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VIVEのワイヤレス化キット、TPCastとDisplayLinkとは

次世代ヘッドセットの主流と言われるワイヤレスHMDだが、既存の有線HMDをワイヤレス化する動きも高まっている。当記事ではHTC VIVEをワイヤレス化するキットを紹介する。

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ハイエンドVRヘッドセットにおける問題点の一つとして、ケーブルをPC接続するためにVR体験の範囲が制限される、というものがあり、これを解決するための手段としてワイヤレスHMDが注目されているが、同時に現行のヘッドセットをワイヤレス化するキットも開発されている。

TPCast

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今年1月に開催されたCES2017においてHTCが発表したTPCastは、現行のHTC VIVEをワイヤレス化するために開発されたデバイスで、おそらく現在もっとも注目されているVIVEワイヤレス化キットで、中国国内ではすでに販売が開始されているが、年内には世界展開する予定。

特徴

TPCastはデバイスをVIVEの上部に取り付けて使用することによってワイヤレスVR環境を構築するが、そのため頭部に若干の重量がかかるが、レイテンシー(遅延度)は極めて低く、VRFocusのテストでは高精細のスナイパーゲームをプレイしたが、その際もフレームレート落ちや解像度が圧縮されて映像がぼやけることもなく、「ほとんどパーフェクト」なワイヤレスVR体験が実現されている、とのこと。

ワイヤレスVRは有線のそれに比べてコマ落ちや接続不良、遅延が心配になりがちだが、TPCastに関してはそのような問題はなく、動画のようにかなり激しいアクションをしても問題ない様子を確認できるし、オーディオのクオリティもVRFocusのレビューによると「有線接続の際のそれと同じレベルで問題はない」とのこと。

デメリット

本デバイスはVIVEの上部に装着するためヘッドフォンを装着することができず、したがって音声出力はイヤホンになることと、セットアップの際に若干の手間がかかるが、一旦HMDにセットすれば装着感をほとんど感じることなくスムーズに使用することができる。

日本での販売予定

中国では今年4月からTPCastの販売が開始されている(予約分は即完売)が、全世界での販売も予定されており、販売開始時期は2017年第2四半期で、価格は29.000円になる予定。

29.000円という価格を高いと見るか、手頃と見るかは人それぞれであろうが、 現行のHMDで最上位機種のVIVEをワイヤレスで使用することによって得られるメリットを考えれば、決して高くはないのではないだろうか。

DisplayLink

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CES2017で発表されたVIVEワイヤレス化キットで、TPCastとの双璧をなしているのが、DisplayLink社が開発したDisplayLinkだ。

TPCastほどに注目を浴びているデバイスではないが、性能面においてもTPCastの競合機種たりえるデバイスで、ワイヤレス化キットにおいて大きな存在感を示し得る可能性を秘めている。

特徴

TPCastよりもコンパクトなデザインで、かつ同レベルのクオリティのビジュアルとオーディオによるワイヤレスVR環境を構築することが可能で、また、本デバイスはHMDのやや後ろ、後頭部に装着するためヘッドフォンを着けることが可能だ。

DisplayLinkのバッテリーは2種類が用意されており、1つめはデバイスに接続されたバッテリーをポケットに入れて使用するタイプ(TPCastと同じ方式)であるが、もう1つはデバイス内部にバッテリーを内臓する方式で、そのためにデバイスの重量が増加するが、たとえば複数人の間でデバイスをシェアする時などはこちらの方式のほうがより使いやすい。

また、気になるレイテンシーは公式サイトによると最大2~3秒であり、使用時に気になるような遅延速度ではなく、同キット公式ページに記載されている仕様とTPCastのそれを比較しても、遅延時間・バッテリー駆動時間ともに大きな差はない。

デメリット

TPCastと比べると装着感において若干の不自然さが生ずるものの、デバイスのコンパクトさや大人数でのシェアリングのし易さを考慮すると、たとえばイベント展示などの使用においてはDisplayLinkのほうにアドバンテージがあるようにも見える。

日本での販売予定

価格、および詳細なリリース時期はまだ発表されていないが、公式サイトによると2017年後半にリリースされる予定。

ワイヤレスは次世代VRの主流になるか

上にあげた2機種以外にも、インテルが開発したワイヤレスVRソリューション"WiGig"がVIVEに適用されたりなど、ヘッドセット市場のワイヤレス化は進んでいる。

現行のヘッドセットで問題となる点の一つに、HMDをPC接続する必要があるため動ける範囲が限られたり、もしくはプレイする途中で足をケーブルに引っ掛けてしまう、などの問題があるため、ヘッドセットのワイヤレス化はスムーズなVR体験を実現するために重要になる。

Oculusの創業者によると、今後2年間は大手メーカーのVRヘッドセットに大きな変化はないとの予測がされていることも考えると、今後VRハードウェア関連においては、ワイヤレス化キットなどの周辺機器を中心に発達する可能性がありそうだ。

参照元:VRFocus

daisuke


ライター兼翻訳家。2016年12月にプレイステーションVRを体験したことをきっかけにVRに関心を持つ。ARやドローン、AIなどの先端テクノロジー全般に興味があり、SF化する世の中にワクワクしています。

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