VR Inside

VR/AR/MRの未来を創るビジネスニュースメディア

動画視聴者の「視界」を可視化!VR動画用ツールHeatmaps公開

2018/02/11 14:27

    YouTubeが公開した「Heatmaps」はVR動画の制作者を強力に支援するツールだ。

    1000回以上再生された360°動画を対象に、動画視聴者の「視界」を、つまり視聴者がどのようにして動画を見ているのか、その詳細を分かりやすくビジュアライズしてくれるのだ。

    Heatmapsを使うことで制作者は、視聴者が彼らの動画のどのエリアを見ているのか、それらのエリアをどのくらいの時間見ているのか、そして動画の中でどのパートが視聴者の注意を最も引くことが出来たのかを正確に知ることが出来るようになる。

    Heatmapsの機能

    YouTubeHeat_Feature
    Heatmapsを使うことで、動画上にはサーモグラフィーのように色分けされた分析情報が重ねて表示されるようになる。

    例えば動画内で青色で表示されている部分は、視聴者が低い注意しか向けていないエリアであることを示している。反対に暖色系統の色に近づくほど、つまり赤色に近づくほど、その部分には非常に高い注意が向けられていることになる、というわけだ。

    Heatmapsは再生している動画の進行に合わせて、リアルタイムで色分けの形を変化させ、調節していく。そのため動画制作者は、動画を再生させつつ、動画のどの部分が最も焦点を集めているのかを常に意識し続けたままでいられる。

    得られたデータを活用することで制作者は、どういったシーンが、またどういったエリアが注目を集めやすいのか自分で研究することが可能となるのだ。

    ほとんどの人は「90°」しか見ない!

    ところでYouTubeは、360°動画から入手したHeatmapsの分析データを基にして、ある研究を発表している。

    この分析は興味深い(けれどもある意味では妥当?)な結果を示しているので、ここでご紹介したい。

    それは視聴者が視聴時間の75%という長い時間を、たった正面90°範囲という限定的な範囲の視聴にのみ費やしているのだというものだ。

    この研究によれば、360°動画という「自由な」視聴がせっかく可能な状況であっても、視聴者はそれほど頻繁に頭を動かしたりはしないということになる。

    どうやら360°動画の視聴者にとっては、頭をわざわざ回転して動画を視聴しようと思えるほどのモチベーションはほとんど働かないようだ。

    人気の360°動画を作るためには?

    YouTubeHeat_1s
    とはいえこの結果は全ての動画に当てはまる「法則」のようなものではない。研究結果によれば有名な360°動画を視聴している場合には、視聴者はより広い空間を視聴するようになるのだという。

    事実、最も閲覧されている360°動画において、その20%近くは視聴者の背後で直接的に物事が進行する、といったような内容になっているのだ。

    ではこれらの人気動画は、一体どのようにして視聴者に対し「頭を動かす」インセンティブを与えることに成功しているのだろうか?

    YouTubeは、こうした人気の動画に共通する傾向として3つのポイントを取り上げている。

    動画内容のフォーカスは視聴者の真正面に合わせること

    360°動画が可能にした動画視聴の自由度の高さはもちろん素晴らしい。

    しかし残念ながら視聴者の大部分は、彼らの注意を正面で起きている出来事から逸らしたりはしないのだ。

    視聴者の注意を誘導すること

    視聴者に周囲を見渡すような理由を与える。動画を追いかけながら、首を回すのが視聴者にとって負担ではなくなるような設計をしなければならない。

    Heatmapsの提供する分析情報を元にすれば、こうした目的の動画デザインもやりやすくなるかもしれない。制作者が、視聴者の関心を本当に集めたい場所へと彼らを誘導するような工夫を可能とするからだ。

    他人は自分と異なる環境で動画を見るかもしれない、と心に留めておくこと

    当然のことだが、360°動画のYouTubeコンテンツは多様なプラットフォーム上で閲覧できる。視聴する側はプロ仕様のプラットフォームで視聴するかもしれないし、あるいは一般向けのプラットフォームで視聴するかもしれない。

    たとえばスマートフォンなどのモバイルデバイスは、かなり素早い起動を特徴としているデバイスだ。しかし一方でそうしたモバイルデバイスを活用するVR機器、例えばGoogle Cardboardは、操作可能となる前のセットアップに数秒間かかってしまう。

    つまりある特定のプラットフォームを利用する人間にとっては、VR動画を体験する前の段階で、本来の動画再生がおこなわれず、数秒間の空白の時間が生まれてしまうことになりかねないのだ。

    そのため制作者は視聴者にとって冒頭数秒が暗い画面のままになっている可能性にも配慮して、動画を作るほうが親切だろう。

    もちろんHeatmapsを使うことにより、ここで紹介した「心構え」をより具体的な手段として自身の動画へと効果的に実装する手がかりが入手出来るようになるはずだ。

    参照URL:

    VR scout
    https://vrscout.com/news/youtube-heatmaps-vr-360/


    VR・AR・MRからVTuberまでXRに関連した最新情報を配信します。

    最新ニュースを読む