VRドライビングシミュレーターと車両開発技術の融合!体感型車両開発ツールの提供へ
2020/05/13 22:00

自動車業界を中心とする技術提供やエンジニアリング支援を手掛けるAZAPAエンジニアリング株式会社は、VRドライビングシミュレーター開発を手掛ける株式会社アイロックと業務提携契約を締結し、VRドライビングシミュレーター「T3R」を用いた新しい車両開発ツールの提供を発表しました。
今後は、各社の開発内容に合わせて車両制御を精密に再現する、オーダーメイドの車両開発用VRシミュレーターを提供していくということです。
「T3R」とは
「T3R(ティースリーアール)」は、アイロックが開発・製造・販売をするVRドライビングシミュレーターで、プロレーシングドライバーの経験と3Dフローティングフルモーション技術の融合によって、
・路面のうねり
・振動
・重力加速度
を忠実に再現することができます。
車両開発向けのシミュレーターが登場
この「T3R」は主に体験型シミュレーターとして親しまれていますが、車両開発に知見のあるAZAPAエンジニアリングとの業務提携契約が結ばれたことにより、車両開発向けの新しい「T3R」の提供が可能になりました。
実車を使うことなく、シミュレーション上で路面状況や車両制御を精密に再現することが可能な上に、活用用途に合わせてカスタマイズもできるため、各社の評価手法や評価項目に合わせてオーダーメイドをすることもできます。
7つの特徴で車両開発をサポート
「T3R」には7つの特徴があり、よりリアルで正確な車両評価を実現する”バーチャル・ラボ”として、車両設計・評価等の様々な場面で車両開発者をサポートします。
まず
・アクセル
・ブレーキ
・ステアリングの挙動
などドライバー操作のデータを取得でき、実車での実験データを本機で再現・体感することができます。
色々な路面状況を設定できるので、それぞれの路面状況での車両挙動もシミュレーションすることが可能です。
また官能評価に影響を与えた車両の挙動を数値データで取得することができるので、テストドライバーの感性を設計にフィードバックしやすくしています。
運転席だけでなく助手席や後部座席など、2座席以上へのカスタマイズも可能で、カーナビや各種スイッチ類の連接もできます。
これによって、視認性や操作性の評価に活用することが可能です。
さらに開発中のシートを設置することもでき、乗心地や長時間走行時の疲労度などの確認にも活用できます。
まとめ
VRドライビングシミュレーター「T3R」を開発するアイロックと車両開発のAZAPAエンジニアリングが今回業務提携し、車両開発向けの「T3R」が誕生しました。
このシミュレーターはカスタマイズも可能で、従来の路面状況などの再現だけでなく、開発各社の評価項目や制御方法まで細かくシミュレートすることができます。
わざわざ実車を用意してテストする必要もなく、機器に設定をするだけということは、開発コストを抑えることも可能になりますね。
さらにドライバー視点などで直接体感できるのも、VRならではの強みであると言えるでしょう。

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