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HTCの『Arcade Saga』がPSVRへの対応を目指す

2017/04/07 11:03

    Arcade Saga

    HTCはVRコンテンツがプラットフォームに囚われるべきではないと考えている。その考えを示す例の一つとして、HTCグループ内部のデベロップメント&パブリッシングチームであるVive Studiosの『Arcade Saga』をPSVRに対応させるかもしれない。

    Arcade SagaはHTC Vive用に発売されたSF感のあるスポーツアクションゲームだが、Oculus Riftに対応している。さらに、Touchの正式サポートも行われた。これと同様に、Arcade SagaをPSVRにも対応させようと考えているようだ。

    HTCはコンテンツを独占しない

    HTCのプレゼン

    HTCが子会社としてVive Studiosを立ち上げることを発表したのは昨年のことだ。Vive Studiosにとって最初のタイトルがArcade Sagaである。

    このVive Studiosの設立は、ライバルであるOculusの子会社Oculus Studiosに対抗するものと考えられる。だが、Vive Studiosは純粋に「ViveにおけるOculus Studios」を目指しているわけではない。

    Oculus Studiosよりも幅広く、ゲーム以外の分野でもアプリケーションを開発・販売していくのがVive Studiosのやり方だ。コンテンツの独占に対する考え方も、Oculus Studiosのそれとは異なる。

    Vive Studiosは、ユーザが遊びたくなるコンテンツを独占することでViveのユーザを増やそうとは考えていない。その代わりに、優れたコンテンツをプラットフォームの垣根を超えて展開してVRそのものを普及させようとしている。

    この声明がどこまで本心なのかは不明だが、彼らはVive Studiosから初めてリリースされたタイトルであるArcade SagaをすぐにOculus Riftに対応させている。Oculus Studioのやり方とは違うことは事実のようだ。

    Oculusの独占への批判

    Robo Recallイメージ

    HTCのコンテンツ部門で代表を務めるJoel Bretonは、先月にもOculusの戦略を批判している。自社のプラットフォームで独占的にタイトルを提供する見返りとして開発資金を提供する戦略には、問題があるという。

    問題の一つは、VR業界そのものの発展を阻害する可能性だ。プラットフォームそれぞれが人気タイトルを独占していれば、消費者はどのヘッドセットを購入するか迷ってしまう。最終的にVRヘッドセットの購入をやめてしまうかもしれない。

    もう一つは、ゲームスタジオの弱体化だ。スタジオがOculusからの投資をアテにした結果、開発能力を失っていく可能性もあるという。

    Oculusから資金提供を受けて独占タイトルを開発するゲームスタジオは、いずれ苦戦するようになるでしょう。

    なぜなら、そんなゲームスタジオは、身の丈にあったゲームを開発できなくなるからです。

    独占が強いプラットフォームはPSVR?

    先の発言でBretonはOculus Studiosが資金提供を行ってタイトルを独占する戦略を取っていることを批判していたが、何もOculusだけが独占タイトルでユーザにアピールしているわけではない。これはソニーも同じである。むしろソニーの方が多くの独占的タイトルをPSVRで販売している。

    これはコンソール機をベースにしているというハードウェア的な都合もあるかもしれない。PCベースのVRヘッドセットであるViveやRiftにはインディーズタイトルが数多く存在する。小粒なインディーズタイトルのデベロッパーは、メーカーからの資金提供とは無縁で複数のプラットフォームに対応していることが多い。

    PSVRには、PlayStationで製品を販売してきたデベロッパーの開発したタイトルが多くなっている。版権作品も多く、権利問題がマルチプラットフォーム対応を難しくしているという面はありそうだ。

    だが、PSVRと他プラットフォームで共通してプレイできるタイトルも出てきている。Arcade Sagaもその一つになるだろう。

    Bretonによれば、HTCは既にArcade SagaのPSVR対応についてソニーに話しているという。ソニーはそれを認めているようなので、近いうちにPSVRでもHTCが直接関わったこのタイトルをプレイできるようになるはずだ。

    『Batman: Arkham VR』は人気のアメコミヒーローが登場するPSVR専用のタイトルだが、今月ViveとRiftにも対応することが発表されている。各社ともオープンプラットフォームに賛同していることもあり、今後もこの流れは続いていくと思われる。

    プラットフォーム間の垣根が低くなって遊べるタイトルが増えるのは、ユーザにとって大きなメリットだ。もちろんメーカー各社にとっても、VR産業そのものの拡大に繋がる重要なポイントである。

     

    参照元サイト名:Road to VR
    URL:http://www.roadtovr.com/htc-vive-studios-arcade-saga-playstation-vr-psvr/

    ohiwa


    ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。

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