VR Inside

VRの未来を創るビジネスメディア

超音波で触覚フィードバックを発生させるUltrahapticsが26億円を獲得 - VR Inside

超音波で触覚フィードバックを発生させるUltrahapticsが26億円を獲得

     

Ultrahapticsトップページより

Ultrahapticsの技術は、空中でバーチャルオブジェクトに触れることを可能にする

スーツや手袋のようなデバイスを使えば、温度やオブジェクトの重さまでも再現できる時代が近づいている。だが、そういったデバイスを身につけるのは面倒だ。

また、その世界に入り込むVRゲームならばともかく、ARへの応用も考えると「リアルで動きにくくなる」のはマイナスとなる。AR用途を中心に考えた小型のハプティックデバイスも研究が進められている

そんな背景の中、超音波でバーチャルなオブジェクトに触れた感覚を作り出すことに取り組んでいる企業もある。Ultrahapticsがそれだ。

Ultrahapticsは今回、26億円規模の資金を獲得したことを発表した。

VRとハプティックデバイス

Nullspace-VR-Hardlight-Suit_1-1024x683

次のVR関連デバイス

シンプルなVRヘッドセットとコントローラーに続くVR関連デバイスとして、ハンドトラッキングコントローラーはすっかり一般的な存在になった。

主要なVRプラットフォームはいずれも、ハンドトラッキングコントローラーやトラッキング可能なリモコンを採用している。

HTC Viveは発売時からHTCワンドを同梱しており、Oculusは昨年の末にOculus Touchを発売した。Daydream Viewにはリモコンが付属しており、サムスンも2017年の新型Gear VRにはDaydream Viewのものと似たリモコンを採用している。

そんな中で、次なるVR関連デバイスとして注目を集めているのがハプティックデバイスだ。手を覆うような手袋型や、上半身に被るスーツタイプ、全身をカバーできる外骨格型など様々だが、いずれもバーチャルなオブジェクトに触る感覚を再現するための工夫から生まれている。

ハプティックデバイスの役割

初期に登場したハプティックデバイスは、バイブレーターを内蔵したベストのようなものが多かった。Hardlight VRのようなデバイスは、振動によってVR空間の状況をプレイヤーにフィードバックする機能を持つ。

Hardlight VRの場合は胸、背中、肩に当たる部分に合計16個ものバイブレーターが組み込まれている。それぞれを個別に制御されることで、その場面に最適な刺激が作り出されるだろう。

より未来的な機能が追加されたものだと、VRgluvが挙げられる。既に目標金額を達成し、現在もKickstarterで資金を集めているVRgluvは、VRオブジェクトの硬さ・柔らかさまでも感じられるグローブ型のデバイスだ。

手指の動きや力の入れ方をトラッキングするデバイスであると同時に、本体に内蔵されたモーターによってVRオブジェクトの形や硬度を手に伝える役割も持っている。まさにVRに「触れられる」デバイスと言えるだろう。

現在のVR業界では手指のトラッキング技術や手袋・グローブ型のハプティックデバイスを開発している企業が多数ある。VRgluvの他にも、比較的小型化の進んでいるMaestro gloveや、熱感までも作り出すAxonVRの触覚再現システムHaptXなどが挙げられる。

こうしたデバイスはVRへの没入感を高め、ユーザとVR空間のアバター・キャラクターの距離をさらに縮めてくれる重要な存在だ。ハプティックフィードバックは、VR関連で今注目の技術の一つである。

Ultrahapticsの技術

触れずに触れられる

現在開発が進められている多数のハプティックデバイスが共通して抱える欠点が、その不便さだ。多くのデバイスは、VR空間での圧力を再現するためにモーターやバイブレーターを使ってユーザを刺激する。

そのためには、該当する箇所を覆うような構造を取る必要がある。手だけならばグローブ、上半身ならばベスト、全身ならばスーツといった形になり、本体が大きく・重くなってしまうのが欠点だ。

また、装着した状態では身体を動かしにくいのも欠点だ。グローブ型のデバイスをはめた状態では、細かな手作業をすることはできないだろう。

一方で、Ultrahapticsの技術は超音波を使用する。空中に伸ばしたユーザの手を超音波で感知し、あるいはユーザの手に超音波を当てて刺激するので、手を覆うようなデバイスは不要だ。

この特徴のおかげで、自動車の運転中や料理中であっても容易に同社のシステムを使用することができる。直接触れずに操作できるので、手が汚れていても扱えるのだ。

VR/ARへの進出

Ultrahapticsはこれまで、クッキングヒーターやカーオーディオのような製品での利用を想定して技術を開発してきた。Ultrahapticsの技術ならばフィードバックがあることで正確な操作が可能となり、直接触れないので衛生的なこともメリットだ。

26億円の大きな投資を受けて、世界的な事業への規模拡大とともにVR/AR事業への参入も計画されている。これまでにもUltrahapticsを支援してきたIP GroupやWoodford Investmentは、今回も投資を行っている。加えて、世界の市場に影響力を拡大しつつあるDolby Family Venturesも新たに支援に加わった。

直接VRやARとの関係が取り上げられることが少なかったUltrahapticsだが、その技術はタッチ操作に対応したアプリケーションだけでなくVRの操作方法としても有効だ。今後はVR産業でも同社の技術を取り入れた製品が作られるようになるかもしれない。

特別なデバイスを装着せずにハプティックフィードバックが得られるという特徴は他の技術にないものであり、想像に過ぎなかった未来のインターフェイスを実現する基礎となりそうだ。

 

参照元サイト名:Upload VR
URL:https://uploadvr.com/ultrahaptics-23-million-funding-round-spur-movement-vr-ar/

参照元サイト名:Ultrahaptics
URL:https://www.ultrahaptics.com/investment/?utm_source=twitter&utm_medium=social&utm_campaign=investment-announcement_April

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

TwitterでVRInsideをフォローしよう!

ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。