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YouTube動画を教材にARでイラストの描き方を学べるアプリが登場!

デジタルデータを現実世界に重ねて表示するARは、ゲーム以外にも建築や医療など、様々な分野で活用されています。

また、最近ではアート教育にARを活用したアプリが登場しており、紙の上にAR表示したプロの作品をなぞることで、描き方を学ぶことが出来ます。


ARでプロのスキルを習得?アート教育で活用できるARアプリ

「Drawalong AR」というアプリは、おもにカリグラフィ(西洋書道)やイラストのスキルを、ARでより簡単に習得することが目的のアプリです。

アプリは一般公開していませんが、YouTubeに投稿されている様々なチュートリアル動画を教材として使用することが可能で、グーグルの技術研究部門であるGoogle Creative Labsによって開発されました。

完成図を実物大でAR表示

現在、カリグラフィやイラストなどの描き方を分かりやすく説明したチュートリアル動画が、数多くのユーチューバー達によって公開されています。

日本でも「お絵描き配信」という形でバーチャルユーチューバーなども行っていますが、Drawalong ARでは、これらの映像を現実世界のカンバスの上に直接AR表示して、教材として使用します。

映像はやや透明化されて表示されるので、カンバスに合わせて映像のサイズの大きさや向きなどを調節したら、あとは映像内の完成図をなぞっていくだけです。

プロの作品を手軽に模写できる

アプリ開発に際して、Google Creative Labsはアート系ユーチューバーのAmandaRachLeeさんとコラボしており、アプリでは彼女の動画を教材として使用します。

彼女のYouTubeチャンネルにある数多くのチュートリアル動画にアクセスして、これまでに描いたポップなイラストや、カリグラフィなどの描き方を、アプリを通して練習できます。

従来のように、2D画面でチュートリアルを見ながら模写しようとしても、映像から見て取れるのは線の幅や筆触などのわずかな情報でしたが、映像をAR表示することで、例えば曲線や直線の具合、ペンのはね具合など、様々な情報が得られます。

スマートフォンARで使用

また、Drawalong ARはスマートフォン用のアプリですが、使用中にずっと片手でデバイスを持っていても、腕を疲れさせないための設計がされています。

例えば、映像を再生中にAR表示とフルスクリーン表示を切り替え可能で、映像内の重要な部分だけをAR表示して、あとはスマートフォンを置いて制作に集中する、といった使い方が出来ます。

その他、映像をスキップして特定の箇所だけを再生したり、再生速度を変えることも可能なので、自分にとって重要な部分を何度も練習する時などに使えます。

初心者のスキルアップには最適?

Drawalong ARを開発したJane Friedhoffさんによると、アプリを開発したきっかけは彼女の個人的経験に基づいているとのことです。

いわく、グリーティングカードを自作しようと、様々なチュートリアル動画を視ながら試行錯誤するも、映像とノートパッドに交互に目をやりながら忙しく作業することが、非効率的に感じられたそうです。

ARで、こうしたチュートリアル映像を、直接紙の上に表示すればいいんじゃないか?と思いました。(中略)私のような初心者にとって、キャラクターや文字のバランスを保つのは大変です。(練習用の)ワークシートがあれば、描き方をより体感的に学べますが、Amandaのようなクリエイターが、自分が作った作品すべてをワークシートに落とし込むことは出来ません。

と述べています。ARによって、チュートリアル映像をそのまま練習用の教材として使えるので、手軽にイラストスキルを上げたい方や、アートを専門的に勉強する学生などにも役立ちそうです。



ARがアートに与える影響とは

昨今、「Tilt Brush」や「Quill」などのVR制作ツールが登場したことで、数多くのクリエイターが制作にVRを取り入れています。

ですが、ARもアート分野で今後大きく影響を及ぼすであろう技術として、現在様々な企業やクリエイターによって、実験的な取り組みが行われています。

ARによって生まれる、新しいアート形式

例えば、FacebookはAR開発にも注力していることで知られていますが、同社はARがアートにもたらす可能性についても追及しています。

2017年4月には、同社はアート作品をARで表示するという取り組みを発表しており、アーティストのHeather Day氏とコラボしています。

スマートフォンのカメラを起動すると、作品がホログラムとして現れる仕組みです。こうした「ARアート」は今後、スマートグラスやARヘッドセットの普及に伴って、より一般的になっていきそうです。

3DモデリングもARで出来る

また、作品鑑賞の他に、製作にもARが活用されていきそうです。「Makebox AR」というアプリでは、ARで3Dモデルを制作出来ます。

積み木感覚で3Dモデルを制作することが可能で、作成したデータはWebで公開したり、UnityやUnreal Engineなどに取り込むことも可能です。

ゲーム感覚で遊べるものから、プロの作品制作に使える高度なものまで、今後はデザインや制作にもARが普及していきそうです。

まとめ

Googleが、アート制作のスキルをARによって学べるアプリを公開しました。

「Drawalong AR」というアプリでは、YouTubeにある様々なチュートリアル動画を紙の上にAR表示して、ユーザーは映像内の完成図をなぞることで、描き方を学習できます。

ペンのはね具合や線の大きさなど、従来の映像教材では把握できなかった直感的な要素も学習できるとのことで、今後アートや美術教育には、こうした形でのARの活用が進んでいきそうです。

参考サイト:VRScout









Daisuke


フリーランスの翻訳ライター。XR、VTuber、人工知能を専門に各種メディアに寄稿しています。 Twitter: https://twitter.com/dsiwmr

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