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教育用途に最適化されたVeativeのVRヘッドセット

2017/07/03 14:24

VrativeのVRヘッドセット

VeativeのVRヘッドセットとリモコン

VRを教育のために活用しようと考える企業があり、VR映像で化学や歴史を学べるコンテンツも開発されている。だが、そうしたコンテンツを利用するためにはVRヘッドセットが必要になるのが難点だ。

家庭でVRデバイスとコンテンツを勉強に使うことはできるが、学校で採用するのは難しいだろう。

Gear VRやDaydream ViewはPCベースのヘッドセットに比べれば本体が安価だが、それでも各プラットフォームに対応したスマーフォンが必要になるので5万円から10万円程度のコストがかかる。

期待できるのはGoogle Cardboardだ。Cardboardプラットフォームならば安価なVR専用デバイスを作ることもできるため、学校でも利用できるかもしれない。

Veativeが発表したヘッドセットはCardboardに対応するオールインワンの製品だ。

教育に使われるVR

MergeVRのGoggles

MergeVRのGogglesも学校での採用を狙う

Veativeの他にも、学校にVRデバイスを採用してもらうことを狙っている企業はある。

MergeVR

その一つが、MergeVRだ。

MergeVRは教育へのVR利用を専門にする企業ではないが、同社のVRヘッドセットは高い強度のおかげで子供たちが使うにも適しているだろう。

スマートフォンを中に入れて使うタイプのデバイスだが、ゴーグルが頑丈な作りになっているため落下の衝撃からスマートフォンを守ってくれるという。

また、メンテナンスが容易で耐久性に優れていることもポイントだ。学校の備品として利用する場合、個人が所有するデバイスよりも耐久性が要求される場面が多いだろう。

本体の上部にはボタンが付いているため、インタラクティブなVRコンテンツの操作ができることも加点要素となる。リモコンは付属しないが、ボタンのおかげでVR映像だけでなく、操作が必要なコンテンツも教育に利用できる。

Timelooper

デバイスの普及を狙うMergeVRと異なり、Timelooperは過去の歴史を知るために作られたVRコンテンツだ。

このアプリでは360度映像で1940年のロンドン大空襲を体験することが可能だ。しかも、その映像は残された資料を元に出来る限り現実に近いものにされている。

単なるイメージ映像ではなく、爆弾が落ちた場所、登場人物の衣服、爆撃機のディテールに至るまでリアルに再現することを目指した。

学校での「勉強」に使われるようなコンテンツではないが、歴史をより身近に感じるためのツールとして有効なアイデアだ。

 

プログラミングや3DCGを学ぶきっかけとしてVRを使うこともできるが、ITとは関係のない分野を学ぶための道具としてもVRを取り入れる価値はあるだろう。

問題は、一般の学校で採用するにはVRデバイスが高価過ぎるという点だ。

自分が使う1台を購入するだけならばともかく、生徒が一度に利用できるように多くのデバイスを揃えるにはかなりのコストがかかってしまう。

Veative VR Learn

VRデバイスを使う子供たち

クラス全員分のVRデバイスを用意するのは難しい

VeativeのVR Learnは、その名の通り教育・学習用途への利用を想定してデザインされたVRヘッドセットだ。

手頃な価格

最大の特徴は、その価格の安さである。

オールインワンのデバイスにコントローラーが付いたモデル(スマートフォン不要)は250ドル(28,000円)だが、スマートフォンを使うゴーグルタイプならリモコン付きで20ドル(2,250円)だ。

比較的安価なMergeVR Gogglesでも60ドル(6,750円)であることを考えれば、その安さがよく分かるだろう。

250ドルのAndroid OSを搭載するモデルも、スマートフォン不要のオールインワンVRヘッドセットとしては破格だ。このデバイスと価格面で競えるのは、ある一つの用途に特化したVrotica(220ドル)くらいのものである。

充実のコンテンツ

デバイスだけがあっても、教育に使えるコンテンツがなければ意味がない。VR Learnでは、現時点で500以上のコンテンツを提供しているという。生物学、物理学、化学、そして数学といった科目の内容が含まれている。

2017年の中頃に700、末には1,100を目標にするとしており、現在もその数は増えているようだ。

コンテンツには、360度映像、VR空間でのバーチャルな実験、3Dモデルなどが利用されている。

管理の容易さ

教室では多くのデバイスを使うことになるため、その管理は教師や学校の負担になる。VR Learnでは教師が生徒用のデバイスを管理するためのアプリケーションを提供しているため、この負担を軽減することが可能だ。

教師は、生徒用の端末に直接触れなくてもアプリを追加・削除したり、起動したりすることができる。また、生徒が授業中にVRコンテンツに夢中になることがないように、一時的に機能を無効化することも可能だ。

コンテンツはオンラインストアから追加するだけでなくローカルに設定したアクセスポイントからのダウンロードも可能なので、生徒用端末から外部のネットワークに接続できないようにすることもできるだろう。

 

学校にVRを導入する上で最大の障壁となる価格の問題も改善が進んでおり、管理を容易にするためのアプリケーションも開発されている。

まだVRを教育に使う学校は少ないが、数年経てば導入例が増えてくるのかもしれない。

 

参照元サイト名:Veative
URL:http://www.veative.com/learn/public/

参照元サイト名:The Journal
URL:https://thejournal.com/articles/2017/06/29/veative-launches-educational-VR-headset-with-interactive-controller.aspx

ohiwa


ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。

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