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もはや大ヒット映画にはVR必要不可欠?「ジョン・ウィック:パラベラム」の撮影にVRが大きく貢献

2019/11/04 18:00

「ジョン・ウィック:パラベラム」の撮影にVRが大きく貢献

「映画のような体験ができる」というVRゲームは数多くありますが、最近では逆にVRゲームエンジンが実写映画の演出やプリビス制作などに使われる例が増えています。

例えば「ジョン・ウィック」の最新作で印象的なシーンの演出にVRが活用されたことが明らかになり、大きな注目を集めています。


「ジョン・ウィック:パラベラム」でのVR活用例

「ジョン・ウィック:パラベラム」でのVR活用例

先日Epic Gameによって公開された映像では、世界中で大ヒットを記録したアクション映画「ジョン・ウィック:パラベラム」の印象的な戦闘シーンをVRによって構築していく様子が明らかになりました。

映画のクライマックスを飾る、全てがガラスでできた建物の中での2人の刺客との戦闘シーンですが、公開された動画の中ではVRを使って巨大な施設のデジタル3Dレプリカの作成し、格闘の振り付けを行なっています。

Epic GamesのUE4ゲームエンジンを使用して構築された仮想空間により、俳優陣、美術スタッフやチャド・スタエルスキ監督に至るまで、戦闘シーンを視覚化しつつ演出プランを作り上げることができるようになりました。

VRを使うことで実現できるアイデアとできないアイデアを事前に知ることができるため、時間的にも金銭的にもコストを削減し、各部門のスタッフはそれぞれの役割に集中することもできるというメリットもあります。

ジョン・ウィック3のVR活用についての動画

例えば、カメラスタッフと照明スタッフは仮想空間の中で最適なカメラ位置と照明位置を徹底的に調整し、スタントコーディネーターはVRセットの中で何度もアクションの段取りを決めていくことが可能です。

VRでセットを作成したコンセプトイラストレーターのAlex Nice氏は、「セットの作成はVRなしには考えられなかった」と振り返っています。

さらに、VRには「2Dコンセプトアートを超えて設計を設定する機能」があり、「この業界にどんな混乱が起こるのかを実感しています」と、今後の映画制作におけるVRの果たす役割が拡大していくのではないかと予想しています。



実写版「ライオン・キング」でもVRが大活躍!

ライオンキングのVRが大活躍

VRの恩恵を受けたハリウッド大作は「ジョン・ウィック」だけではありません。

実写リメイク版「ライオン・キング」のジョン・ファブロー監督は、映画全体に漂うフォトリアリスティックな世界観を作り上げるために、ディズニーが独自のマルチプレイヤーVR映画制作システムを構築したことを明かしました。

独自のVRレンダラーを使用することにより、プライドロック、ラフィキの古代の木、および劇中の象徴的な場所の3Dモデルを作り上げることが可能になったとのことです。

また、ファブロー監督は、2016年の「ジャングル・ブック」の撮影時のような、ブルースクリーンや実際のセットまたは実際のカメラが必要になるという物理的な制約から解放され、

すべてが仮想化されたVRセットの中で自由なカメラ操作をすることができるため、全く新しいアプローチで映画を作り上げていくことができたと、VR技術について好意的に振り返っています。

まとめ

「ジョン・ウィック」はVRゲームと親和性が高く、多くのVRゲームが「ジョン・ウィックみたいな体験ができる」という宣伝文句とともにリリースされました。

実際に「ジョン・ウィック」のVRゲームも制作され、Steamなどで好評を博しています。

今回は逆に映画の方がVR技術によって、印象的なシーンの演出や世界観の構築が行われたケースです。

ハリウッド史を振り返るまでもなく、映像技術の進化とハリウッド映画は密接に関係しています。

Alex Nice氏が予想するようにハリウッドの映画制作でVR利用がさらに広がることによって、VR技術自体の発展や普及につながっていくことが期待されます。

参考:John Wick: Chapter 3 Fight Scene Was Only Made Possible Thanks To VR[VR SCOUT]









XRマッチョ


筋トレとVRを愛するライター。VRでマッスルを実現できないか現在思案中。

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