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エンタープライズ向けスマートグラス「X1」、2017年末に出荷予定。独自のアプリストアも展開

米国のAR開発企業ThirdEye Genは、独自のスマートグラス「X1」の開発を行なっている。

同デバイスは今年8月5日の本メディアの記事でも取り上げているが、この時点ではデバイスのスペックに関して情報が発表されたのみだった。しかし今回ARメディアNext Realityにて、デバイスの詳細や、将来的な展開予定に関する新たな情報が発表された。

スマートグラス「X1」について

概要

ThirdEye GenはARハードウェア、ソフトウェア開発を行う企業で、エンタープライズとコンシューマー両方向けの製品、サービスの提供を行なっている。

「X1」は同社が開発するエンタープライズ向けのスマートグラスで、工場内や研究施設、警察などの様々な分野での使用を想定している。

スペック

「X1」は解像度1280 x 720の両眼ディスプレイを搭載し、ARオブジェクトをシースルー表示することができる。

視野角は40度とマイクロソフトのARデバイスHoloLensと同等で、AR表示されたオブジェクトから10フィート以上離れれば90インチのスクリーン表示と同等になるとのこと。調光レンズを採用しており、レンズは交換可能だ。

ネットワーク接続はBluetoothもしくはWi-Fiを用いて行い、13メガピクセルのHDセンサー付きカメラを搭載している。内蔵ストレージの容量は32GBで、microSDカードを差し込めるスロット、マイク端子1つとUSB Type-Cポートを搭載している。

独自のアプリストアも展開

また、ThirdEye Genは「X1」に対応した独自のアプリストアも展開する予定だ。

現在のところ、アプリストアにあるのは同社の開発者が趣味で開発したアプリのみとなっており、ユーザーの頭の動きで操作できる「AR迷路」アプリと、Third Eye Genの所在地であるニュージャージー州プリンストン周辺のバーやレストランに関する情報をAR表示するアプリが公開されている。

ThirdEye GenのCEOであるNick Cherukuri氏は以下のように述べている。

ThirdEye App StoreはAR開発を加速するものになります。我が社の「X1」スマートグラスはARとVRに切り替えることが可能で、これによって開発者がAR/VRアプリ開発で利益を得られるプラットフォームを構築したい。

独自デバイスとアプリストアで市場シェアを獲得できるか

エンタープライズ向けのARスマートグラスは現在複数のものが登場しており、先日はグーグルグラスがエンタープライズ向けにリニューアルし、またDAQRIのスマートヘルメットなどが挙げられる。

今後、エンタープライズ分野向けに数多くのスマートグラスが登場し、各メーカーがシェア獲得を巡って競争が展開される可能性がある。そのような状況において、独自デバイスとアプリを配信ストアを組み合わせたエコシステムを保有するThirdEye Genは、エンタープライズ向けスマートグラス市場においてシェアを獲得する可能性を秘めている。

また、ThirdEye Genはソフトウェア開発も進めており、現在2つのアプリを製作中とのこと。1つめはスポーツ、エンターテイメント分野に関するもので、最大で10のスクリーンをディスプレイ上に表示できるとのこと。2つめは、旅行先で歩いている間に地形に関する様々なコンテンツをAR表示するアプリを開発中とのことだ。

アンドロイドOSで動作、対応アプリを受付中

「X1」スマートグラスはAndroid OSで動作する。普及率の高いOSに対応することで、アプリ開発が容易になりそうだ。現在、ThirdEye Genは同デバイスで動作するアプリを募集しており、無料アプリ、有料アプリの両方を同社のアプリストアで配信することができる。

また、有料アプリで得られた収益の一部を開発者に還元するとのことで、ARスマートグラスに対応したアプリ開発を促進する取り組みを行なっている。

プレオーダー受付中、2017年中にリリース予定

「X1」は現在、同社のウェブサイトにてプレオーダーを受け付けており、価格は1,999ドル(約23万円)。2017年末までの出荷を予定している。

また、同社は「X1」の後継機となる「X2」の開発も進めており、2018年7月のリリースを予定しているとのことだ。

エンタープライズ分野で高まるスマートグラスの需要

AR市場は始まったばかりだ。コンシューマー市場ではARKit、ARCoreを中心としたモバイルARが普及しつつあり、エンタープライズ分野ではスマートグラスの活用が進められている。

エンタープライズ分野でのスマートグラスの需要は高まっており、上記に挙げたリニューアル版グーグルグラスは、GEやボーイングなども含む50以上の企業で活用が進められている。

従来の製造業や工場での作業、倉庫作業やデザインなどの現場作業にコスト削減やプロセスの簡易化をもたらすスマートグラスは、今後様々な分野においてニーズの高まりを期待できる。

参照元:Next Reality ThirdEye Aims for Crowded Enterprise Market with X1 Smart Glasses & App Store


フリーランスの翻訳ライター。XR、VTuber、人工知能を専門に各種メディアに寄稿しています。 Twitter: https://twitter.com/dsiwmr

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