VR Inside

VRの未来を創るビジネスメディア

正面を向いたままバーチャルに方向転回できるVR歩行システム「Strider VR」のデモ動画公開 - VR Inside

正面を向いたままバーチャルに方向転回できるVR歩行システム「Strider VR」のデモ動画公開

        2017/08/31

海外メディアRoad to VRは、VR歩行システム「Strider VR」を紹介した。

正面を向いたままでも曲がったと感じられる「Strider VR」

周知のように、VIVEOculus Riftはルームスケールと呼ばれるトラッキング・センサーがユーザーを検知できる範囲においてのみ、ユーザーの挙動をトラッキングできる。ルームスケールから外に出るような動作は無効となるのだ。それゆえ、「走る」ような動作はトラッキングされない。

ルームスケールの外に出ないで、ユーザーに「走る」ような大きな移動をバーチャルに体験してもらうために考案されたのがVR歩行システムである。このシステムはすでに複数存在するのだが、ベルトコンベヤーのような機構が実装された台のうえにユーザーが立つという仕組みが共通している。ユーザーの歩行動作をベルトコンベヤー状機構が相殺して、台から動くことなく移動をバーチャル体験できるというわけだ。

そうしたVR歩行システムに、またひとつ新しいデバイスが加わった。それがドイツのPathbenders社が開発した「Strider VR」だ。同システムのいちばんの特徴は、ユーザーが正面を向いたまま方向転回できるところだ。以下のデモ動画を見ると、その特徴がわかる。

ユーザーのリアルなカラダの向きを変えずに、バーチャルな方向転回が実現する秘密はユーザーが立つ台にある。この台がセンサーで検知されたユーザーの方向転回を相殺するように回転することによって、リアルなカラダの向きを変えずにバーチャルな方向転回を体験させているのだ。

もっとも、同システムは製品版ではなく開発中のものであり、機能に制限がある。具体的には、急な方向転回や早いペースの歩行には対応できていない。また、デモ動画を見るとわかるように、バーチャルな足が頻繁に震えてしまうという問題も抱えている。

そうは言っても、同システムはVIVEOculus Riftに対応しているうえ、Leap Motionを実装することによりハンドジェスチャー・トラッキングも実現しており、完全なフルボディ・トラッキングを志向していることがうかがえる。

以上のようにまだ不完全ではあるが、同システムの製品版には期待がもてるのではなかろうか。

VR歩行システムの様々な試み

VR歩行システムは、すでにいつくかのデバイスが発表されており、本メディアでも紹介してきた。

Virtuix Omni

VR歩行システムで最も有名なのは、「Virtuix Omni」だ。同デバイスは、ベルトコンベヤー状機構を採用した代表的な商品であると同時に完成度も群を抜いている。

同デバイスはかつてクラウドファンディングサイトKickstarterで開発資金を集めており、100万ドル(1.1億円)以上の支援を受けることに成功していた。

デモ動画を見るとわかるように、同デバイスは家庭に設置するにはあまりにも大きいので、VRアーケードへの導入が想定されている。こうした事情から、すでに同デバイスに対応したVRゲーム「Omni Arena」も開発されている。

本メディア2017年6月13日付の記事では、株式会社スホ(代表:田 昌錫)は歩行型VRデバイス「Virtuix Omni」を7月から販売開始したことを報じた。

同社が公開している同デバイスの販売ページには価格を掲載されていないので、購入を検討する場合は同ページから問い合わせることになる。

KAT Walk

KAT Walkは、同デバイスのうえに乗ったユーザの各種動作をVR空間のキャラクターに反映させるためのデバイスだ。ユーザ一人分のスペースしかないが、360度自由に動けるトレッドミルとして歩いたり、走ったり、ジャンプしたりといった動きを入力できる。

デモ用の画像・映像に登場している人物が特殊部隊の格好をしていることからも分かるように、FPSのようなゲームでの利用を想定してデザインされている。

同デバイスは、Virtuix Omniのようにユーザーのカラダを囲む枠がない代わりに、上部からカラダを固定するハーネス(拘束具)を採用しており、Strider VRに似ている。

同デバイスの公式サイトを閲覧すると、各種アクセサリーの価格は明記されているが、デバイス本体の価格は掲載されていない。購入を検討する場合は、同社の販売窓口に問い合わせる必要があるだろう。

以上のようなVR歩行システムは、その構造からして家庭用ではなく明らかに業務用、もっと言えばVRアーケードでの利用を想定したものだ。VRアーケードが普及しつつある現在、近い将来VR歩行システムを活用したVRアーケードゲームが流行するかも知れない。

Strider VR公式サイト
//www.stridervr.com/

VR歩行システム「Strider VR」を紹介したRoad to VRの記事
//www.roadtovr.com/strider-vr-intriguing-new-omnidirectional-treadmill-solution/

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

TwitterでVRInsideをフォローしよう!

吉本幸記

Writer: 千葉県在住のフリーライター。ITエンジニアとしてスマホアプリの開発等に携わった後、 フリーライターとして独立。VRをはじめとした最新テクノロジーがもつ社会変革の可能 性に注目している。 //resume21century.blog.fc2.com