VR Inside

VR/AR/MRの未来を創るビジネスニュースメディア

超高解像度の映像を表示する「VR-1」がエンタープライズ向けに登場!

VR技術の進化によって、より高解像度の映像を表示できるVRヘッドセットの開発が進んでいます。

先日登場した「VR-1」は、人間の視覚レベルの「超高解像度」の映像が表示可能なデバイスです。

日本では未発売ですが、エンタープライズ(企業)向けのデバイスとして発売されています。


超高解像度の映像を表示できるVRヘッドセット「VR-1」とは?

VR-1を開発したのはフィンランドのVarjoという企業で、同社は超高解像度のVRヘッドセットを開発していることで以前から注目されていました。

市販のVRヘッドセットに比べて20倍もの解像度を持つVR-1は、主に建築やシミュレーションなどの産業分野での活用を想定しています。

人間の視覚にフィットした映像表示

VR-1はPC接続して使用するタイプのデバイスですが、超高解像度の映像を表示するとなると、かなりハイスペックなGPUが必要になると思うかもしれません。

ですが、VR-1は市販のVR-ReadyのPCでも動作可能とのことで、そのカギとなるのが「フォービエイテッド・レンダリング」という技術です。

フォービエイテッド・レンダリングとは

VRディスプレイ用に開発されたこの技術は、PCに出来るだけ負荷をかけずに人間の視覚にフィットした高解像度の映像表示を目的にしています。

具体的には、デバイスがユーザーの視線を追跡して、視線が当たっている部分だけにクッキリとした映像を表示して、視線が当たっていない部分には解像度の低い映像を表示します。

人間の視覚は、焦点が当たっている部分だけがハッキリ見えて、それ以外の部分はぼやけて見えますが、これと同じ見え方をVRで再現します。

フォービエイテッド・レンダリングによって高精細な映像を描画する部分を抑えられるため、PCVR機器に比べてスペックの低い一体型VRデバイスでも活用できる技術として注目されています。

2種類のレンズで異なる解像度の映像を表示

VR-1のディスプレイは大小2種類のレンズによって構成されており、小さい方のディスプレイは「Focal Display」という名称です。

これは視野角が20度と極めて小型のディスプレイですが、表示できる映像は60PPD、つまり視野角1度につき60ピクセル密度もの映像を表示します。

Varjoによると、このFocal Displayで表示できる映像は、一般的なVRデバイスに比べて解像度が20倍も高く、同社はVR-1とHTC Vive Proの映像の比較画像を載せています。

左がVive Pro、右がVR-1ですが、映像の細かさにおいて圧倒的な差があります。

視野角は狭め、解像度の平均値は高い

一方の大きい方のディスプレイ部分は「Context Display」という名称で、この部分には解像度の若干低い映像を表示します。

と言っても、Context Displayの解像度は1,440 x 1,600とHTC Vive Proと同じなので、やはり平均的な解像度は高いと言えるでしょう。

ですが、Context Displayの視野角は87度と、平均的なVRデバイスに比べて狭いのが特徴です(HTC Viveは110度)。

両方のディスプレイともOLED(有機EL)を採用しており、大きい方のディスプレイはリフレッシュレート60Hz、小さい方は90Hzでの描画が可能とのことです。



将来的にはMR(複合現実)デバイスに

VR-1には「20/20」という独自のアイトラッキングシステムを採用しており、これによってユーザーの視線を追跡、同社によると視線追跡の精度は「比類ないほど高精度」とのことです。

また、デバイスのトラッキングはSteamVR 2.0に対応しており、付属のケーブル(10メートル)によってUSB-C経由でPCに接続します。

重量はデバイスのみで605グラム、ストラップなどを併せると905グラムと、市販のVRヘッドセットよりも若干重めです。(HTC Viveは555グラム)

また、複数の3Dエンジンに対応しており、Unreal EngineやUnity、Autodesk VRED、PREPAR3D、ZeroLight、またCBS Blue IGなどのエンジンに対応しています。

将来的にはVR-1にAR機能を追加して、VR↔AR↔リアルをシームレスに結びつける本格的なMR(複合現実)を可能にするアドオンも発表されており、2019年後半のリリースを予定しています。

画像クリックで動画表示

価格は約70万円!日本では未発売

このような高性能なVRヘッドセットであるだけに、価格は6,000ドル(約66万円)と高価格で、またライセンス料1,000ドル(約11万円)が追加で発生します。

現在のところ世界34ヵ国で発売しており、販売地域は北米やヨーロッパ、香港などが対象ですが、現時点では日本では未発売となっています。

また、VR-1はエンタープライズ分野での使用に特化したデバイスとのことで、おもにデザインやトレーニング、シミュレーション、建築、エンジニアリングなどの分野での活用を想定しているとのことです。

まとめ

超高解像度の映像を表示できる「VR-1」というデバイスが登場しました。

これは現行のVRヘッドセットに比べて20倍もの超高解像度映像を表示できるデバイスで、おもに産業分野での活用を想定しています。

人間の視覚レベルの映像を表示可能ですが、デバイスに出来るだけ負荷をかけず、かつ人間の視覚にとって自然な映像表示ができる画期的な技術を採用しています。

日本では未発売ですが、VRヘッドセットの高解像度化はこれからより一般的になっていくと考えられます。

参考サイト:Road to VR









Daisuke


フリーランスの翻訳ライター。XR、VTuber、人工知能を専門に各種メディアに寄稿しています。 Twitter: https://twitter.com/dsiwmr

最新ニュースを読む