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過去の人気ゲームのVR化でVRデバイスを購入するユーザが増加?

2017/09/19 17:59

VRゲームでもそれ以外でも、過去の人気ゲームの移植やリメイク作品が多く作られるようになっている。こうした作品は安心感や懐かしさでユーザにアピールでき、懐かしいゲームのVR化がVRデバイスを購入するきっかけとして働く可能性もある。だが、リメイクばかりでなくVRデバイスに適した新作の開発も進めていかなくてはならない。

L.A.Noire

L.A.Noireは2011年にPS3で発売された

任天堂が発売したニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータが大人気となりオークションサイトなどでは高額で転売される、同じく来月発売予定となっているミニスーパーファミコンも予約分が開始直後に完売するなど、最新のゲームではなく過去に人気となったゲーム機・ゲームソフトが再び注目される例が増えている。

この人気を受けてか、任天堂は2018年にミニファミリーコンピュータを再販すると発表している。ミニスーパーファミコンについても予約分だけでなく増産があるようだ。

これまでにも廉価版の発売や新ハードでのリメイクによって旧作が売れるパターンはあったが、VRの世界でも同様に過去の人気タイトルがVR対応版で登場することが増えている。

過去のゲームが売れる

Doom

DoomはVR化され、Doom VFRとして蘇る

過去のゲームにも、面白いものはある。ゲームクリエイターたちは過去のヒット作を参考にするので、最初に成功した作品がテンプレートとなって現在のゲームに受け継がれている要素も多い。

だが、純粋にゲームの内容を比べるならば最新ハードで発売される新作の方が豪華になっている。ハードの処理能力やソフトの容量が向上したことでグラフィックの品質は向上を続けているし、イベントのボリューム・ステージ数といった部分も増えている。

過去のゲームでは容量が足りなかったので人間の声などほとんど使えなかったが、最近ではフルボイスのタイトルも珍しくはない。

原点としての価値

長く遊ばれている作品でも、シリーズの後継作品や最近の同ジャンルタイトルと比べるとムービーシーンのチープさや不親切な操作性が気になるものは多い。だが、特にシリーズ作品の場合にはそうした不便さを我慢してでも遊ぶ価値があると考えるファンが多いのではないだろうか。

直接物語が繋がっている作品ではなくとも、続編で前作を知るプレイヤーに向けたイースターエッグが用意されるゲームは多い。そうした要素を全て楽しむために、過去のタイトルもプレイしたいと考えるファンが居ることは想像に難くない。

非常に古いゲームとなると実行可能なハードやソフトが手に入れにくいこともあるが、最近はダウンロード販売や最新ハードでのエミュレーションによって過去のゲームを遊びやすい環境が整いつつある。

最近のゲームに慣れすぎて敬遠していたプレイヤーが、リメイクを機に名前だけは知っていた有名作品に手を出すことも多そうだ。リメイクされるほど売れた作品ということで、未プレイの作品であってもある種の安心感もある。

懐かしさ

新規のプレイヤーが遊ぶのではなく、過去にプレイしたことがあるゲームを再び購入するというパターンも考えられる。一度遊んでその内容を知っているので、リメイクではなく単純な移植でも購入するユーザが多いだろう。

ファンの年代が上がっているので懐事情に余裕ができていることもあり、こちらも需要は大きいと考えられる。

懐かしさはVRを広める助けになる?

スーパーマリオ64のVR化

面白かったゲームはVR化しても面白い?

シリーズ・ブランドへの信頼

初代は良かったのに続編で失敗した、あるいは雰囲気が変わってしまったというシリーズは少なくない。好みの問題もあるが、長く続いているシリーズであればファンからも疑問視される問題作やスピンオフが1本もない方が珍しいのではないだろうか。

そうした例からも分かるように、面白かった作品の続編だからといって次も楽しめるとは限らない。だが、全く知らないタイトルを購入するよりは好みのものである可能性が高いだろう。リメイクならば内容が大きく変わることはないはずなので、さらに信頼性が高い。

ゲームを購入するときに、お気に入りのシリーズやブランドを選ぶというのはある程度信頼のおける方法だ。

新しい技術と懐かしいコンテンツ

VRは新しい技術であり、この技術がゲームに使われるようになったのはここ最近のことだ。若いゲーマーは新技術に興奮しているが、一般に年を取ると新しいものには一歩引いて見てしまうようになる。VRに対しても、今ひとつ惹かれないという大人は多いはずだ。

過去に遊んだ懐かしいゲームの存在は、彼らがVRデバイスを購入するきっかけとなる可能性がある。未知の技術であるVRに不安があっても、懐かしいタイトルがストアに並んでいればプレイしてみようという気になるかもしれない。

デベロッパーの選択

特に過去の人気タイトルの権利を持つスタジオにとって、それらのリメイクや続編でVRゲーム市場に参入するというのは悪くない選択だ。

過去作のプレイヤーがVRでもシリーズ作品を購入してくれる可能性が高いため、慣れない市場での大失敗を避けることができる。リメイクならば、新規タイトルをゼロから開発する場合にくらべてコストを抑えることもできるだろう。

反面、リメイクではできることに限界がある。過去のゲームはVR技術が開発されるよりも前に制作されているため、VRに最適化されていない。そのままVRデバイスで動作させるだけでは上手くいかないタイトルも多いだろう。

過去作のリメイクは失敗しにくくリスクが小さい反面、VRの特性を存分に活かした大ヒットタイトルは生まれにくくなってしまう。

最終的にはVRを前提にデザインされた完全新作やキャラクターを使用した新作を作っていくことになるとしても、VRゲーム開発の経験を積むためにリメイクを手がける意味はある。

目新しさが落ちる懸念

良く言えば懐かしさを感じさせるリメイクだが、悪く言えば新規性を感じさせにくいということでもある。この傾向が続けば、せっかく新しいVRデバイスを買っても販売されているタイトルはどこかで聞いたことがある作品ばかりになってしまうかもしれない。

VRゲームに興味はあるがまだVRデバイスを購入していないという消費者をVRゲームの世界に引き込むため、あるいはVRゲームに関心を持たせるために過去の人気作品を利用するのは効果的な方法だ。しかし、同時にVRデバイスの特性を活かした新作の開発も進めていく必要がある。

懐かしいゲームに魅力を感じる層と新しい技術に魅力を感じる層、両方のゲーマーを上手く顧客にできるかどうかはスタジオのバランス感覚次第だ。

 

ベセスダが権利を持つ『Doom』や『Fallout 4』はホリデーシーズンに向けてVR対応版の発売が予定されており、『Serious Sam』シリーズのVRバージョンは既に販売されている。これらが成功すれば、過去のタイトルをVR化するスタジオはさらに増えるだろう。

そうしたリメイクタイトルの存在は、VRデバイスを所有するゲーマーの増加につながるはずだ。ただ、その後は彼らがVRに飽きてしまう前に新作を開発していかなくてはならないだろう。

 

参照元サイト名:Hacker Noon
URL:https://hackernoon.com/vr-is-giving-life-to-dead-franchises-93d73306e0c5

ohiwa


ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。

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