりそうかと思います。


ただ、最近HTC Viveの日本への参入が急速に進んでいます。特筆すべきは、GREEとHTCの事業提携です。この事業提携により、アミューズメント施設へのHTC Vive導入が計画されていることが発表されたのですが、これが実現するとユーザーは自らHMDを購入せずともVR体験を楽しめるようになるため、HTC Viveの利用者が急速に増えていく可能性も充分にあると思われます。

 

泉氏:Oculus RiftもHTC ViveもPlayStation®VRも全部、ハイエンドゲーマー向けのデバイスだと思っていて、日本のマーケットだと広がるのに時間がかかるかもしれません。

やはりハイエンドゲームが流行っているのは欧米。

日本で普及しやすそうかを考える一つの基準は、「おもちゃに見えるかどうか」だと考えています。

ケーブルレス且つデバイス単体でプレイが可能に簡略化されたVRゴーグルが、トイザらスやイトーヨーカ堂などのおもちゃ売り場で販売されるレベルまでいくと、一気に普及するような気がします。

例えば、PSVR VitaやHTC Vive pocketようなものが出てくると爆発的に普及するのではないでしょうか。

 

----VRではどんなコンテンツが流行ると思いますか?

原氏:「つながる」というのが今年から来年にかけてテーマになると思います。

 

泉氏:VRって長時間体験し続けると、没入感が高すぎて寂しさが増すんですよ。

今はまだ家に帰って一人でVR体験をするような生活スタイルがないですが、普及が進みプレイヤー数が増えてきた時には、ちゃんとネットワークでつながれること、もしくは一人で遊んでも寂しくないような作りが必要だと思います。

 

畑佐氏:人とつながるたいと思う気持ちは、人間が持っている欲求の一つだと思うのでネットワークを構築することは大前提必要だと思っていて、そのつながりの先に共通の目的があると、もう一つの仮想世界「セカンドライフ」みたいに、さらに楽しみを感じるようになると思います。

 

趣味がこうじて事業へ。業務外で没頭するほどVRへ熱い想いを持っている人間がコアメンバーにいるからこそ、クオリティが担保されたコンテンツが制作できるし、日々の進化につながっているのだと感じた。

ウェブやデジタルサイネージ、ゲームとその領域を広げながら、3~4年後のVR市場を見ているカヤックVR部。

今までも、そしてこれからも新しい技術と面白いサービスの提供に全力を注ぐ若きクリエイター集団から目が離せない。

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