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MozillaがARKitを使ったWebARを試せるアプリを公開

ARKitを使って表示されるARオブジェクト
ARKitを使って表示されるARオブジェクト

ARKitを使って表示されるARオブジェクト

AppleのiOSで利用できるARプラットフォーム、ARKitを使うことで特別なセンサーを搭載しないiPhoneやiPadでも物体を認識してARオブジェクトを表示させることが可能になる。壁や家具にキャラクターがめり込んでしまうこともなく、テーブルの上に立たせることも可能だ。

しかし、通常このプラットフォームを利用するためにはiOS専用のARアプリケーションを個別に開発しなければならない。Mozillaが公開しているWebXRビューワアプリを使えば、アプリ本体をデベロッパーが開発しなくてもWebARプラットフォームでARKitを利用できるという。

WebXR Viewer

ARオブジェクトを表示する

MozillaはウェブブラウザFirefoxの開発で知られる団体であり、ウェブベースの視覚化プラットフォーム「WebXR」の開発にも力を入れている。WebXRは、VRだけでなくAR/MRをもウェブブラウザで利用可能にしようとする規格だ。MozillaがVRだけでなくAR/MRをこの規格に取り込もうとしていることは以前から伝えられている通りである。

今回発表された『WeXR Viewer』アプリでは、Javascriptを使ってARKitに対応するARアプリやコンテンツを開発することが可能だという。iOS用のアプリケーションを開発しなくても、ウェブベースのAR体験を開発・共有できる。

WebXR ViewerはARKitを使うアプリなのでiOS11以降を搭載している端末が必要だが、多くのiPhoneやiPadで利用可能だ。Mozillaは、WebXRの仕様を定めるにあたって多くのフィードバックを集めるためにこのアプリをリリースするという。

フィードバックを受けて、WebXRはよりユーザやデベロッパーにとって扱いやすい規格になっていくはずだ。

多様なプラットフォームをサポート

室内にARオブジェクトを表示

このWebXR ViewerアプリはiOSデバイスを対象としているが、Mozillaの進めるWebXRの規格はAppleデバイスでの利用だけを想定しているわけではない。むしろ、様々なテクノロジー企業が独自に開発を進めている視覚化技術を繋ぐことを目指している。

モバイルARプラットフォームとしては、Apple ARKitの対抗馬となるAndroid用ARプラットフォームARCoreにも対応している。MozillaのWebARライブラリを使って開発されたWebARアプリは、Google ARCoreを使って動作させることも可能だという。ARCoreが広くリリースされれば、ARCoreを使ってWebARを体験できるビューワアプリもリリースされそうだ。

また、スマートフォンだけでなくPCで利用できるVR/MR規格との統合も進められている。

普及を進める統一規格

A-BlastはWebVRで動作する

A-BlastはWebVRで動作する

VRで進むマルチプラットフォーム化

VRが消費者向けの技術として登場したばかりの頃に、その普及が遅れている理由の一つとして指摘されていたのがプラットフォームごとに利用できるコンテンツが限られたものになってしまっていたことだ。各デバイスの性能は似たようなものであるにも関わらず、あるゲームはHTC Vive専用、別の動画はOculus Rift専用ということが珍しくなかった。

現在でもプラットフォーム独占のコンテンツは存在するが、初期に比べればマルチプラットフォーム対応のVRコンテンツが多くなっている。この傾向は、ユーザによるVRデバイス購入の決断を容易にするだろう。自分が選んだプラットフォームに非対応の面白そうなVRゲームが発売される可能性はゼロではないが、以前よりも低くなった。

ARでも同様に?

ARにはまだ専用のハードウェアが少ないが、代わりにスマートフォンを使うモバイルARが広まりつつある。iOSではこの秋にリリースされたARKitがあり、AndroidではARCoreが開発中だ。

iPhone(ARKit)でしか利用できない、Android(ARCore)でしか利用できないというARアプリよりも、マルチプラットフォームなアプリの方が多くのユーザに利用してもらえる可能性が高い。MozillaのWebXR規格でアプリを開発すれば、それが可能になるはずだ。

一般の消費者に視覚化技術を届ける規格に

MozillaのWebXRに期待されるのは、ゲーマーやテクノロジーの愛好家ではない一般の消費者に視覚化技術が広まるきっかけになることだ。ウェブベースのWebXRで開発されたコンテンツは、特別なデバイスを新たに購入しなくてもパソコンやスマートフォンのブラウザで再生できる。

VRヘッドセットやスマートグラスには興味がない、または難しそうだから手が出せないという消費者でもWebXRなら気軽に試すことができるだろう。VRやARを気に入れば、専用デバイスの購入に繋がることもあるかもしれない。

 

参照元サイト:Mixed Reality Blog(Mozilla VR)
参照元サイト:Road To VR

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