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VRとAR両方に対応?軽量で低価格のVR/ARヘッドセット「Qian」が登場!

先日、米国にて家電見本市のCES 2019が開催されましたが、同イベントではHTCが新たに「Vive Pro Eye」や「Vive Cosmos」を発表するなど、年明けからVR業界に新風を吹き込みました。

そしてVRだけでなく、ARデバイスも多数出展が行われ、その内の一つ「Qian」は、VR/AR両方に対応したワイヤレスの機器として画期的になりそうです。


VR/AR両方に対応!軽量ワイヤレスARデバイス「Qian」が登場

Qianの開発元は中国に拠点を置くRealmaxという企業ですが、デバイス開発には元マイクロソフトの役員も携わっているとのことです。

軽量かつワイヤレスで動作するQianは、従来のARデバイスと比べても広視野角のディスプレイを備えており、また価格も10万円以下であるなど、実用的なデバイスと言えます。

「クリアで鮮明な映像を表示可能」

現行のARデバイスの難点に「視野角が狭い」ことが挙げられます。

HoloLensやMagic Leap Oneは両方とも視野角が40度前後と狭いため、オブジェクトに近づき過ぎると端っこが途切れて表示されてしまいます。

ですが、Qianの視野角は100.8度と上記2つのデバイスの倍以上であり、これはHTC ViveやOculus RiftなどのVRデバイスとほぼ同じです。(両者とも視野角は110度)

また、RealmaxによるとQianは「VRモード」に対応しているとのことです。つまり、特定の操作をすれば視界をシャットアウトして、VR環境に没入できるということになります。

このVRモードに関して詳細は不明ですが、CESにてQianの実機デモを体験した海外VRメディア・UploadVRの記者によると、

(QianでAR表示できる映像は)明るくて、カラーも鮮明で、ディテールまでハッキリと表示できる。

と述べており、ディスプレイ技術は従来のARデバイスと比べても遜色ないレベルのようです。

複数のユーザーでの共同作業も可能

また、Qianは9軸のIMUセンサーを内蔵しており、6DoF(6自由度方向)での位置トラッキングが可能です。

CESの会場では、AR表示された車の3Dモデルを様々な角度から眺めるデモが展示されましたが、複数のユーザーがQianを装着してワイヤレス回線で接続して、同じ3Dモデルを共有することができました。

複数人で同じARオブジェクトを共有

QianはSnapdragon 835のSoC(※)を搭載しており、解像度1080pの映像を表示できます。これによって、デザインや建築などで複数のユーザーが設計図などの3Dモデルを高精細な映像で共有して、共同作業を行うことができます。

(※)SoC:System on Chip。スマートフォンなどの家電でCPUの役割を果たすチップ。



ジェスチャーでの操作が可能に?

また、デバイスの前面にはUSBポートが設置されているため、これを使用してモーショントラッカーのLeap Motionを接続すれば、コントローラーを使用せずにハンズフリーで手の動きをトラッキングできます。

そうすれば、HoloLensのようなコントローラーを使わないジェスチャー操作が可能になり、もしくはOculus Goのような単一のコントローラーを使用して操作することも可能です。

Qianは外部機器を必要としないワイヤレスのデバイスであるため、Magic Leap Oneのように外部接続のコンピューターをポケットに入れておく必要もなく、手軽に操作できるのもメリットですね。

価格は10万円以下

気になるのは価格ですが、RealmaxによるとQianは10万円以下で販売するとのことです。

既存のARデバイスは価格が高いことが難点で、HoloLensなら30万円以上、Magic Leap Oneは約25万円(日本では未発売)であり、一般消費者では中々手が届きません。

ですが、Qianのようにデバイスの低価格化が進んでいけば、一般層にもARデバイスの普及が進みやすくなります。ですが、Realmaxはおもに教育や製薬、リテールなどのエンタープライズ向けへの提供を予定しているとのことです。

VRとは異なり、ARはまだアプリの数が少なく、またOSも統一されていないため、エンタープライズ方面での普及のほうが先に進んでいきそうです。

2019年は「AR元年」となるか?

Realmaxによると、Qianは既に最初のパイロット生産を完了したとのことで、今後は予想されるニーズに応じて出来るだけ多くのユニットを生産していく予定とのことです。

CES 2019ではQianの他にも様々なメーカーがARデバイスを出展しており、NrealやDigiLensなどの企業がスマートグラスを出展しています。

また、マイクロソフトは現行のHoloLensの販売を停止しており、次世代版となるHoloLensが2019年初旬に発表されるのでは、という予測があります。

2019年には様々なメーカーによってARデバイスやスマートグラスが発売されるかもしれません。2019年はAR市場の動向に要注目ですね。

まとめ

CES 2019にて、中国メーカーのRealmaxがARデバイス「Qian」を出展しました。

これは従来のARデバイスよりも広視野角のディスプレイを備えていて、複数のユーザーでAR表示されたオブジェクトを共有して共同作業を行うこともできます。

また、Qianは「VRモード」にも対応しているとのことで、つまりVR/AR両方が表示可能な画期的なデバイスであると言えます。

既に生産準備に入っているとのことで、価格が10万円以下というARデバイスにしては低価格であることから、様々な分野で採用されるかもしれません。

参考サイト:UploadVR









Daisuke


フリーランスの翻訳ライター。XR、VTuber、人工知能を専門に各種メディアに寄稿しています。 Twitter: https://twitter.com/dsiwmr

 

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