カリフォルニア州の図書館では無料でVRを体験できる | VR Inside

VR Inside

VR/AR/MRの未来を創るビジネスニュースメディア

カリフォルニア州の図書館では無料でVRを体験できる

2017/06/08 12:23

カリフォルニア州の図書館にOculus Riftを設置するプロジェクトがスタートする。「VRを誰でも利用できるものにする」ことが大きな目標だ。まずは一部の図書館に合計100台のRiftが設置され、さらに規模を拡大することを目指している。

図書館にOculus Riftを設置する

自宅用にVRヘッドセットを購入することなくVRを体験できる場所と言えば、VRアーケードやテーマパークだ。入場料や利用料は必要だが、ヘッドセットを購入するよりは気軽にVRを体験することができる。

あるいはイベント会場や量販店の店頭で行われるデモを利用する方法も考えられる。体験できる時間は短いものの、無料で利用できるのがポイントだ。イベントであれば、製作中の最新コンテンツを体験できることもある。

カリフォルニア州では、これらに加えて図書館でOculus Riftを体験できるようになる。もちろん利用は無料だ。

図書館にVRヘッドセット

図書館にVRを

図書館にOculus Riftが設置されるといっても、本のように貸し出しが行われるわけではない。カードを持っていて図書館を利用する人なら誰でも、館内でVRを体験することができるようになる。

提供されるもの

まだ試験段階のプログラムではあるが、今後3ヶ月でまず100台のRiftが設置される予定となっている。対象はカリフォルニア州にある90の図書館だ。

対象となる図書館にはOculus RiftとTouchのセットが設置されるので、施設の利用者は自分の手を使ってVR空間のオブジェクトを操作する感覚を楽しめる。地球上の様々な場所をVRで訪れることのできるGoogle Earth VR、太陽系の惑星に近づいて調べることができるTitans  of Spaceのような教育に役立つコンテンツや、Oculus Story Studioが制作した映像コンテンツなどが利用可能になる予定だ。

Titans of Spaceの開発者Drashは、

「このアプリを教育の場で利用できるようにすることは、私の目標の一つでした」

と語っている。

図書館側の仕事

本と違って、VRヘッドセットは置いておくだけで使えるものではない。ヘッドセットの管理や利用者の支援は、個々の図書館で行われる。また、このプログラムでOculus Riftを利用できるのは13歳以上に限られるので利用者の管理もしなくてはならない。

ほとんどの図書館には、1台のOculus Riftが設置される。利用できるアプリは各図書館が選択し、アプリの提供者が同意したものになるので、図書館ごとに異なる。アプリの選択も図書館側が行うことになるようだ。

Oculusが得るデータ

Oculusは、図書館ごとにどのアプリがどれくらい利用されているのか、人気を調べることが可能だ。だが、Oculus教育プログラムのマネージャーであるCindy Ballによれば、個人が利用しているアプリのデータをOculusが収集するようなことはないという。

Riftで使用するアカウントは利用者ごとに独立しておらず、図書館単位で一つのアカウントを使用する。そのため、個人の使用履歴を追跡することは基本的には不可能だ。

図書館側で利用者の記録を付けていれば追跡が可能になるかもしれないが、あえてそうする理由はないだろう。

「VRを誰もが使えるものに」

拡大への期待

このプログラムで用意されるOculus Riftは100台と少なく、Riftが利用できるようになる図書館はカリフォルニア州に存在する図書館のうち1割にも満たない。しかし、最初の100台が上手くいけばさらに大きなプロジェクトへと成長する可能性がある。

「上手く進めば、最初の100台に対する反響が州の関心を高めるでしょう。そうなれば、さらにプロジェクトの規模が大きくなります。

この試験的なプロジェクトが成功すれば、図書館におけるVR機器の価値が利用者と図書館の職員に伝わるはずです」

図書館にVRデバイスを設置するという試み自体が斬新なだけに、最初の100台が与えるインパクトは大きいはずだ。もし成功すればカリフォルニア州の図書館ではVRデバイスが設置されているのが当たり前になるかもしれない。

もちろん、カリフォルニア州以外でも図書館にVRデバイスを取り入れようという動きが出てくるだろう。

プロジェクトの目標

プロジェクトのメインテーマの一つは、技術への公平なアクセスの支援だ。図書館では、本を通してあらゆる人に知識を提供する。そこに性別、人種、宗教、社会的地位といった要素は無関係だ。

最新デバイスに10万円以上の高額な投資をする余裕が無いからといって、VRを体験する機会を奪われるべきではない。

こうしたプロジェクトの先駆者として情報を集めることも目的だ。Ballは将来的に州や他の組織に働きかけ、より大規模なプロジェクトを行っていきたいと考えている。そのために、どういった仕組みや方法が有効なのかを知っておくことに価値がある。

最後に、教育的な意味も期待されている。学習に役立つコンテンツを豊富に提供することで、利用者はVRで楽しむだけでなく知識を増やすことができる。図書館の設備としてVRデバイスを設置することを考えると、これは当然期待される役割だ。

図書館には、家庭用のコンピュータがこれほど一般的になる前から蔵書検索のできるパソコンが設置され、インターネット環境も整備されていた。将来の図書館は単にVRを体験できる場所の一つであるというだけでなく、図書館の情報システムと結びつく専用のVRアプリケーションを利用できる場所にもなるかもしれない。

 

参照元サイト名:Upload VR
URL:https://uploadvr.com/oculus-equipping-california-libraries-rift-touch/

参照元サイト名:Oculus Blog
URL:https://www.oculus.com/blog/oculus-education-pilot-kicks-off-in-90-california-libraries/

ohiwa


ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。

最新ニュースを読む