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Snapchat、モバイルARでアート鑑賞するイベントを開催予定

2017/10/06 15:55

様々な活用方法が見出されているモバイルARは、アート分野においてもメリットをもたらす可能性を秘めている。写真共有SNSのSnapchatが、ARを用いてアート作品を鑑賞できる「ARギャラリー」を開発した。

アート作品はSnapchatアプリを通して閲覧することが可能だ。ユーザーはスマートフォンのカメラを通して、ポップアーティストのJeff Koons氏の作品を実物大で鑑賞できる。

概要

Snapchatと彫刻アーティストJeff Koons氏とのコラボ企画

Jeff Koons氏は米国の彫刻アーティストであり、バルーンの形状を用いた彫刻を制作する。同氏の作品は一見するとバルーンを組み合わせて構築した動物のオブジェに見えるが、実はステンレスを用いた作品だ。

Koons氏の作品は魅力的だが個性が強く、ミュージアムなどの施設で他のアーティストの作品と一緒に展示することが難しいという問題があった。しかしSnapchatと提携することによって、ARを用いて同氏の作品を複数の場所で鑑賞できるという、従来はあり得なかった鑑賞方法が生み出された。

同氏の作品は世界中で9箇所の都市にて展示を予定しており、スマートフォンのカメラを通して鑑賞できる。

彫刻作品をARで表示

作品は一つの場所に据え置きする形で展示するので、ユーザーは作品に近寄ったり、周りを歩き回ったりなどして、どんな角度からでも鑑賞することができる。

展示が行われている場所にユーザーが近づくと、アプリの特殊な機能が起動して、スマートフォンのカメラを通して彫刻作品がAR表示される仕組みだ。

同様のイベントを今後も展開予定

SnapchatがモバイルARを用いてアート分野に参入するのは、今回が初めてだ。しかし同社は今後もARを用いたアート展示を継続して開催していく予定だ。

本プログラムに参加するアーティストを募集する予定とのことで、同社のモバイルARを用いたアート鑑賞の可能性を追求する姿勢が垣間見える。

ARとアートとの融合がもたらす可能性

VRはこれまでにも様々なアーティストが作品制作に取り入れており、また「Tilt Brush」や「Blocks」などのクリエイターツールも様々なものが登場している。一方でARがアートにもたらす可能性は、まだ開発が始まったばかりであり未知数だ。

しかし、フェイスブックは早くから「AR x アート」の可能性に着目しており、同社独自の実験的な取り組みを行っている。

フェイスブックの取り組み

今年4月、フェイスブックはARを用いてアート作品を現実世界に投影して表示する取り組みを行っていると発表した。同社はアーティストのHeather Dayとコラボして、アート作品をAR表示するデモ動画を公開している。

この取り組みは上記のSnapchatのそれとよく似ているが、ARを用いることによって3Dのデジタルアートが、まるで現実世界に登場したかのように出現する。これまであり得なかったアート作品の表現方法だ。

鑑賞者は特定の場所(ARアートが設置されている場所)に行き、そこでスマートフォンのカメラを通してアート作品を鑑賞する。従来のアート表現、鑑賞の両方に新しい方法をもたらすものだ。

ARがアートにもたらす可能性

この取り組みに参加したHeather Dayは、ARがアートにもたらす可能性について彼女のブログにて以下のように語っている。

ARという新しいテクノロジーを用いることで、これまでのアートの制作、体験方法に挑戦することが可能になります。(中略)(VR/ARなどの登場によって)将来、ミュージアムやギャラリーでの体験はどのように変わるのでしょうか。その時にアーティストであるということは、一体どういうことなのでしょうか。

モバイルARによってアート作品を鑑賞できるアプリ

「TRICKAR」

トリックアートの開発、企画・制作を行う株式会社エス・デーは、トリックアート専用アプリ「TRICKAR(トリックアール)」をリリースしている。

精細に描かれたアナログ作品に、ARを加えることによってトリックアートの新しい楽しみ方を提案するとのことだ。

これまでトリックアートにおける撮影の楽しみ方は、作品の前でポーズをとって撮影することによって写真作品を作ることだった。しかし「TRICKAR」では、AR映像による演出を動画で撮影することができるため、今まで以上にリアルで面白い動画作品を作ることが可能になるとのことだ。

参考:ARでトリックアートが動き出す! 『TRICKAR(トリックアール)』アプリが登場

「Makebox AR」

「Makebox AR」は誰でも簡単にモバイルARで3Dモデリングを体験できるアプリだ。本アプリはiPhoneに対応しており、積み木感覚で直感的な3Dモデルの制作が可能だ。

制作した3Dモデルはウェブで公開することが可能で、Gear VR、Windows MRヘッドセット、Cardboardなどの様々なVRデバイスで閲覧することが可能だ。

また、3Dモデルをウェブでシェアすると、OBJファイルとしてダウンロードできるので、他の3DモデリングツールやUnity、Unreal Engine 4などのゲームエンジンで転用することも可能だ。3Dプリントにも対応している。

参考:ARKitを使用した3Dモデリングアプリ「Makebox AR」をリリース

「Sketchfab」

3Dモデルを手軽に投稿、シェアできるサービス「Sketchfab」も先日ARに対応した。これによって同サービス上で公開されている様々な3Dモデルを、ARを用いて現実世界に重ね合わせAR表示することが可能になった。

AR表示してオブジェクトは、近くに寄ってみたり周りを歩き回ることが可能だ。まるでオブジェクトが実際にそこにあるかのような感覚で鑑賞することができる。

参考:3Dモデル共有サービス「Sketchfab」がARKitに対応、3DモデルをAR表示可能に

参照元:VRScout Snapchat Launches New AR Art Platform


フリーランスの翻訳ライター。XR、VTuber、人工知能を専門に各種メディアに寄稿しています。 Twitter: https://twitter.com/dsiwmr

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