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Oculus RiftをめぐるFacebookとZeniMaxの裁判に新たな動き

2017/04/13 18:44

FacebookとOculusがZeniMaxに訴えられ、5億ドルの賠償金を支払うように命じられた。この判決に対し、Oculusが「確かな証拠に基づいていない」「賠償額が大きすぎる」「陪審員が誘導された」などの理由で異議申し立てを行った。今のところZeniMax側の動きは見えてこないが、この裁判は長引きそうだ。

不満なOculusさん

FacebookとOculusがZeniMaxの知的財産権を侵害しているとして訴えられた裁判から、二ヶ月が経った。その判決はOculusがZeniMaxの権利を侵害したことを認めるもので、FacebookはZeniMaxに対して5億ドルという巨額の賠償金を支払うことになってしまった。

OculusのCTO、John Carmackはこの内容が不適切で専門性を欠く、その上隠蔽された調査結果に基いており、誤りだと主張している。また、Carmack個人は別件でZeniMaxに対して2,250万ドルの支払いを求める訴訟を起こしている。

Facebookは別の企業からも訴えられているのだが、これはVRを巡る権利問題の難しさを示しているものと言えるだろう。

UploadVRで、この問題の続報が伝えられた。FacebookとOculusに絡む一連の訴訟の発端となったZeniMaxとの直接対決は、第二ラウンドにもつれ込むようだ。

Oculusの異議申し立て

Oculusマーク

先の判決が出た直後から不服としていたOculusは、先週の金曜日になって正式に異議申し立てを行った。UploadVRでは新しく裁判を求めるOculusの訴えをPDFで公開している。

Oculusはこの文書の中で、以下の点が問題だとしている。

判決が証拠に反するものであること

当然ながら、裁判では証拠が重要だ。だが、コンピュータソフトウェアのソースコードを盗まれたこと(あるいは盗んでいないこと)を証明するのは難しい。

Carmackは、ソースコードを盗んだという専門家の調査結果が誤りだと主張している。もし彼の主張が事実ならば、不確かで誤った証拠に基いて判決が下されたことになる。

損害賠償額が大きすぎること

この裁判では、Oculus側に対して5億ドル(545億円)という規模の支払いが命じられている。これが大きすぎるというのが一点。

もっとも、これでもZeniMaxが当初求めていた賠償額よりは減額されている。ZeniMaxは20億ドルという、FacebookがOculusの買収に投じたと言われていた金額(後に30億ドルに近かったと判明した)と同規模の賠償金を求めていたのだ。

陪審員が影響されたこと

情報工学に関わる人間ではない普通の陪審員にとって、この裁判の内容は理解しにくいもののはずだ。当然、彼らは専門家として調査・証言を行った人々を信じることしかできないだろう。

Oculusによれば、彼らを誤った方向に導く証言や推定有罪な指導が陪審員による判決に悪い影響を与えたという。Carmackが嘆いていたように、専門家による調査の結果は公開されなかった。このため、調査を担当した人々の個人的な考えが陪審員に影響を与えた可能性は否定できない。

この点に関しては、調査の方法や結果を誰もが見られる形で公表すれば変わってくるのではないだろうか。結果が明らかになれば、公平な証言が行われているかを判断できるはずだ。

判決の行方

John CarmackはOculusとともに訴えられた

FacebookとZeniMaxのOculusを巡る争いについては、まだどちらが勝つのか分からないというのが正直なところである。この裁判については調査結果が公表されていないため、直接関わっている当事者でなければどちらが有利な状況なのかも分からない。

一度はZeniMaxの訴えが認められているが、判決の根拠となった「専門家による調査」の信頼性が揺らげば全く逆の結果になってもおかしくない。この部分が公表されないことには、どのような結果になっても納得できない陣営が出てきそうだ。

ソースコードの盗用についてはなんとも言えないが、Carmackが社員としてZeniMaxに居た時代があることは事実だ。彼がハードディスク内のデータを故意に消去した記録なども証拠として上げられているようなので、このあたりが真実なのかどうかが重要になるかもしれない。

もし削除が事実ならば、疑いが濃くなるのは避けられない。しかし、もしも事実では無ければ一気にZeniMaxの主張が怪しくなってくる。

ZeniMaxがFacebookの動きをどのように考えているかも不明なので、妥協点を見つけるのも難しそうだ。賠償金額からも、企業のイメージからもお互いに引けない状況ではないだろうか。

適当な落とし所が無い以上、この対決はまだしばらく続くとみられる。Palmer Luckeyは先日Oculusを退社したが、彼も再び法廷で証言することになるだろう。

ZeniMaxがRiftの販売停止を求めるようなことになれば一般のVRファンへの影響も大きくなるが、今のところそうした動きは出ていないようだ。

複数の訴訟を抱えているFacebookとOculusは、上手くこの難局を乗り切れるのだろうか?

 

参照元サイト名:UploadVR
URL:https://uploadvr.com/oculus-motions-new-trial-500-million-zenimax-case/

ohiwa


ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。

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